インテルやカルチョに関する話題多め
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◎モウのやり方

では・・・予定通り。

この企画の最後に、このコラム作成の閃きと言うかヒントを与えてくれた、モウリーニョのリカバリング法についても解説しておきます。(ちなみに前回までは→こちらです)

まあ、何人かの方はすでに答えの予想がついてしまっているやもしれませんが・・・
彼はここまで列挙してきた方法の、

そのほぼすべてを試し、使いこなしています。

唯一(9)に関しては過去、自分の方では確認できていません。
必ず何かしらの方法で、勝利時にも敗北時にも選手に働きかけ、意思の疎通を行うのがモウの流儀だからでしょう。

▽硬軟織り交ぜての巧みな使い分け

では、順番に解説していきましょう。

まず、(1)(2)は日常的に行われています。

よい点はストレートによいと褒め、窘める点もダイレクトに相手に伝えるのがモウ式。
モウはむしろ、他の監督と比べて、褒める頻度は高い方ではないかと思えるほどです。

(3)は前回解説させていただいた通り、ポルト時代とインテル時代の2度、

「モウが怒った瞬間」

として公式に記録されています。
インテルの時を例に挙げると、

「所詮お前らはこの程度のチームなのか。

スクデッド(セリエAのリーグ制覇タイトル)を3連覇しただと?

最初のスクデットは事務所でもらったものだ。(カルチョスキャンダルによる繰り上げ優勝をさしてのこと)

2つ目はまともな敵がどこにもいなかったからだ。

3つ目はシーズンの最後の最後まで、ずるずる戦いを引き伸ばしてようやく勝った。


まったくお前らは糞みたいなチームだ!!」


・・・と、思わず

「お前はどっちの味方だい!?」

――なんて突っ込みたくなるような内容です(笑)

にも関わらず、すべてはモウの目論見通りに進みます。

チームにショックを与え、敗戦から立ち直らせているだけでなく、
その後より選手との信頼関係を強固なものにしていった辺りは、見事と言うほかありません。


普段は決して選手を攻撃するような人間ではない。
が、選手たちが自分を裏切った(期待に背いただけでなく、命令も無視したような)場合、その反応は苛烈を極める。

それでも選手との信頼関係が壊れないのは、あくまでそのやり方が、流儀が一貫しているから。
だからこそ不平不満を抱えている選手ですら、モウのルールを納得し、チームの一員として働くことに努めるのである。



(4)もまた、モウの場合は日常的に行っているアプローチのひとつです。

更にモウの場合は、直接対戦した相手以外・・・
例えば今であればバルセロナ(言わずと知れたレアル・マドリーの宿敵)など、ライバルチームを引き合いに出して突然攻撃を始めることもあります。

その方法がどういう結果を招くのかは、モウが過去イングランドで、イタリアで繰り広げてきたメディア協奏曲を振り返れば一目瞭然ですが(苦笑)、
自身が注目を集め、選手たちの負担を軽減させようという側面も含めて、モウのマネジメントに欠かすことのできない手法となっています。


(5)のやり方も一級品です。

モウ最大の特徴として、控え選手のケアのうまさと、怪我orリハビリ状態の選手のモチベーションを高い状態で保つのが得意という点が挙げられます。

これは彼がチーム全員をまんべんなく見、チェックしているからこそ可能な芸当であり、
また不穏分子を駆逐するスピードが、尋常でなく速いため。

チームの和を乱す選手はいらないと、言葉でも態度でもはっきりと示しているわけですね。
他の選手が走っているのに、一人だけ試合中に走らないなどということは、モウのチームにおいては許されないのです。

CFですら、戦術的な理由で守備のタスクを一部免除されることはあっても、
オフ・ザ・ボールの動きで味方が侵入するスペースを作ったりと・・・実に忙しく働かされることになります(笑)

