インテルやカルチョに関する話題多め
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もう3年以上も前になりますか……blogを開設してすぐぐらいの時です。
敗戦のショックから立ち直る上で、指揮官に取れる施策あれこれを考えたことがありました。

※→ これ 。文章が今以上に拙い出来ですがご容赦を。

ふと、

じゃあ今の川崎の場合、ベストの解決策ってなんじゃろ?

と一考。その結果、当時は考えつかなかったのですが、
練習の中で不安を一つひとつ取り除く
っていうアプローチもあるよな、という考えに到りました。

選手との接し方は、勿論リカバリングの大切な要素ではあるのですが。
川崎というか風間ンターレの場合、選手の自主性=自律を強く推奨してますよね。

なので、普段から指揮官がBOSSとして集団を統括している訳ではない。
方針を示すリーダーではあるんですが、あくまでそれは方針。選手自身が、どれだけ自分をコントロールできるかにかかってくる。
下手にここで指揮官からの声がけが多くなったり、激怒して怒鳴りつけても、「不慣れなことはすべきじゃない」で逆効果になる危険性がある。

その点、タクティカルな側面で問題の失点シーンを検証。
原因を一つひとつ、丁寧に解決して自信を回復させるのも、立派なアプローチだなという結論に到りました。

初年が途中交代だったとは言え、なんだかんだで3年目の現政権。選手たちも自分の頭で判断し、自分から立ち直らなければ、結局ドツボにはまるチームなことは理解してるでしょう。

なら揮官が助けるのは、不安の具体的解消、技術的な自信の回復=落ち着きを与えることが中心になっていい。
勿論、それにしても大宮戦のあれはおおいに怒って然るべき失態でしたが……かと言って怒り続けたところで、待ってるのは反発じゃなくて萎縮ですよね。

まったくお前らは糞みたいなチームだ!
プロとして恥ずかしくないのか!


より、

……何も言うことない

って一言の方が、よほどショックを受ける場合もある。
少なくとも今の川崎には、後者の方がリアクションが期待できる選手が多いような気がします。


風間のヒューマン・マネジメントのセンスについては、割と楽観視してます。
監督としての手腕については、まだまだあれこれ言いたくなることも多いですが……人間的な器で考えれば、妙に容量が大きいのに凸凹した形をしているというか、底が知れないところはありますよね(苦笑)
悩みや迷いを相手に悟らせ難いという特徴を、風間自身が上手に生かして選手と接せられるかどうか。ピッチ上で選手に判断力口上を求める以上、指揮官にも同じような仕事が要求されるようになってきたのは、なかなか皮肉が効いてて興味深い展開です。



後は、それに追随する戦術的な修正策を提供できるかどうか。日々の練習量が圧倒的に足りず、コンディション維持に手一杯になる中2~3日体制下だけに、前回起用して疲労させた選手に新たなタスクを求めることは難しい。
準レギュラークラスを介して、いかに各個人が各々の役割を従来通りの形で全う→その結果としてチーム全体がコンパクトになれるか、を追求することになる。

苦境下ほど、指揮官の資質は試されます。
マネージャー・フリークスとしては、チームの不振とは全く別のところで、それはそれで一つ楽しみだったりするのです。

<了>

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【2014/03/19 06:40】 | タクティカル
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ようやくこのシリーズにも、けじめを付けることができる。
今日は先日述べた『最終ラインをズルズル下げてはいけない』状況に対し、必要な対応策を考えていくことでまとめとしたい。

まずは前回の復習と、その補足から始めよう。
紹介した二つの仕組みは

仕組み⑤:最終ラインを高く保つということは、確かに相手にDFラインの裏を突かれるリスクを負うことになる。
だが
それは同時に自分達がボールを奪取した後のカウンターをスムーズにし、相手の喉元にナイフを突きつけることにもなる。
結果、相手は反撃を恐れて、攻撃に多くの人数をかけるのを避けるようになる。

仕組み⑥:翻って、最終ラインを下げてしまうと、その分だけカウンターの切れ味は鈍る
そうすると相手は安心して、どんどんこちら陣内に選手を送りこんで来る。結果、相手のチャンスは増える。


だったが、では逆に

じゃあ、最終ラインを下げていい状況っていうのはどういう時なのか?

