インテルやカルチョに関する話題多め
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前回より続く

※谷口博之という男

――ここからはしばらく、つい先日横浜Fマリノスへの移籍が決まった谷口博之選手(以下タニ)について、白面の私的スカウティングを行っていきます。


まず・・・まあこれは、谷口選手のファンは怒らないで聞いて欲しいのですが。

自分が思うに、タニはボールの扱いが苦手です。
さらには全体的に不器用でパスのセンスも高くなく、はっきり言ってしまうなら
下手くそ
です。

ボールスキルの低さは、チーム内でも屈指。
麻生グラウンドに練習を見学しに行った際、

「なんて下手くそな選手なんだ・・・」

と感じたことは、一度や二度ではありません。

足も決して速くはないでしょう。
運動量はともかく、トレーニング内のダッシュでは周りの選手に競り負ける姿を何回か見かけています。

全般的に技術は低いです。
これまた麻生グラウンドで、何回か見かけていますが・・・中盤の底から左右にロングパスを振って、組み立てを行う練習を行うタニを見、

「おお、頑張ってる。
でもこの精度じゃ、まだまだ組み立てを任せるのは難しいだろうな・・・」

などと考えていたものです。


――他方。

タニにはこれらの欠点を補って余りある、他の選手にない“強力な武器”を持っています。

ひとつは、その傑出したダイナミズム

これはつまり、運動量が豊富で、走ることを厭わない選手・・・という意味です。
以前からとにかくよく走る選手だなぁとは感じていたのですが、昨年関塚監督(U21日本代表を率いて、先ごろ優勝を果たしましたね)が谷口が何故こんなに活躍できるのか? という質問に対し、

「タニが点を取れる理由? それはよく走るからですよ」

と答えていたのを見、この点に関しては確信を得られた感があります。
自分のような素人だけではなく、プロの目から見てもやはり、タニのダイナミズムは突出しているということです。


次に、スマルカメントの高さが挙げられます。

そもそもスマルカメントとは、他の記事で何度も申し上げてきた通り、端的に言ってしまうと
ボールを受ける際にマークを外す動きです。

例えばフロンターレの選手で言うと、ジュニーニョのスマルカメントは傑出していますし
(これまでに幾度、相手DFを嘲笑うかのように危険なスペースに侵入したことか!)、
また矢島もこの能力に秀でています。
全体的な傾向として、FWの選手はこうしたスキルが磨かれやすいということがおわかりいただけるでしょう。

翻ってタニの場合は、DFがぴったりマークに張り付かれていては、それを振り切るのが難しくなってしまいます。
前述した2人ほど、器用に立ち回れるタイプでもありません(苦笑)

しかしながら、前方に十分なスペースがある条件下でのスマルカメントは、
おそらく現存する日本人選手の中でも指折りのレベルにあります。

誉め過ぎなことを承知で言うなら、

「タニの攻撃参加のセンスは本当に素晴らしい・・・
まるで日本のフランク・ランパードのようだ!」

と感じさせられたこともしばしばです。
(これは本当に自分の個人的な贔屓も入って、の感想になりますけどね・・・w)


ランパードのファンからは「あり得ん!」とお叱りを受けてしまうかもしれないが・・・
総合力(中でもボールスキルなど)では及ぶべくもない雲泥の差があることは認めつつも、
こと攻撃参加の嗅覚という点に限定して言えば、谷口のそれはかなりのレベルにあると思う。

惜しむらくは、このランパードのような正確無比なフィニッシュ能力を持たないことだ。
尤も、これは今後改善していける類の能力でもある。マリノスでは是非とも、ランパードのように年間2桁得点をまた実現して欲しい。



このふたつの特性と、更に不思議な視野の広さを持っていることが、
彼のMF離れした攻撃力の高さに繋がっているのです。

憲剛さんのように、状況確認を行った後に周辺の味方を生かす組み立て・崩しを行える能力はありませんが・・・
自分自身がペナルティエリア付近or内部に侵入しての攻撃参加というシチュエーションでは、その威力を遺憾なく発揮する能力と言えます。


先ほどは「足が決して速くはない」と申し上げましたが、
一方で初速の速さ・・・つまり動き出しのよさに関しては素晴らしいものを持っています。

誰よりも早くボールに触れるプレーが少なくないのは、誰よりも速く

ボールが【きそう】

な場所へと走りだしているため。
視野の速さと初速の速さ、その思い切りのよさ(判断の速さ)が、こうした「半歩先」のプレーを可能とします。

これはまさに天性の嗅覚であり、他の選手には決して真似できない、谷口選手だけの強力無比な武器なのです。


まとめるとつまり、

前方に十分なスペースがある状況、ようは
中盤に配置した上で、積極的な攻撃参加を行わせると、
破格の実力を発揮する選手”

ということになります。

自分の中で彼の適正ポジションはインクルソーレ、いわゆる攻撃的インサイドハーフ。
守備的MFのイメージが強い方も多いと思うのですが、彼の手持ちの武器を最も生かすことを考えればそれでは勿体無い気がしてしまうのですね?