モウのマネジメントにおける流儀のひとつ、

「チーム全体が同じ方向を向き、高い目標に向かってトライしていくこと」

において、妨げになる選手は存在できる余地がないのです。

それを“独裁的”と称する人もいますが、肝心の選手たちから不平・不満の声がほとんどまったく聞こえてこない点を考えれば、どちらが説得力を持つのかは一目瞭然。

決して関係のよくなかった選手からまで、

あいつは人として最低だ。でも、監督としては最高だった

という評価を受けられるのは、ひとえにモウがすべての選手を平等に、公平に扱っていることの証です。

努力する選手は、何らかの形で必ず報われる。
それをピッチ内外で体現しているからに他なりません。


(6)も使用頻度が高いアプローチです。
特にモウの場合、普段から

選手に求めるのは私が望む通りのプレーをして、集団・チームとして機能することだ。

個人のパフォーマンスのよしあしが問題ではない。チームとして私の望むパフォーマンスを発揮できるかどうかだけが重要なのだ


と、度々発言しています。

その言葉通り、モウは自分が求めた通りの動き、水準で仕事ができていれば、決して選手を責めることはありません。
それで敗れた場合、敗因はすべて監督にあるという立場を取っています。
選手起用からシステムから・・・選手たちを「そうした」状態でピッチに送り出した時点で、モウはすべての責任は自分にあると言っているわけです。

よって前述したふたつの用法は、モウの場合は厳密には当てはまらないと言えるかもしれません。

モウは選手の出来がよくなかった場合でも、自分が選手一人ひとりにそれぞれ定めた
“プレー原則”
を、タスクを放棄しない限りは、常に選手を擁護する立場に立っているからです。

フィジカル、メンタル(特にモチベーションとインテンシティ)問わず、コンディションが整わない選手をピッチに送り出した時点で、それは自らの責任。

選手はモウの命じたタスクを遂行しようとさえすれば、全面的に守られる立場にあるというわけですね。
これで燃えなきゃ男じゃありません(笑)

ともすれば傲岸不遜に思われがちなモウリーニョですが、こうした側面から見てもらえば、いかに彼が自分に厳しい人間かが伺い知れるというのものです。


(7)もまた、決して絶対数は多くありませんが、要所で使用しているアプローチになります。

まず「アメ」は、大きな試合が頻繁に起こる、シーズン終盤戦で使われることが多いです。

モウにとって重要なのは、いかにフィジカルの上限値(こちらで説明したこと)を高めるのかではなく、
‘いかに素早く、心身の疲労を取り除けるか’
です。

取り分けメンタルコンディションの調整、向上は、まさしく至上命題となります。

厳しい試合が続いていれば、何試合かを落としてがっくりきてしまうことはあるもの。
しかし選手たちが懸命にプレーしてさえいれば、モウは決して理不尽に選手たちを責めるようなことはしません。

フィジカルコンディション回復のためには、本当は試合の次の日からでもトレーニング(調整に当たる内容)を行った方が好ましいのですが、
メンタルコンディションを考慮した場合はこれは得策でないため
、このタイミングでは負担を軽減すべきなのだ・・・と、かつて公に発言しています。


次に「ニンジン」ですが、モウの場合はこうしたアプローチ
“敗戦のショックからのリカバリー”
ではなく、普段からモチベーションを上げるために用いていました。

主にポルトガル時代、ウニオン・レイニアやポルトでこうした手法は確認されています。

具体的に言うと、

「この選手とこの選手は私のフットボールを実現するのに非常に都合がいいので、

もっと大きなクラブに移籍することになった際にそのまま連れていく」

と伝えて、選手のモチベーションを高めたのですね。
実際リカルド・カルバリョやパウロ・フェレイラらは、本当にモウリーニョと共に新天地へと移籍していった選手です。


(8)に関しては、特定の個人に対してのみ、特例として用いられたことはあります。

ある試合で非常に自分勝手なプレーをした選手をベンチからも外し、トレーニングにすら参加させなかった・・・などの例は数知れず。
最近では飴と鞭とスペシャル・ワンで紹介した、ペドロ・レオンのケースが記憶に新しいです。

