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施策その2:ポジティブ・トランジション時の必殺パターン構築

前回の解説から、国際舞台で勝ち抜くために、まずは守備組織の構築を徹底して行うことが一般的な近道とされていることはおわかりいただけたと思う。

では、次に考えるべきは何か?
それは守備に伴う攻撃、いわゆる攻守ならぬ守攻の切り替え――

ポジティブ・トランジション

の速度及び得点効率を、可能な限り高めることだ。
よりざっくばらんな言い方をしてしまうならば、カウンターに磨きをかけることである。

しかしカウンターと一口に言っても、そのバリエーションは無尽蔵に存在する。

ましてや前述した通り、弱小ナショナルチームが第一に考えるべきは、徹底してスペースをプロテクトした守備網の構築だ。
ボールを奪ったら、迂闊に全員で前に行くようなリスクは絶対に冒すことができない。それこそすべての苦労が水の泡となる。

となれば最終ラインとGKの間、いわゆるヴァイタルエリアのスペースは、常時埋まっているor瞬時に埋めることができる状態になっていることが望ましい。

これなら相手にボールを奪われても、これなら払うリスクは極小だ。
少なくとも相手の二次攻撃を、再び万全に近い状態で迎え撃つことができる。


ならば、考えるべきは何か?

最も簡潔な解答は、まずひたすらに相手の攻撃を耐える。
こちらがボールを保持した場合も、攻撃はローリスク・ローリターンを徹底させ、決して人数と時間をかけない。
相手がリスクを避け、守備を常に意識した状態で攻めてくる間は、分厚くしぶとく攻撃を撥ね返す。

すると次第に焦れてきた相手が、こちらの守備網を切り崩さんとして大規模な人数を攻撃に割いてくる。
この時に発生する、彼らの背後のスペースを迅速に攻略する――

文字通り乾坤一擲のカウンター一閃で攻略することで、勝ち越し点を狙うというわけである。

人数をかけてきた相手の攻撃をしのぎ切るためには、必然的にこちらも守備に人数を割かなければならない。
となると必然的に、相手から首尾よくボールを奪取しても、味方のほとんどが自陣の深い位置にポジショニングを取っていることになる。

当然、カウンターも極少人数で行うことになるわけだが・・・
だからこそこの種のチームには、
単独で高い突破能力を持った選手
の存在が、実に心強いものとなるのである。
極論で言えば、

たった1人でも2人、3人のDFを相手に得点できるFW

がいれば、7~8人は常に自陣に張り付き、残り1~2人がこの選手のサポートを行うだけでも勝利が見えてくる。
イタリアのプロヴィンチャーレ(地方の中小クラブ)がビッグクラブと対峙する際に用いるのと同じようなアプローチを、国際試合にも用いようというわけだ。

ほんのワンチャンスかツーチャンスで、90分間で1点を取れればいい。
その後自分たちが2失点しなければ、少なくとも引き分け以上の結果は手に入るのだから。


それが果たして魅力的なフットボールかと聞かれれば、即座に首を横に振るようなスタイルではあるが・・・
現実的に弱者が強者に立ち向かう上で、有効的な施策になることだけは疑いようがない。

追記しておくと、日本がW杯南アフリカで取ったスタイルも、典型的なこうした弱者の振る舞いだった。


典型的な、弱者のそれだ。


○ならばメッシに敵う者なし

つまり話はこういうことである。

ガチガチに引き籠って守って失点を減らすことは、弱小国でもそう難しくはない
       ↓
しかしこれだけだと点が取れない。つまり勝てない
       ↓
だがメッシがいればカウンター一閃で、一人ででも点をもぎ取ってきてくれる公算が飛躍的に高まる
       ↓
しかも見た目にもエレガントでスーパーでファンタジックなプレイヤーだ。性格も謙虚で人格者だという
       ↓
メッシで決まりだろう