という疑問を抱かれた人も多いのではないかと思う。
そこでこの問題を考える時に、目安となるのが

1)自分達が意識してラインを上下させているかどうか
2)時間帯、特に残り時間はどうか

の2点だろう。

例えば、試合開始から80~90分が経過したころ、いわゆる試合終了直前であれば、自分達から最終ラインを下げて守り切るという選択肢は考えられる。
ゴール前、ペナルティエリア付近に味方が密集しているという時点で、ボールを外に掻き出せる可能性は高まるからだ。

一方、得点的な優位もなく(僅差でリード、あるいは同点や負けている状況等)、本来はもっとボールを相手陣寄りで動かしたいのに、結果として相手に攻めこまれて最終ラインが下がってしまった場合。
これはまずい。中盤との意思疎通がうまくできず、半端に中盤が
攻撃のためには、自分達がもっと前に行かないと…
と考えてラインを上げてしまうと、

このような状況に陥ってしまう危険性が高まる。
図で見てもわかる通り、赤軍は中盤が前に出ようとしているのに、最終ラインに位置するDF達が、ラインを押し上げきれていないことがわかるだろう。

この状況で、図の通り黄軍がボールを奪取してしまえばどうなるか?
そこから先は言わずもがなである。

いかがだろうか。
相手DFの前と、あわよくば最終ラインの背後のスペースまで、彼らはフルに攻撃に使うことができる。ここに存在するスペースのうち、どこかでフリーの選手が足を振りぬけば? 高確率で、危険なシュートがゴールへズドンと飛ぶことになる。非常に危険な状況だ。

放り込み放り込みサイドアタックがドリブルからペナルティエリア内に侵入放り込みミドルレンジでフリーになった相手がシュート…..

等々、矢継ぎ早に様々な手を試されてはどうなるか? 
いよいよもって、コンパクトに選手と選手の距離が正しく保たれた、美しい守備組織を保つことは難しくなるだろう。

人間、来るとわかっていることには対応できる。だが、
何が来る……どう来る……?
という疑心や恐怖心に揺さぶられる状態が長引けば、思考力――つまり集中力の摩耗を強いられる。

こういう展開になってしまっては、攻撃を防ぎきることは難しい。
わかりやすい試合としては、コンフェデレーションズカップ時の日本vsブラジル戦を思い浮かべてくれればと思う。


では、どうやってこれを防ぐか? という話である。

結論から言うと、攻撃のバリエーションを制限させるためには、こちらの陣地に侵入してくる相手選手の数を減らす必要がある。
そのために欠かせないのが、先日も少し触れた、効果的なカウンターアタックなのだ。

カウンターアタックは、それ自体が相手DFの攻撃参加を制限する抑止力を持つ。得点をあげられれば最高だし、仮にフィニッシュに失敗しても、警戒した相手MF、DFが攻撃参加を躊躇い、自陣に滞在する時間が長くなる。

更にだ。カウンターアタックを機能させるためには、これまた人手が必要になることを、何人かの方は既にお気づきのことだろう。
そうなのである。
FWが前で待っているだけでは、例えロングパスが彼らのところまで通ったとしても、必然的に攻撃の選択肢が限られてしまう。

限られたことであれば対応しやすいのは、どちらのチームにも共通だ。攻撃を成功させるには、ドリブル、パス、シュートの選択肢を2つ、3つと増やさなければならない。相手チームからすれば、敵選手が複数いる状況に対応すべく、守備の人手を増やさなければならなくなるのだ。

