インテルやカルチョに関する話題多め
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(2)コンディショニングの失敗(後編)
~欠けていた要素は、心のケアと"意識付け"~


前回からさっさと続きます。

ツトさんは、果たしてどこまで選手のケア、メンタルコンディションの管理ができているのだろうか・・・?

能力というより、モチベートやケアに必要なノウハウがツトさんには不足しているのではないか?

この疑念が最も悪い形で立証されてしまったのが、レナチーニョ(以後レナ)の退団劇に際してのことです。
自分が思うに、この一件はツトさんのこうした資質・ノウハウの不足を、強烈に印象づける事態だったと思います。


いつものように、順を追って解説していきましょう。

レナト・カルロス・マルティンス・ジュニオール・・・通称レナは、今夏まで川崎フロンターレに所属していたブラジル人選手。
元々上昇志向が強く、欧州のトップリーグでのプレーを夢見るタイプでした。

しかし
「この若さで不安もある中でやってきたけど、クラブもサポーターも実によくしてくれた」
と語ったこともあるように、人並み以上に川崎に愛着を持ってくれている、クラブのマスコットキャラクター的な存在でもあった人物です。

川崎フロンターレを知らない方は先のWikipediaをご覧いただくか、あるいは

『陽気で人懐っこく、稚気を残しながらも、その技術は超一流レベルにある、フロンターレの攻撃のエース格』

だった選手とでも捉えていただければ結構です。

昨年からは不動のレギュラーに定着し、ジュニーニョと並んでフロンターレの攻撃に
“他にないクオリティ”
を与えてくれる選手でした。


かつてはテセ、ジュニーニョらと組んだ3トップの一角で、相手チームを幾度となくきりきり舞いさせた強烈なクラックである。
その足技は間違いなく欧州でも通用するレベルにあり、Jリーグに来てすぐに活躍しだした適応力も◎。

川崎フロンターレ、悲願の初タイトルには必要不可欠な選手と思われていたが・・・
チームのフォーメーション変更によるスタメン落ちを機に、彼とフロンターレの関係は急展開を迎えることになる。



そんな中、迎えた今年は2010年。

世界を狂騒に巻き込む、いわゆる“ワールドカップイヤー”です。

2002年、2006年もそうでしたが・・・一般的にW杯がある年の移籍市場は、選手が玉突き式に大移動を行うのが常。

ベテランがW杯を最後に引退したり、余生を過ごす戦場をマイナーリーグに移したり、
W杯で活躍した選手がビッグクラブへ移ったり・・・と、
それらの穴を埋めるための中堅選手~売り出し中の若手らの移籍が、次々と成立していく傾向が高くなります。

そうしたデリケートな時期に、レナをああした形で失ってしまったことは、フロンターレにとって極めて大きな痛手となりました。
※参考リンク

川崎Fレナチーニョ無断帰国…退団濃厚に
レナチーニョ 移籍志願のへそ曲げ練習拒否



自分はこの件に関しては、明確にツトさんの対応諸策について異議を唱えます。

まず、背後にレナを移籍させて、そこから発生する仲介料を狙うような代理人がいた場合。
ここでもレナ本人の取扱いを間違えさえしなければ、あんな不可解な形でチームを去ることはなかったと自分は考えています。

「何故そんなこと断言できる?」

そのように感じられた方もいらっしゃると思いますので、この点はもう少し詳しくご説明いたしましょう。


これは、川崎フロンターレというクラブの体質が、その直接の理由となります。

フロンターレは、今夏に戦場を海外へと移したエイジやテセのケースを見れば明らかなように、
選手のステップアップを拒むような引き留めも契約も、行わないことで有名なクラブ。

言いかえれば、

『選手の幸せを一番に考えられるクラブ』

です。
誇張でも依怙の沙汰でもなく、この点に関しては胸を張って堂々と明言しておきましょう。

事実、過去も我那覇を契約解除=移籍金がかからない状態にし、好きなチームに好きなように行ける状況を作り上げたり、
山岸を名目上はレンタルとは言え、広島に事実上の無償譲渡(同じく移籍金がかからない)という形で送り出したりといった実績もあります。
(特に山岸の場合、今年一年の活躍ぶりは千葉時代を彷彿とさせるものでした)


しかも、です。

レナはあくまで、フロンターレがレンティスタスからレンタルで借り受けていた選手。
つまり元々、フロンターレ側にレナの保有権はありません

と言うことは、仮にレナにビッグオファーが届けば、それを拒む方策がフロンターレには存在しなかったのですね・・・?
(契約にそうした条項が盛り込まれていたとしても、全面的に違約金を受け取ることは不可能。つまり拘束力はなきに等しい)