むしろ当たりの強さは副次的なもの、守備力の高さも計算した上で、

守備にも強い攻撃的MF

として・・・
攻撃参加に際してはあまり戦術的な縛りを設けず、一定以上の自由を与えてこそ、その特性を発揮する選手と思います。


②最後までタニを使いこなせなかったことの意味

ですが・・・悲しいかな。
これはツトさんの目指すスタイルとは、一線を画す性質です。

ツトさんが目指していたスタイルは、自分たちが主導権を握る=ポゼッションを高めるフットボール。
重用されるのは、自然と戦術理解能力と足元の技術が高い選手たちになります。
これは一言で表すなら、

計算のできる選手

ということです。
(この点は後日、また詳しく解説していくことにします)


翻ってタニの特性は、この“計算”という条件に関して言えば・・・おそらく

チーム内でも最も計算しにくい部類

に入ると思います。
その意味では、指揮官にとっては非常に扱いの難しい選手なのですね・・・?

それ故に今季、タニの出番は激減しました。

たまにピッチに姿を表した時も、戦術的に多くの約束事を求める性格の強いツトさんの指揮下では、実に窮屈そうにプレーしていた印象が否めません。

麻生グラウンドでの練習中、

「大丈夫かタニ? 俺の言ってることがわかるか??」

とツトさんが大声で呼びかけていたシーンが、実に印象的に自分の中で残っています。


理論派高畠監督のフィロソフィーにおいて、谷口博之という選手はよくも悪くも
最大級の不確定要素

として機能する。

自分のたてたメカニズムやプランに沿ってゲームをコントロール、チームをマネジメントしたがる傾向が極めて強いツトさんのような指揮官にとっては、
タニようなアクの強いタイプは、オプションにはなってもチームの骨組みを託す選手にはなりえないのです。


なんとも個性の、アクの強い選手である。
本当の意味で十全に機能させることの難しさという点では、現存するJリーガーの中でも屈指の部類にあるかもしれない。

それだけに、同じく嗅覚で選手を起用するタイプの木村和司監督(横浜Fマリノス)の元へ向かうと聞いた時は、
「もしかしたら・・・何かすごいことをやってくれるかもしれない」
という、期待を膨らませてくれるコンビの誕生と感じた。
今後の活躍を心からお祈りしたい。



そして、それ故にツトさんのフットボールには限界が生じる。

ツトさんが好んで起用した選手たちの、計算しやすいという特性は、一面では有効に機能しますが・・・

物事には、常にメリットとデメリットが共存するもの。
ズバリ言ってしまえば、

“相手チームの指揮官にとっても対策をたてやすい

ことを意味します。

考えてみれば、それも当然ですよね。

どちらも同じプロの指揮官、その片方が自分の理想に則って一定のメカニズム下で選手を配置、攻撃を行えば、
相手はそのパターンを研究し、徹底して対応策を練ればいい。
ジャンケンポンで最初にグーを出してくるとわかっている相手に、我からチョキを出しに行く指揮官は存在しません。


ましてや、今やフロンターレは誰しもが認める強力なチーム。
特に下位グループに属するチームが、

必死になって研究し、対策をたててくる

くるのは当然の成り行きです!

――後半戦のフロンターレが勝ち点を稼げなくなった、最たる理由のひとつがここにあります。
使う側の指揮官にとって計算しづらい、しかし

それ以上に相手チームの指揮官が嫌がる、強力な武器を有した

タニのような選手を、

理屈ではなく、現実に起こっている事象に基づいた

形で起用する勇気を持てなかった所に、高畠勉という監督の限界を感じるのです。

理屈で説明できなくったっていい。
練習中は誰よりも下手でいい。

それでも、

ひとたびピッチに入れば誰よりもよく動き、実にうまく点を取る。

その現実をよし、わかった! と受け入れて、ならやってみせろ!! ・・・とピッチに送り出すことが、最後までツトさんにはできなかったように思えます。

この辺りに、関塚現U21代表監督との大きな差を感じてしまうのですね・・・?
言うならば、戦術家であり、理論派でもあるツトさん。しかし、勝負師ではなかった――というところでしょうか。