DFラインと中盤MFが、距離を短く保ってスペースを小さくすることで、守備は安定する。
前線のFWと中盤MFが、距離を短く保つことで攻撃はスムーズになるのだ。


言ってみれば現代フットボールとは、一種の陣取りゲームである。自軍が攻撃と守備に効果的なスペース上でプレーできる時間を長くすることができれば、必然的に勝利は近づく。

これが最終ラインを下げ過ぎてはいけないことの、最も直接的な理由となるのである。


最後に、シリーズを通して確認してきた仕組み(約束事)を、もう一度確認して、当連載を終了させていただく。

仕組み①:守る側は最終ラインの背後に、ボールを持った相手選手の侵入を許してはならない。
補足:それがペナルティエリア内だと、尚始末が悪い
対抗策

仕組み②:最終ラインを下げることによって、仕組み①の守る側が最も困る状況は回避しやすくなる。

仕組み③:最終ラインをただ下げたところで、最終ラインのDFとMFの距離が開いていては、効果的に圧力をかけられないため、相手からボールを奪うことができない
転じて

仕組み④:守る側は最終ラインを下げるだけじゃなく、味方と味方の距離を一定間隔に保って、相手がフリー(自由)に動けるスペースを制限しなければならない。


仕組み⑤:最終ラインを高く保つということは、確かに相手にDFラインの裏を突かれるリスクを負うことになる。
だが
それは同時に自分達がボールを奪取した後のカウンターをスムーズにし、相手の喉元にナイフを突きつけることにもなる。
結果、相手は反撃を恐れて、攻撃に多くの人数をかけるのを避けるようになる。

仕組み⑥:翻って、最終ラインを下げてしまうと、その分だけカウンターの切れ味は鈍る
そうすると相手は安心して、どんどんこちら陣内に選手を送りこんで来る。結果、相手のチャンスは増える。

仕組み⑦:DFとMFの間隔が狭い方が、効果的な守備はしやすい。
FWとMFの間隔が狭い方が、効果的な攻撃もしやすい。
つまり……
最終ラインを押し上げてコンパクトに陣形を保つことは、攻撃と守備のバランスを整えるために、必要不可欠な行為である



この次あなたが見る試合で、あなたが応援するチームは、前線から最終ラインまでのバランスを、正しく距離を持って保つことができているだろうか?
そんなことを考えながら観戦してみるのも一興かもしれない。

<了>


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【2013/08/06 23:23】 | タクティカル
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※※前回までのおさらい※※

仕組み①:守る側は最終ラインの背後に、ボールを持った相手選手の侵入を許してはならない。
補足:それがペナルティエリア内だと、尚始末が悪い
対抗策

仕組み②:最終ラインを下げることによって、仕組み①の守る側が最も困る状況は回避しやすくなる。

仕組み③:最終ラインをただ下げたところで、最終ラインのDFとMFの距離が開いていては、効果的に圧力をかけられないため、相手からボールを奪うことができない
転じて

仕組み④:守る側は最終ラインを下げるだけじゃなく、味方と味方の距離を一定間隔に保って、相手がフリー(自由)に動けるスペースを制限しなければならない。



さて、今回からようやく本題について語ることができる。
なるべく図解等を交えて、状況を可視化できるよう努めるので、拙い解説についてはお許しいただきたい。

上記の『前回までのおさらい』にあるメカニズムは、充分にご承知いただけただろうか?
ご理解いただけた、という前提を踏まえた上で、では何故最終ラインを下げてはいけないのか
今回からいよいよ、このテーマについて具体的に紐解いていこうと思う。

まず、最終ラインを下げ過ぎると、以下2つの大きな弊害が発生する。

(1)『最も避けたい状況=最終ラインの背後にボールを持って侵入される』は回避できても、相手が攻めてくることには変わりないので、必然的に状況が悪くなりやすい

一例:空中戦に強い選手がいる所にハイボールをガンガン放り込まれれば、完璧に防ぐのは現実的に不可能。

(2)『最終ラインと中盤との間にスペースを開けてはいけない』と、味方が皆自陣の深い位置まで下がってくる。その結果、いざボールを奪って攻撃に転じようと思っても、効果的な反撃を繰り出すのが難しい

具体例:南アフリカ大会のカメルーン戦やオランダ戦。作り出したチャンスの少なさは、参加国屈指だったのではないだろうか……?