厳密には敗戦からのリカバリーではなく、

『命令に背いた揚句に失敗した選手への戒め』

と考えるべきですが、一応ご紹介してみました。


いかがでしたでしょうか。

なんだか自分の中で、「カチリ」とスイッチが入ってしまったため、勢いで書き上げてしまったこの記事でしたが・・・

睡眠時間削ってまで、何やってんでしょうね自分はorz
これもフットボールの魔性のせいです。何よりもモウリーニョのせいです(笑)

敗戦からいかに学ぶか?
いかに素早く戦う、態勢に戻すのか?
あるいは、むしろ旧に増して戦う意思を高めていけるかどうか? 

・・・などといったことは、その多くを選手個人の内面ではなく、
外部からの働きかけによってもたらされるもの――と自分は考えています。


モウリーニョをモウリーニョたらしめている、最大の要因のひとつは、こうしたアプローチが憎らしいほど巧みな点です。


究極の『人たらし』にして、誰よりもまず自分自身が徹底的に負けず嫌いの勝ちたがり魔。

硬軟あらゆる手法を使って選手をモチベートしていく様は、フットボールに限らず、それ以外の職業に従事している者であっても、見習わなければならない部分と思います。


眠い目を擦って書いていったため、いくつかの部分で表現が重複してしまっていることをお詫びしたい。
が、概ねモウリーニョのリカバリング&モチベーティングに賭ける情熱、その巧みさの一端は伝えられたと思う。

バレンシア戦前に、これといった大きな騒動は聞こえてこなかった。
モウやスタッフか、またはレアル・マドリーの広報が意識的に隠したのか?
それとも、本当に静かな対処法に終始したのか。

その第一答は、明朝の試合で明かされる。


差しあたって重要なのは、この記録的大敗後の1~2試合。

ここでチームがどういうパフォーマンスを見せてくれるかで、モウの今後の仕事が順調にいくか? 難航するのか?
・・・これがはっきり見えると思います。


ローマへの道は、一日にしてならず――

モウがこの短期間で、エル・ブランコをどう立て直していくのか。
スペインの白い巨人から、目が離せそうにありません・・・!!

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【2010/12/04 23:01】 | モウリーニョなこと
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なるほどね~
岩氏
正直、モウリーニョに対するイメージって【無機質的】な感じがありました。
でも、なんていうか、そういうやり方でも人はついていくんだなって改めて思いました。


【戦略家】【リーダー】会社で言えば【上司】として完璧な能力の持ち主なんでしょうね。
ただ、そのやり方が理に適い過ぎていて【無機質】に見えてしまうのかも。


いずれにしてもレアルがこの先どう立ち直っていくか見ものですね。
バレンシア戦?だったかな。勝ったみたいですしね。


岩氏的にも今期のレアルは大注目です!

Re: なるほどね~
白面
>岩氏さん

ルールから何から、はっきりオープンにしてるのは間違いないですね。
だから裏でこそこそのなあなあが大っ嫌い。記者連中とは絶対に『お友達』になろうとしないのもそのせいですw

無機質に見えたのだとすれば、おそらくメディアが取り上げるモウや、インタビューのモウの印象が強烈だからと思います。
表に出てこない部分では、非常に気さくで聡明、かつ人情味溢れる非常に魅力的な人物らしいですよ。
自分は会ったこともないので、真相に関してはなんとも言えませんがw

すでに山は超えたと見ています。

今後はバルサと、どちらが果たして勝ち点を落とすのか(勝ち点1ですら今後は失敗ゲームになります・・・狂ってる;;)のチキンランのような状況になっていくと思います。

アトレティコやビジャレアル辺りが、もう一波二波たててくれればリーガが面白くなるのですが。。。


No title
mou
 もうちょっと管理人さん独自の見解が載っていると良いと思います。
 「king of 監督」、「どうしてこんなに勝てるのか?」、「モウリーニョの流儀」の三冊を読んでいる人間には目新しいことが何も無い、というより引用と確認のみという印象になってしまうので。

