インテルやカルチョに関する話題多め
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ジョゼ・モウリーニョの後任者は、幸福か不幸か?

ありきたりな結論から言えば、それは“人による”のだろう。

実にやりやすい職場と感じる者もいれば、難解極まる厄介な仕事と感じる者もいるだろう。
嬉々として我から手を挙げる者もいれば、いくら金を積まれてもごめんだという者もいるかもしれない。

現実として、今のフットボール界はモウリーニョ曰く「古いやり方で」やっている監督が多いらしいため、絶対数で言えば圧倒的に「やり辛い」者が多いだろう。

ひとつだけ確かなことは、他の多くの監督であればさして問題にもならないようなこの「後任」というテーマが、

ジョゼ・モウリーニョの後任

に関しては、非常に興味深い題材となることだ。

バルセロナやレアル・マドリード、オリンピック・マルセイユなど、特定の性格を持つクラブ(大小問わず、である)で指揮を執ることは、確かにかなり特殊な仕事となる。
他方、“ある監督の後任”がそのまま題材になり得るほどの特異性を有するケースは、言うまでもなく極少数だ。

しかしてモウリーニョの後任として指揮を執ることは、言うまでもなくその“極少数”のカテゴリーに属する。

一言でまとめるなら、他の指揮官の仕事が従来のフォーマットの基本、発展、応用、あるいは延長線上にあるのに対し、ジョゼ・モウリーニョのチーム運営法は大きくそこから逸脱したところにあるからだ。


何故突然、自分はこんなことを言い出したのか?

それはつまり、このテーマを論じることが、現時点ではそのままインテルの新指揮官であるレオナルド(以下レオ)の、第一査定へと繋がるからに他ならない。

賛否両論あれど、少なくともスペイン国内では名にしおう知将の一人と数えられるあのラファエル・ベニテスが、ほんの4ヶ月間で解任の憂き目を見た仕事である。
果たして指揮経験という点では、大きく前任者に見劣りするレオに、『モウリーニョ・インテル』の後任は務まるのか否か。

今回は与えられた数少ないデータの中から、いくつか予測を立ててみることにした。
現実にこれから起こる結果と擦り合わせつつ、楽しんでいただければ幸いである。


○前任者に見る『メッセージ』の重要性

言うまでもなくフットボールは、“人”の織りなす営みである。

こうした“人”が“人”を相手にするという状況においては、友情、恋愛、学業や習い事・・・そして職場の人間関係と、すべての場合において相性の問題が存在する。
相性こそは人が生きとし生きる上で、個人の意思だけでは最もどうにもならない部分のひとつにして、最重要事項のひとつでもあるテーマである。

前任者のベニテスを最も苦しめたのが、この相性の問題だった。

親モウリーニョ派と言うと語弊が生じてしまうため、ここでは便宜的に
モウリーニョの寵児たち
と呼ぶことにするが、彼らとベニテスの相性は考えられる限り最悪に近い。

実際に前指揮官がインテルで仕事を始める以前は、筆者がラファエル・ベニテスという人物のことをよく知らなかったため、多くを考えられなかった部分なのだが・・・今季の前半戦に相当する昨秋~ここまで、このスペインが誇る知将のことを知ろうとすればするほど、モウリーニョの在り方とは対照的なそのキャラクターが、筆者の中で確立されていった。

そしてこのテーマについて考えれば考えるほど、筆者は嫌な予感――ここではつまり解任の可能性を指す――に苛まれていくことになる。

中でも最も顕著だったのが、指揮官が発するメッセージの浸透性の問題だ。

ジョゼ・モウリーニョという人物は、誰に対しても非常にシンプルで、直接的なメッセージを発することで知られる。
特に選手たちにとっては、自らが求めるもの、在り方から起用法、チーム内での立ち位置に関してまで、必要とされる限りすべての情報をオープンな形で与えることは広く知られるところである。

これがアウトプットの取り組みだとすると、インプットのための取り組み・・・
つまり彼が選手たちを惹き付けるためのテーマ、シーズンにおいて提示する目標理想とするチーム像は、より明確な形で表わされる。

彼の言葉は常に非常に強固な意志をもって語られ、同時に明確なメッセージ性を有するものなのだ。


ストレートに、そして真摯に。
堂々と面と向かって、直接的に意思を伝える。良くも悪くもそれがモウ流である。



翻って、ベニテスである。

単刀直入に言って、彼のパーソナリティは前任者のこうした性質から大きくかけ離れたところにある。
対話を重視する一方、メディア受けするウィットに富んだ会話を繰り広げられるわけでもなければ、有言実行で自らにプレッシャーをかけるような特性も持ち合わせてはいない。

対話を重視するということは、ここでは言い換えればそれだけ口下手で、意思の浸透に時間がかかるということを意味する。
彼のマネジメントは非常に時間がかかることで知られているが、そのひとつの理由がここにある。チーム原則、プレー原則だけでなく、選手との関係構築にも彼は時間を必要とするタイプの指揮官なのだ。