自分のチームプランにそぐわないのであれば、何人かの選手を外してもいい。
それでも、結果が出ていればいい。

ですが、実際に結果は出なかった。
一方で途中交代でもなんでも、特に後半戦の試合はタニを入れることで、面白いようにピッチ上で化学変化が起きていた。


それでも、ツトさんは最後までタニを信用しきれなかった。


それは結果として、フロンターレの攻撃がある意味では一辺倒でわかりやすい、対策のたてやすいパターンに終始してしまうことへと繋がっていきます。

もちろん、タニ一人に限ったことではありませんが・・・
こうして、高畠フロンターレから二の手、三の手は失われていってしまったのです。


――最後に。
参考までに、かつてACミランで数々の偉大なキャリアを築き上げ、
また昨シーズンはチェルシーでプレミアリーグを制した名将、カルロ・アンチェロッティの言葉を引用させていただきます。

ひとりの監督にできるのは、

自分のサッカー観やメソッドと引き受けたチームの潜在能力をすり合わせて、

ベストと思われる解決策を導きだすことである



→ つづき

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【2010/12/20 22:12】 | 川崎フロンターレなこと
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谷口か~
岩氏(いわし)
北京五輪の本田世代ですな。

確かにテクニックは無いですね・・・
当たりが強くて、よう動くってイメージしか正直無いですな岩氏は。


でも、そのよく動くっていうのはサッカーにはとても重要な要素なんですよね。
本来なら監督に重宝されるべき存在だと思うんですがねぇ・・・・


No title
junchang
おお!そんな選手なのですね!おもしろい!
現在の監督はまず「戦術ありき」になりがちですよね!
ここはあえてバランスを重要視せず戦略的にあえてアンバランスなチームを作って勝負を吹っかけると言うのも面白そうですよね!そんな監督は現在はお見かけしませんが・・・・^^

コメごちになります(笑)
白面
>岩氏さん

ポゼッション重視の、いわゆるバルセロナやアーセナル寄りの視点で見ると、実に微妙な選手です(苦笑)

実際、使いこなすのが難しい選手なんですよ。
ただ、ツボにはまった時の攻撃力が破格にある分、マリノスやレッズが今期川崎で控えだった選手を違約金支払ってまで獲得しようとするわけで・・・

彼の特性のメリットとデメリットを秤にかけた結果、理論派ツトさん的にはデメリットの方が大きいと判断したのだと思います。

例えそうであっても、切り札としてもっとどんどん活用していって欲しい気持ちは正直ありましたが・・・
これも後の祭。今後はマリノスでの活躍を祈るばかりです。

>junchangさん

凸凹の個性を組み合わせてのチームづくりという点では、オシムやベンゲルがうまいですねw

逆に自分好みの選手を集めてチームを作る手法の第一人者はファーガソン。

その時チームにいた選手の特性を考慮した上で、自分の戦術に当てはめるのがモウリーニョといったところです。

監督のタイプも千差万別。
ここら辺は、本当に観ていて飽きませんwむしろ時間が足りない!!(爆)


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この記事へのコメント
谷口か~
北京五輪の本田世代ですな。

確かにテクニックは無いですね・・・
当たりが強くて、よう動くってイメージしか正直無いですな岩氏は。


でも、そのよく動くっていうのはサッカーにはとても重要な要素なんですよね。
本来なら監督に重宝されるべき存在だと思うんですがねぇ・・・・
2010/12/21(Tue) 08:46 | URL  | 岩氏(いわし) #-[ 編集]
No title
おお!そんな選手なのですね!おもしろい!
現在の監督はまず「戦術ありき」になりがちですよね!
ここはあえてバランスを重要視せず戦略的にあえてアンバランスなチームを作って勝負を吹っかけると言うのも面白そうですよね!そんな監督は現在はお見かけしませんが・・・・^^
2010/12/21(Tue) 09:55 | URL  | junchang #-[ 編集]
コメごちになります(笑)
>岩氏さん

ポゼッション重視の、いわゆるバルセロナやアーセナル寄りの視点で見ると、実に微妙な選手です(苦笑)

実際、使いこなすのが難しい選手なんですよ。
ただ、ツボにはまった時の攻撃力が破格にある分、マリノスやレッズが今期川崎で控えだった選手を違約金支払ってまで獲得しようとするわけで・・・

彼の特性のメリットとデメリットを秤にかけた結果、理論派ツトさん的にはデメリットの方が大きいと判断したのだと思います。

例えそうであっても、切り札としてもっとどんどん活用していって欲しい気持ちは正直ありましたが・・・
これも後の祭。今後はマリノスでの活躍を祈るばかりです。

>junchangさん

凸凹の個性を組み合わせてのチームづくりという点では、オシムやベンゲルがうまいですねw

逆に自分好みの選手を集めてチームを作る手法の第一人者はファーガソン。

その時チームにいた選手の特性を考慮した上で、自分の戦術に当てはめるのがモウリーニョといったところです。

監督のタイプも千差万別。
ここら辺は、本当に観ていて飽きませんwむしろ時間が足りない!!(爆)
2010/12/22(Wed) 00:00 | URL  | 白面 #-[ 編集]
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