実際にはその他にも多くの要素が絡み合っているのだが、本連載では必要最低限ということで、この2つを押さえて先に進もう。

順を追って説明しよう。
まず、通常、ペナルティエリア内に侵入してくる相手選手の数には限りがある。
攻撃にそこまで多くの人数をかけてしまっては、ボールを奪われた後の守備が難しくなるからだ。

①黄色軍、守備を考えずに猛攻。今まさに、ペナルティエリア内の味方へ決定的なパスを味方へ出そうとする。

②しかしこれを赤軍に取られてしまった。

③トントーン、とパスを繋がれてカウンターアタック。これは防ぎようがない。
z1u3

こんな展開になってしまっては万事休すである。
実際には、これほど前掛かりな布陣になることはまずないが、極論としてはこういうことなのだと理解していただければ充分である。

赤軍の選手が、自分達の最終ライン付近に1人以上残っており、かつ中継地点にも繋ぎ役となる選手を配置していた場合。攻める黄軍側としては、ボールを奪われた後の守備を考えずに、攻撃の効率化だけを考えてプレーすることはあり得ない。
いくら点が欲しくても、失点のリスクを伴うチャレンジは、そうそう仕掛けられないという訳だ。


だが、相手が最終ラインを深い位置まで下げ、それに伴い中盤も下がっている状況であれば話は変わってくる。
次の図を見て欲しい。


いかがだろうか?
赤軍は確かに前線にFWを残してはいるが、仮にボールを奪えたとしても、スムーズに前線に運ぶことが難しくなっていることがおわかりいただけるだろう。
このように……

ボール奪取に成功しても、その後のパスが通り難いよう、黄軍はリスクを軽減できる選手配置にしている。また、先ほどより攻撃の効率は落ちてしまうが、前線に送り込む選手の人数にも制限をかけているのがわかる。


おかわりいただけるだろうか?
最終ラインがズルズルと下がり、それに伴い中盤の選手たちも深い位置に下がってきてしまえば、失点のリスクは減るものの、同時に加点の可能性も減少してしまう
結果、攻める側の黄軍としては、必要最低限のリスクケアさえ行えば、後は攻撃に専念することができるのだ。

という訳で、本日のまとめといこう。

仕組み⑤:最終ラインを高く保つということは、確かに相手にDFラインの裏を突かれるリスクを負うことになる。
だが
それは同時に自分達がボールを奪取した後のカウンターをスムーズにし、相手の喉元にナイフを突きつけることにもなる。
結果、相手は反撃を恐れて、攻撃に多くの人数をかけるのを避けるようになる。

仕組み⑥:翻って、最終ラインを下げてしまうと、その分だけカウンターの切れ味は鈍る
そうすると相手は安心して、どんどんこちら陣内に選手を送りこんで来る。結果、相手のチャンスは増える。


ようやく、最終ラインを下げてはいけない状況が、「下げるな!!」……と叫ぶ人々の気持ちを理解できそうなところまで来た。
ここまで来れば、後一息である。
次回はようやく最終回になるが、少しでもこれを読んでくださっている皆さんのフットボールライフが充実してくれれば、その助けになれれば、これ以上の喜びはない。




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【2013/08/05 16:48】 | タクティカル
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※※前回のおさらい※※

仕組み①:守る側は最終ラインの背後に、ボールを持った相手選手の侵入を許してはならない。
補足:それがペナルティエリア内だと、尚始末が悪い
対抗策

仕組み②:最終ラインを下げることによって、仕組み①の守る側が最も困る状況は回避しやすくなる。



さて前回、守備側が最終ラインを下げることで、攻撃側は最終ラインの裏へボールを持って侵入することが難くなってしまった。
まったく困ったものである。汚いさすが最終ラインきたない、あまりにも卑怯すぐるでしょう?というものだ。