断っておくが、ラファエル・ベニテスという人物は決して優柔不断・曖昧模糊としたキャラクターではない。
自身の明確な理論と哲学を有する優れた戦術家であり、フットボールというスポーツに大きな情熱を抱いている指揮官である。無能無策な人物では決してない。
彼は彼なりに、明確なキャラクターとテーマを内に有している。それだけはここで断言しておきたい。

が・・・
メッセージという点に関して、つまりインプットとアウトプット、
人付き合いの手法について明確なルール性に欠ける
ことは、一方で疑いようなき彼の特性である。
だからこそ戦術理解にも人間関係の構築にも、ベニテスは多くの時間を有するのだ。

長所短所と言ってるのではない。あくまで『特性』である。
だが、“相性”という観点で見た場合、ここではそれが致命傷となった。


忍び耐え難きを忍ぶように、我慢と勤勉さを自他に強いる。
その先に勝利があると信じて疑わないのがラファ流である。
多くを語らず、自ら推して知るべし・・・日本人に彼のファンが多いことは、決して偶然ではないはずだ。


モウリーニョ・メソッドとそのキャラクターに強く引き寄せられた現在のインテル所属選手たちにとっては、この特性は多くネガティブに作用する。
これはベニテスにとって、また選手たちにとっても、大きな大きな不幸だった。
このテーマを軽く見、人の営みとしてのフットボールを真摯に考えなかったインテルフロントの罪は重い(少なくとも筆者は明確な過失と見る)。

一方で、他の環境・人物に対しては、この特性はポジティブに働くこともある。

彼がリヴァプールで築き上げたものを見ればそれは明白だ。何人かのクラブのレジェンドたち、離反していった選手たちはともかく、今もってサポーターたちからこの男が絶大な支持を得ていること。その事実を軽んじてはいけない。


自分にはこうした事情が、さながら水素や酸素といった元素の結びつきのように思える。

これらはある状況下では、すべての生命が生きとし生ける上で必要不可欠な物質となる一方、ある状況下では、極微量を人体に取り込んだだけでも有害極まる物質に変化する。

人と人の結びつき、相性もまた然りということである。

モウリーニョにはベニテスのような、必要以上に事を荒立てない、(特に仕事に関して)他人の事情を考慮してオブラートに自身の意思を包み隠すような性質はない。
一方でベニテスには、モウリーニョのような強力なメッセージ性、情報と感情の浸透性が高いコミュニケーション術はない。

モウリーニョの存在が、そのクラブでネガティブに作用(とりわけ現場、選手たちとの間で)していれば、ベニテスのキャラクターは歓迎して受け入れられていたろう。
が、現実はその逆だった。それが大きな不幸の始まりだったのだ。

最終的に何がどうなったのかは、皆様の知る通りである。


※続きはこちら→  レオナルド~野望のルーツ~(1)

試験的に表現方法等いくつか変えてますが、感想等ございましたらコメントなどで是非お聞かせくださいませ。



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【2011/01/05 22:30】 | モウリーニョなこと
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うむ。
岩氏(いわし)
読みやすいb
何が変わったんすかね?語尾かな?

白面さんこういう表現の仕方の方が俄然良い気がしますb
引き込まれやすいというか、より簡潔にまとまった感があります。まるで本を読んでいるかのようでした。


良いですね~。ベニテス話待ってましたよ~(笑)

No title
junchang
監督さんは結局如何に自分らしさを表現できるかなんでしょうね!特にビッグクラブの場合、クラブ独特のメンタリティが存在し、そのメンタリティに無理やりはめ込まれてしまうことが多かったです。(僕はインテルやレアルマドリッドにはあまりそういったメンタリティは感じられませんでしたが・・・・)特にバルセロナやミランには感じられました。
ベニテス氏はバレンシアで名前を知りました。その頃は今ほど難しいサッカーをしてなかったように思います。
リバプールでもCLというトーナメントでは結果を出しましたが、リーグでは優勝できませんでしたね!ビッグクラブに当てはめられてしまうと、途端に力を発揮できないタイプの人なのでしょうかね!

モウリーニョ氏はディティールにこだわるタイプの監督さんであると以前何かの記事で聞いたことがあります。

こういったタイプの監督さんは引き出しを多数持っていて、どのようなサッカーに対しても対処できる応用力が半端ないのでしょう!その引き出しをどれくらい持っているかが名将かそうでないかの瀬戸際なんでしょうね・・・・長くなっちゃいました・・・・失敬!