・・・という図式が成り立つということだ。
憶測の域は出ない。が、当たらずとも遠からずといったところだろう・・・そんな雰囲気を、このたびの投票結果からは感じている。

付けくわえるなら、守備ではなく攻撃に比重を割くにしても、メッシが特筆に値する存在であることは言うまでもないだろう。

アタッカーとしてもチャンスメーカーとしても破格のポテンシャルを有するメッシだけに、クリスティアーノ・ロナウドやマリオ・バロテッリなどと異なり、ピッチ外の話題でタブロイド紙を賑わせたり、いくつかの試合で消えてしまうこともない。

監督が安心して、しかも各々のやり方で起用が可能なアタッカーというわけだ。



チーム全体が守備的に振る舞うも、攻撃的に振る舞うも自由自在。
メッシに攻撃に専念させ、自由を与えるだけでも可能性は広がる。少なくとも、多くの指揮官にそう思わせられるだけの、圧倒的なクオリティがメッシにはある。

これで票が集まらないはずがない。


余談になるが・・・
無論、現実はそう簡単ではない。

バルセロナでメッシが我が世の春を謳歌するが如く、驚異的なパフォーマンスを披露できるのは、周囲の味方の献身的なサポートがあってのことだ。

例えばオフザボールの動きでマークを引き付けることであったり、メッシの欲しいコースに正確無比なパスを供給したりであったり――
つまりは高度に洗練された動きを共有できる仲間がいること、これが近年のメッシのハイパフォーマンスの源である。
その意味でグアルディオラの言う、

バルセロナ全員の受賞

とは、チームを鼓舞するためのメッセージに留まらないものだ。
むしろ自分たちのスタイルに対する確固たる自信と、

我々を上回るものを、提示できるようなら提示してみるがいい。

我々を上回る支持を、世界から取り付けてみせろ


という、強烈なアピールですらある。
W杯イヤーにあってW杯で結果を残せなかった選手がバロンドールを受賞するなど、
“バルサ・スタイル”
なしではできなかったという一事を、ペップは強烈な誇りと自負の元に世界に宣言してみせたというわけだ。

温厚な人柄で知られるペップだが、ポゼッションへの探求精神、その執念は尋常ではない。
その強烈なプライドの一端を垣間見た気がし、筆者などは思わず背筋に寒いものが走ったものだった。



そして実際、バルセロナでなければメッシはあれだけ極上の輝きを放つことが叶わない。
そこを読み間違えると、前アルゼンチン代表監督のマラドーナのような愚行を犯すことになる。

W杯で不慣れなタスクを押しつけられ、自由を奪われたメッシがどうにも機能せず、ドイツ戦で同国が散々たる敗戦を喫したことは記憶に新しい。



閑話休題。
とかくメッシのプレーには、

人に夢を見させる力

がある。

超大国との対戦ならともかく、自分たちとさして変わらぬレベルの相手であれば、マークを2、3人付けられようと巧みにスペースを見つけ出し、独力でゴールを奪ってくれるのではないか――
そんな淡い期待を抱かせるだけの、驚異的なファンタジーアがある。

指揮官たちが「最高」の二文字からメッシのプレーを想起させ、そこに夢を託したとて・・・いったい誰が責められるだろうか。


選考が現場の手に委ねられた今、チーム実績はあくまで

それを気にする者

にとってのみ、重要な要素へと“格下げ”された。

参加したあらゆるコンペティションで結果を残したスナイデルの偉業も、毎試合変わらぬ精密機械のような組み立てを披露するシャビの安定性も、そこでは軽んじられる運命にある。



選手や監督はジャーナリストのように、万人の目と慣習、いわゆる社会的な価値観を考慮に入れて選出しようという、ある種の義務感など抱いてはいない。

そこで重視されるのは、どこまでも個人の意思だ。
選考対象となったフットボーラーたち、個々のクオリティと実績
に対する彼らの賛美が、票数となって直接結果に表れる。

彼らは与えられたテーマをそのままに、

最高のフットボーラー

を考えた結果、メッシを選び出したに過ぎない。
そこには一片の過失もあるまい。
CLやW杯他、多くの国際大会で残したチーム成績に重きを置いた選出をしろだなどという注文はついていない。