しかし、である。本当にこれで終わるなら、全てのチームはドン引きするのだ。
オフサイドのルールはそもそも機能せず、10人による守備一辺倒&1人の快速カウンターだけで勝負をつけるチームが激増することだろう。

なのに、現実にはそうはなっていない。
多くのファンはテレビの前で、スタジアムで、今日も

駄目だ、最終ラインを下げるな!

と絶叫する。それは何故か?

――この点において、フットボールは科学だ。
焦って機械的に答だけをカンニングするよりも、段階を踏んで、着実に解答へと迫っていこう。

◎攻撃側の『スペース』について

今まではあえて極論化し、俎上に乗せてこなかったことだが、

最終ラインの背後に侵入するだけが、攻撃手段ではない

のだ。当然である。裏を取らないとゴールにボールを蹴ってはいけないというルールでもあればともかく、関節フリーキックやスローイン等の例外を除いて、全方面、全局面からゴールを狙っていいのがフットボールだ。

攻撃側は、確かに大前提として最終ラインの裏へ侵入することを試みる。だが、それが防がれた場合の、二の手三の手の模索こそが、今日すべてのチームに課せられた責務である、と言って過言ではない。ようは、

(1) 攻撃側が最終ラインの裏を狙う動きを見せる。
(2) 守備側がそうはさせまいとして、最終ラインの位置を下げる。
(3) 攻撃側は守備側の背後のスペースがなくなった分、
新たに生まれたスペースを使って攻撃する。


この新たに生まれたスペースこそが、今連載のメインテーマとなる。

早速こちらを見ていただこう。
これは本コラムの第1回、第2回時にはなかった、守備側のMF(今回は暫定的に4人)を追加した図である。攻める側を「てき」、白い小さなのがボールだ。



いかがだろうか? この状態では、攻める側のできることは限られてくるのがおわかりいただけるだろう。パスを出そうにも、相手のDFかMFがパスコース上にいるため、ほとんど手詰まりの状態だ。
逆に守る側としては、理想的な状況に追い込むことができていると言える。これがいわゆるプレッシングである。本来はローラインプレッシング、ハイラインプレッシングと複数種に分類できるものなのだが、まずは簡潔に

敵からボールを奪うために味方を配置して、相手に圧力をかけ、自由にプレーできるスペースを奪うこと

と思っていただければいい。

想像してみて欲しい。
職場で自分の企画だとかミスを、複数人の上司や同僚から追求されるであるとか。
学校でやりたくもない~~委員に推薦され、クラス中の大半の人が手をあげて自分の就任に賛同してくるだとか……
圧力をかけられるのは、なんとも辛いものである。少なくとも筆者は辛い。

フットボールにおいても、それは同じだ。
攻める側からしてみれば、効果的なプレッシングをかけてくる相手からは、当然得点を奪うことが難しくなる。
逆に守る側からしてみれば、相手を気持ちよくプレーさせないためにも、プレッシングは必要不可欠なのである。

では、プレッシングがうまくいっていない場合とは、どういった状況なのだろうか?
例えばそれは、こんな配置になる。



これはまずい。相当まずい。
攻める側は、選手と選手の距離が適度に保たれているだけでなく、裏のスペースへ抜け出して、そこにパスをもらいやすい配置になっている。絶好のチャンス到来である。

一方、守る側は急いでドリブル、パスのコースを消さなければならない。しかし、DF4人では、如何せんできることに限界がある。自分たちがベストを尽くした上で、更に相手がミスするなど、運もよくなければこのピンチを切り抜けられない。
一番の問題は、