筆者が何を申し上げたいのか、特に欧州の移籍事情に精通されている方などは、この時点で察してくださった人も多いのではないでしょうか。

・・・そうです。
仮にレナが移籍を望んだ場合、

どちらにしてもフロンターレはレナを手放さざるを得ない

立場にいたわけです。

レナとしては、わざわざ喧嘩別れして出ていく理由はどこにもない。
レナ本人が

念願の欧州進出を果たせるチャンスがきた。行かせて欲しい

と言えば、フロンターレとしてはその申し出を渋ろうが笑顔で送り出そうが、大筋の結末は変わらない・・・
つまり移籍を認めるしかない状況。

そんな中で、あえて愛着もあったクラブと喧嘩別れした理由。
その何割かが指揮官との確執にあったことは、動かし難い状況証拠によって立証されてしまうのです。


先の参考リンクをご覧いただいたり、ここまでの話を聞けば当然、

レナの練習態度や試合中の振る舞いに問題があったからではないのか?

と感じる人もおりましょう。
しかしもし事実がそうであったとしても、ツトさんのマネジメントにはまた別の問題が発生してしまいます。


仮にレナの側が一方的に我侭放題を言い、移籍させろと恫喝していたのだとすれば。

この場合は造反者レナチーニョを、

目に見える形で強く批難・処罰しなかったこと

が、新たな過失となってしまうからです。


レナチーニョが明確な意思を持った「反逆者」だったのか、それとも「我侭な餓鬼」だったのか。
両者のディテールの違いには、実は筆者は興味がない。

重要なことは、この移籍騒動前後に見られた高畠監督のマネジメントの傾向であり、方向性そのものにある。
それは筆者の描く理想の監督像、指揮官のあるべき姿とは、かけ離れた振る舞いだった。
※写真は現所属、ポルティモネンセでプレーするレナチーニョ。


再三再四申し上げてきました通り、所詮自分は部外者です。

ですから・・・当時のツトさんとレナの間に、いったい何があったのか?
当時レナが、チームにおいてどういう状態にあったのか? 

その真相を知ることはできません。


ですが、自分にとって監督とは

“発生しうるすべての状況を、ポジティブなエネルギーに変えていけるよう努める者”

です。

これを踏まえて、この一件に関して言及していくと・・・
戦術上の理由やコンディションの問題からレナを外すのであれば、


レナのモチベーションを維持できなかったこと

が。またレナの側に問題があって、規律の面から彼に懲罰を与えたというのであれば、

チームにおける規律の維持、フォアザチームの精神がいかに大切なのかを、この機会を利用して知らしめようとしなかったこと

が、どちらにしてもツトさんの過失となります。

先にも申し上げた通り、監督とは起こり得るすべての状況をポジティブな方向に、選手に意味付けを行って解釈させていく者。
こうしたシチュエーションを最大限に活用し、

このチームに、チームの輪を乱す選手は必要ないんだ。
チームとしての結束、完成度は、すべての個人の上位に位置するものなんだ。

それがどれほど優れた資質を持った選手でも関係ない
チームに悪影響を及ぼしかねない選手はいらない。傲慢な選手は必要ない。

逆に言えば、誰にでもいつでもチャンスは平等に訪れるということだ。

だからみんな戦おう、明日からの戦いも全力で・・・!


――という形で覇気を、“感情面でのエネルギー”、つまりは正しいテンションと情熱を与えられていないことが、
後半戦にフロンターレが失速していったひとつの要因と考えるからです。


厳し過ぎるように思われる方も多いやもしれませんが・・・
自分にとって監督とは、まさにそうした責務を負う者。

その意味でツトさんがレナチーニョという一個人の特性を
“長短どちらの視点からも”
最大限に理解し、また効果的なマネジメントが行えていないことだけは、厳然たる事実と考えているのです。


○この項 まとめ

誤解のないように付け加えておけば、ツトさんはレナのことを十分に考えていたはずです。
また、共に仕事をしていきたいとも思っていたのではないかと思います。

他方、レナを
“どんな状況でも腐らずチームのために貢献しようとする、プロのフットボーラーとして教育していく能力”
や、あるいは
“言葉の通じない外国人選手相手にも、コーチや通訳を通してしっかりと意思疎通を図り、また制御していく能力”
には欠けていたのではないか・・・?
つまり、自分が言いたいのはそういうことなのです。

その意味でツトさんは、
監督として以前に、人間としてそもそも経験不足
だったのでしょう。

しかし、考えてみればそれは当然・・・だって、想像してみてください。
ツトさんはまだ42歳ですよ?