>mouさん
白面
ご訪問とコメント、どうもありがとうございます。
当blogの管理人の、面と申します。以後お見知りおきをv-354

>独自の見解

ちょうどタイムリーな話題なのですが、そういったことを書き連ねる媒体には本の方を選びました。

うちでコメントや拍手をくださる方の多くは、これまでほとんどモウ独自のメソッドやフィロソフィーについてご存知なかった人が多いので、
今は基礎知識の紹介に留めているという感じです。

モウに関する情報の中でも、
「これは間違いないですよ!」
と、安心して送り出せる情報以外は控えてる状態ですね。

年末の発刊が終わってからは、mouさんのようなコアなモウリニスタ(?)さん向けに、
より独自の解釈を交えた記事も書けていけるといいのかも・・・と現在は夢想しておりますw

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コメント
この記事へのコメント
なるほどね~
正直、モウリーニョに対するイメージって【無機質的】な感じがありました。
でも、なんていうか、そういうやり方でも人はついていくんだなって改めて思いました。


【戦略家】【リーダー】会社で言えば【上司】として完璧な能力の持ち主なんでしょうね。
ただ、そのやり方が理に適い過ぎていて【無機質】に見えてしまうのかも。


いずれにしてもレアルがこの先どう立ち直っていくか見ものですね。
バレンシア戦?だったかな。勝ったみたいですしね。


岩氏的にも今期のレアルは大注目です!
2010/12/05(Sun) 20:08 | URL  | 岩氏 #-[ 編集]
Re: なるほどね~
>岩氏さん

ルールから何から、はっきりオープンにしてるのは間違いないですね。
だから裏でこそこそのなあなあが大っ嫌い。記者連中とは絶対に『お友達』になろうとしないのもそのせいですw

無機質に見えたのだとすれば、おそらくメディアが取り上げるモウや、インタビューのモウの印象が強烈だからと思います。
表に出てこない部分では、非常に気さくで聡明、かつ人情味溢れる非常に魅力的な人物らしいですよ。
自分は会ったこともないので、真相に関してはなんとも言えませんがw

すでに山は超えたと見ています。

今後はバルサと、どちらが果たして勝ち点を落とすのか(勝ち点1ですら今後は失敗ゲームになります・・・狂ってる;;)のチキンランのような状況になっていくと思います。

アトレティコやビジャレアル辺りが、もう一波二波たててくれればリーガが面白くなるのですが。。。
2010/12/05(Sun) 21:26 | URL  | 白面 #-[ 編集]
No title
 もうちょっと管理人さん独自の見解が載っていると良いと思います。
 「king of 監督」、「どうしてこんなに勝てるのか?」、「モウリーニョの流儀」の三冊を読んでいる人間には目新しいことが何も無い、というより引用と確認のみという印象になってしまうので。
2010/12/06(Mon) 15:12 | URL  | mou #ciZ.EuIc[ 編集]
>mouさん
ご訪問とコメント、どうもありがとうございます。
当blogの管理人の、面と申します。以後お見知りおきをv-354

>独自の見解

ちょうどタイムリーな話題なのですが、そういったことを書き連ねる媒体には本の方を選びました。

うちでコメントや拍手をくださる方の多くは、これまでほとんどモウ独自のメソッドやフィロソフィーについてご存知なかった人が多いので、
今は基礎知識の紹介に留めているという感じです。

モウに関する情報の中でも、
「これは間違いないですよ!」
と、安心して送り出せる情報以外は控えてる状態ですね。

年末の発刊が終わってからは、mouさんのようなコアなモウリニスタ(?)さん向けに、
より独自の解釈を交えた記事も書けていけるといいのかも・・・と現在は夢想しておりますw
2010/12/06(Mon) 21:53 | URL  | 白面 #-[ 編集]
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