MFとDF(最終ライン)の距離が離れすぎているため、相手選手に効果的にプレッシャーをかけられない

ことだろう。テレビ中継で解説者がよく口にする、俗に言う
陣形がコンパクトに保たれていない
状態である。

この時注目すべきは、MFとDFの間に、広大なスペースが出現しているということだ。
図解してみると、



……こういうことになる。
折角最終ラインを下げて、背後のスペースを消去したのに、新たに生まれたスペースで、相手がフリーダムに、自由人に、我が世の春でマイボールを謳歌している。
このままでは次の瞬間にも、相手ボールホルダーが、強烈なミドルシュートを放ってゴールを脅かしにくるだろう。

このままじゃまずい。
よし、ここはボールを奪いにいくぞ!


と一念発起、最終ラインのCB(センターバック)2人が勇気を出してみた。
そこでボールホルダーに殺到すべく、ラインを押し上げてみると……



!?
なんてこった……である。



これは絶体絶命。一番避けなければならなかった、裏のスペースがぽっかりの状況ではないか。

……そうなのである。
どの道この状況は、もはや失点のリスクをこれ以上軽減することができないのだ。

守備側はこの配置では、効果的な圧力をかけることができない。攻める側には複数の選択肢が存在し、守る側はその中から、ヤマカンでいくつかのリスクを消去し、一方でいくつかのリスクを抱え込むことになる。
学生時代にヤマカンで学校のテストに挑んだことのある諸兄、あるいは現役でそれを実践している方であれば、これがいかにリスキーな状況かがおわかりただけるはずだ。

今回は前回、前々回で確認してきた教科書通りの動き、裏のスペースを狙う動きをシュミレートしてみる。
左右の味方それぞれに、最終ライン裏へ抜け出す動きをしてもらおう。




(1)CB2人は、一か八かでも相手ボールホルダーに、プレッシャーをかけにいかざるを得ない。
特に、シュートコースだけはなんとしてでも塞ぐ必要がある。
→そうしなければミドルがズドンとくる

(2)CB2人がプレッシャーをかければ、必然その隙を狙って、相手左右は背後のスペースに入り込む動きを見せてくる。
→守備側のSB(サイドバック)が懸命についていくことになるが、どだい距離が離れすぎている。
特に下部の選手は、どう足掻いてもスペースへの侵入を完全には止め切れない

――後は煮るなり焼くなり、お好きなようにである。


では、本日のまとめだ。

仕組み③:最終ラインをただ下げたところで、最終ラインのDFとMFの距離が開いていては、効果的に圧力をかけられないため、相手からボールを奪うことができない
転じて
仕組み④:守る側は最終ラインを下げるだけじゃなく、味方と味方の距離を一定間隔に保って、相手がフリー(自由)に動けるスペースを制限しなければならない。


少しずつ、最終ラインが下がってしまうメカニズムと、下げてはいけない状況がわかってきた。
だがしかし、これで終わりではない。例えMFとDF、双方がコンパクトに陣形を保っていても、それでも最終ラインを下げてはいけない場合がある。

それは果たして……?

……というところで、今週はここまでだ。

次回更新は少し時間が空くかもしれないが、そこは折角の週末、待望のJ1再開である。
存分に試合を楽しんでいただいた後に、改めてご来訪いただけるとあれば、Jリーグファンの筆者にとってはまさに二重の喜びである。

ではまた。


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【2013/07/05 22:46】 | タクティカル
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まず前回のおさらいである。

仕組み①:守る側は最終ラインの背後に、ボールを持った相手選手の侵入を許してはならない。
補足:それがペナルティエリア内だと、尚始末が悪い


これを大前提として、今回は最終ラインが下がっていく理由についてお伝えしよう。

◎本日のテーマ:攻める側が一番狙ってくること&その対策

いきなりだが、結論からお伝えしよう。
それは、仕組み①の状況を作り出すことに他ならない。
つまり、

最終ラインの奥で、GKと1vs1の状況を作り出す

だ。
尤もそこに到るまでには、いくつかの異なる方法があるわけだが……
努めてシンプルに分類すると、

①ドリブルで相手を抜き去って1vs1
②味方からパスをもらって1vs1


となる。

この内、①の状況を作り出すのは、とてもとても難しい。
だいたいCBというのは2人以上がセットで、最終ラインを形成していることが多い。わかりやすく言うと、まやや(吉田麻也)と今ちゃん(今野 泰幸)のようにだ。
勿論、最終ラインの位置をコントロールするの上では、どちらかが意識してポジショニングを統率する訳だが、今回はそんな七面倒臭いことは置いておこう