モウリーニョ監督については
黒猫
他に同じ色、または近い色の監督がいない事が
クラブにとっても選手にとってもメリット・デメリットが、とにかく大きく反映されるんだと思います。

と、なんか判りきった風に言いましたが
白面さんのブログを拝見してから、モウリーニョ監督の過去の試合等見るようになりました。

調べれば調べるほど、魅力的な方だなって感じます。

コメントありがとうござい・・・疲れた~;;
白面
>岩氏さん

年末にモウリーニョ本を出した際にも、この文調にしたんです。
返事はともかく、記事が口語ではおかしいですからw

ありがとうございます。
今後ともぽつぽつと更新していく予定ですので、ひとつ読んでやってください(笑)

>junchangさん

近年のレッズは、ビッグクラブとは言え予算の規模でレッドデビルズやブルーズに明らかに劣り、育成でガナーズに大きく遅れを取っている状況でした。

何より悪徳オーナーの横暴がひどく・・・そんな中でなんとか毎年CLの出場権を勝ちとり、タイトルレースに加われていたのは他でもない、ラファ・ベニテスの功績です。

インテルにフィットしなかったのは、記事内でも触れている通り相性の問題が大きいですね・・・
彼の好む選手を数人と、充分な時間を与えれば、しっかり結果を出せるだけの監督ではあると思いますよ。

モウリーニョとの仲の悪さはかなりのものです(苦笑)
しかし不思議と、両方とも好きというファンが多いのもこの組み合わせなんですよねw

>黒猫さん

おっしゃる通りと思います。
モウ色が真っ青だとすると、ラファは真っ赤っか。元レッズだけに・・・です(苦笑)

相性が悪いのは、言わば必然でしたorz
就任以前から気になっていた部分ではあったのですが、就任後どう出るかなと思っていたところ・・・悪い形で出てしまった、というところです。

モウは是非チェックしておいてください!
いずれヴォルフスに行って、三大リーグに続いてブンデスも制覇してくれないものかと期待していますw




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この記事へのコメント
うむ。
読みやすいb
何が変わったんすかね?語尾かな?

白面さんこういう表現の仕方の方が俄然良い気がしますb
引き込まれやすいというか、より簡潔にまとまった感があります。まるで本を読んでいるかのようでした。


良いですね~。ベニテス話待ってましたよ~(笑)
2011/01/06(Thu) 09:21 | URL  | 岩氏(いわし) #-[ 編集]
No title
監督さんは結局如何に自分らしさを表現できるかなんでしょうね!特にビッグクラブの場合、クラブ独特のメンタリティが存在し、そのメンタリティに無理やりはめ込まれてしまうことが多かったです。(僕はインテルやレアルマドリッドにはあまりそういったメンタリティは感じられませんでしたが・・・・)特にバルセロナやミランには感じられました。
ベニテス氏はバレンシアで名前を知りました。その頃は今ほど難しいサッカーをしてなかったように思います。
リバプールでもCLというトーナメントでは結果を出しましたが、リーグでは優勝できませんでしたね!ビッグクラブに当てはめられてしまうと、途端に力を発揮できないタイプの人なのでしょうかね!

モウリーニョ氏はディティールにこだわるタイプの監督さんであると以前何かの記事で聞いたことがあります。

こういったタイプの監督さんは引き出しを多数持っていて、どのようなサッカーに対しても対処できる応用力が半端ないのでしょう!その引き出しをどれくらい持っているかが名将かそうでないかの瀬戸際なんでしょうね・・・・長くなっちゃいました・・・・失敬!
2011/01/06(Thu) 09:55 | URL  | junchang #-[ 編集]
モウリーニョ監督については
他に同じ色、または近い色の監督がいない事が
クラブにとっても選手にとってもメリット・デメリットが、とにかく大きく反映されるんだと思います。

と、なんか判りきった風に言いましたが
白面さんのブログを拝見してから、モウリーニョ監督の過去の試合等見るようになりました。

調べれば調べるほど、魅力的な方だなって感じます。
2011/01/06(Thu) 17:24 | URL  | 黒猫 #-[ 編集]
コメントありがとうござい・・・疲れた~;;
>岩氏さん

年末にモウリーニョ本を出した際にも、この文調にしたんです。
返事はともかく、記事が口語ではおかしいですからw

ありがとうございます。
今後ともぽつぽつと更新していく予定ですので、ひとつ読んでやってください(笑)

>junchangさん

近年のレッズは、ビッグクラブとは言え予算の規模でレッドデビルズやブルーズに明らかに劣り、育成でガナーズに大きく遅れを取っている状況でした。

何より悪徳オーナーの横暴がひどく・・・そんな中でなんとか毎年CLの出場権を勝ちとり、タイトルレースに加われていたのは他でもない、ラファ・ベニテスの功績です。

インテルにフィットしなかったのは、記事内でも触れている通り相性の問題が大きいですね・・・
彼の好む選手を数人と、充分な時間を与えれば、しっかり結果を出せるだけの監督ではあると思いますよ。

モウリーニョとの仲の悪さはかなりのものです(苦笑)
しかし不思議と、両方とも好きというファンが多いのもこの組み合わせなんですよねw

>黒猫さん

おっしゃる通りと思います。
モウ色が真っ青だとすると、ラファは真っ赤っか。元レッズだけに・・・です(苦笑)

相性が悪いのは、言わば必然でしたorz
就任以前から気になっていた部分ではあったのですが、就任後どう出るかなと思っていたところ・・・悪い形で出てしまった、というところです。

モウは是非チェックしておいてください!
いずれヴォルフスに行って、三大リーグに続いてブンデスも制覇してくれないものかと期待していますw


2011/01/06(Thu) 22:31 | URL  | 白面 #kMr7ovrQ[ 編集]
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