普通の民間企業で、公務員として働いている人間で・・・

その内何人が億単位の金と数十万人規模の顧客が絡んでくる中で、30人超の人間の命運を一手に任される機会があるでしょうか。


まあ・・・これはあくまで私見になるのですが、
危機とはつまり、その実

『恵まれた状況にある者にしか訪れない』

ものであるということ。

優勝争い脱落の危機は“上位チームにのみ与えられた特権”であり、
極端な話、残留争いですら“J1所属チーム”だけが味わえる特権。

『選手たちに

自分たちがいかに幸せな立場にあるのかを再確認させ、恐れるものはない、失うものはないと

信じ込ませる能力

もまた、優れた監督の条件


であると自分は考えているのです。


――ツトさんは、あらゆる意味で若過ぎました。
言うならばダイヤの原石であり、こうしたノウハウを十分に学習・実践する経験が不足している状態ながら、指揮を執ることになってしまった人でした。

・・・後10年。否、後5年ほど他のクラブででも指揮官としての経験を積んでいれば、間違いなくもっとよい方向に結果が出ていたこと。

ツトさんの名誉のためにも、この点は明言しておきます。


いい加減、気持ちが沈んで筆も重くなりつつありますが(苦笑)
更新は後日。

インテルが今晩の試合を乗り越えた後に、じっくり書かせていただきたいと思っております。

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【2010/12/18 21:40】 | 川崎フロンターレなこと
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No title
junchang
インテル勝ちましたね~!
やはり段違いな実力差を感じてしまいました!
アフリカ代表は決勝に進出できた満足感であふれているようでしたね^^

今回の記事は大変興味深く読ませていただきました。
監督さんのマネジメント能力を測るとき、不測の事態にどう対処できるかその対応能力が問われる時ですが、高畠監督の対応にも問題があったのでしょうが、チームのフロントの対応にも問題があったのですね!その結果が全てではないのでしょうが、後半戦のチームの失速にも関係しているのでしょうか?他の選手達がチームに対して不信感を持ってしまうことは、良くありますよね!

やはりプロスポーツクラブを運営するのは難しい・・・・。

Re: No title
白面
>junchangさんありがとうございますw
次に世界一を目指すのはミランの番ですね(?)

>フロントの対応にも問題が

その点については、今回は言及しきれない部分なもので・・・補完というか気づいていただけて僥倖というか、まさにそういう心地です(笑)

今回はたまたまツトさんのことを取り上げている自分ですが、では時間を自由に与えるから書き上げてみろと言われれば、それこそ文庫一冊分程度にはフロント、監督、コーチ、選手、サポーターと自分自身に到るまで、徹底して言及していきたい修正点はあるのですよ(苦笑)

ただ、川崎フロンターレの場合はミランやインテルのようなある程度完成された歴史あるクラブとは違い、

『そうした発展途上の、作り上げる過程を楽しむチーム』

でもあると思うのです。
だからそれは単なる文句や批判ではなく、自分にとっては「裏返ってのびしろ」と言うことができます。

難しいからこそ面白い・・・
まるで人生のようだと感じるのですよw(大げさ?)

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コメント
この記事へのコメント
No title
インテル勝ちましたね~!
やはり段違いな実力差を感じてしまいました!
アフリカ代表は決勝に進出できた満足感であふれているようでしたね^^

今回の記事は大変興味深く読ませていただきました。
監督さんのマネジメント能力を測るとき、不測の事態にどう対処できるかその対応能力が問われる時ですが、高畠監督の対応にも問題があったのでしょうが、チームのフロントの対応にも問題があったのですね!その結果が全てではないのでしょうが、後半戦のチームの失速にも関係しているのでしょうか?他の選手達がチームに対して不信感を持ってしまうことは、良くありますよね!

やはりプロスポーツクラブを運営するのは難しい・・・・。
2010/12/19(Sun) 15:50 | URL  | junchang #-[ 編集]
Re: No title
>junchangさんありがとうございますw
次に世界一を目指すのはミランの番ですね(?)

>フロントの対応にも問題が

その点については、今回は言及しきれない部分なもので・・・補完というか気づいていただけて僥倖というか、まさにそういう心地です(笑)

今回はたまたまツトさんのことを取り上げている自分ですが、では時間を自由に与えるから書き上げてみろと言われれば、それこそ文庫一冊分程度にはフロント、監督、コーチ、選手、サポーターと自分自身に到るまで、徹底して言及していきたい修正点はあるのですよ(苦笑)

ただ、川崎フロンターレの場合はミランやインテルのようなある程度完成された歴史あるクラブとは違い、

『そうした発展途上の、作り上げる過程を楽しむチーム』

でもあると思うのです。
だからそれは単なる文句や批判ではなく、自分にとっては「裏返ってのびしろ」と言うことができます。

難しいからこそ面白い・・・
まるで人生のようだと感じるのですよw(大げさ?)
2010/12/19(Sun) 23:28 | URL  | 白面 #-[ 編集]
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