つまりドリブルする選手は、

こういう状況で相手を抜き去らなくてはならないのだ。
超ワールドクラスであっても、そう易易とどうにかできる状況でないことがおわかりいただけるだろう。

②はこれに比べ、現実的におおいに起こり得る状況だ。
実際、私達はいくつかの試合で、こういった場面を目にしているはずである。
いわゆるカウンターの場面だ。特にロングカウンターは、最終ラインを押し上げるリスクをわかりやすく体現している。
端的に言うと、こういうことになる。

俊足のFWが、味方が攻めこまれている状況でも自陣深くまで戻らず、じっと相手の最終ライン付近で構えている理由は、これを見ればおわかりいただけることだろう。
相手がリスクをかけて攻撃に人数を割けば、必然、こういった失点のリスクは上がってしまうということだ。

ここで、冒頭の仕組み①を思い出して欲しい。

――そうなのである。
最終ラインの位置を下げれば、背後のスペースに侵入されるリスクは減る
のだ。
図解するとこのように↓

GKとDFの距離が短い分だけ、侵入できるスペースが激減していることがわかるだろう。
最終ラインが下がるのにも、それなりの理由はあるのである。

※チェック

ここで余力のある人(;´Д`)は更に押さえておきたいのが、オフサイド判定のルール変更についてである。

かつてACミランを率いたイタリア人監督、アリーゴ・サッキは、ゾーンプレスという戦術を生み出し、最終ラインを高く押し上げることの有用性を世界に知らしめた。
しかし、
「こりゃあかん!」
と思ったのか何なのか、FIFAのお歴々はオフサイドに関するルールをあれやこれやと変更して、最終ラインを上げるリスクを高めるルール変更を行った。
このルール変更は、今も尚、現在進行形で続いている。

ちょうど折よく、Jリーグにもドンピシャでオフサイドのルール変更に関する話題がある。
以下は、日刊スポーツさんからの抜粋だ。

日本サッカー協会の上川徹審判委員長は2日、オフサイドの位置にいても相手選手の意図的なバックパスやクリアなどを奪った場合は反則にならないことなど解釈が明確化された競技規則について、J1は再開する6日の第14節から適用することを明らかにした。

 3月に競技規則を定める国際サッカー評議会(IFAB)が「相手競技者に干渉する」「その位置にいることによって利益を得る」との条文についての解釈を、より具体的にした。GKがセーブしてはね返った球や、相手選手に当たって方向が変わったボールをオフサイドの位置で受けた場合は反則になる。


――と、なんだかこれだけ読んでも何が何だかという感じだが、一言でまとめると

ルール変更により、最終ラインの位置を上げてもオフサイドが発生しづらくなって、守る側にとってはすごく損

なルールになってきた、と理解していただければよい。

……と、いう訳で。
皆様既になんとなく察しはついていらっしゃるかと思うが、これが本日のまとめとなる。

仕組み②:最終ラインを下げることによって、仕組み①の守る側が最も困る状況は回避しやすくなる。
補足:オフサイドに関するルール変更で、ますます最終ラインを高い位置に押し上げづらくなった



なんだかあまり話が進まなかったような気もするが、とりあえず今回までで、2つの大前提が確認を終了した。
超がつくほど初心者向けの解説ということで、まだるっこしいのはご勘弁願いたい。

ではまた。


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【2013/07/05 00:19】 | タクティカル
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