ましてや、選ばれたメッシ自身に何の咎もあろうはずがない。
実際に彼は、受賞に相応しいパフォーマンスを一年を通じて見せていたのだから。

※各コンペティションの結果他、いくつかのチェック項目などの打診はあったとのことだが、詳細に関しては不明。


もしあなたが今回の選考結果に異議を唱えるというのであれば、糾弾すべき相手は彼らではない。

言うまでもなくその相手とは、この投票方法を考案した者たちである。

続く


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【2011/01/25 19:34】 | 他国リーグや各種協会・組織なこと
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No title
シルバーコレクター
投票用紙には手紙がついていて、そこにはある程度の基準が書いていたらしいですよ。それを全員が読んだかは勿論知りませんが、各コンペティションにおける実績も重視するように、的な内容を含んでいたと。それをどこまで考慮するかって言うのは各人バラバラなんでしょうけどね。ありがちな陰謀論に流されないように一応念のため。

あと投票結果を見ると判りますが、いわゆる強豪国のキャプテン(このエントリの論旨だと投票の半数を占めるキャプテンにはすんなりとは当てはまらないような気はしますが、まあそれは「純粋な憧れ」ってことですかね)、監督も結構メッシに入れてますね。身近なとこではザックとか。

Re: No title
白面
>シルバーコレクターさん

はじめまして、コメントありがとうございます。
それは初耳でした!

しかし、それであの結果ということは・・・
やはりメッシに必要な実績は、主要タイトルのどれかひとつで充分なのかもしれませんね。
ますます来年以降のバロンドールの展開が微妙なことになりそう(苦笑)

加えてバルセロナスタイルの攻撃スタイルの人気の高さと、モウリーニョインテルのリアクションフットボールの人気のなさでしょうかorz

陰謀説は以前は自分も
「FIFAによるW杯偏重の影響か?」
と考えていたのですが、皮肉にもメッシの受賞がその疑念に対する釈明になってしまった感がありますね。
実像は、ある意味もっと偏ったものになってる感がございますが・・・

貴重な情報をありがとうございましたv-354

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この記事へのコメント
No title
投票用紙には手紙がついていて、そこにはある程度の基準が書いていたらしいですよ。それを全員が読んだかは勿論知りませんが、各コンペティションにおける実績も重視するように、的な内容を含んでいたと。それをどこまで考慮するかって言うのは各人バラバラなんでしょうけどね。ありがちな陰謀論に流されないように一応念のため。

あと投票結果を見ると判りますが、いわゆる強豪国のキャプテン(このエントリの論旨だと投票の半数を占めるキャプテンにはすんなりとは当てはまらないような気はしますが、まあそれは「純粋な憧れ」ってことですかね)、監督も結構メッシに入れてますね。身近なとこではザックとか。
2011/01/25(Tue) 21:15 | URL  | シルバーコレクター #-[ 編集]
Re: No title
>シルバーコレクターさん

はじめまして、コメントありがとうございます。
それは初耳でした!

しかし、それであの結果ということは・・・
やはりメッシに必要な実績は、主要タイトルのどれかひとつで充分なのかもしれませんね。
ますます来年以降のバロンドールの展開が微妙なことになりそう(苦笑)

加えてバルセロナスタイルの攻撃スタイルの人気の高さと、モウリーニョインテルのリアクションフットボールの人気のなさでしょうかorz

陰謀説は以前は自分も
「FIFAによるW杯偏重の影響か?」
と考えていたのですが、皮肉にもメッシの受賞がその疑念に対する釈明になってしまった感がありますね。
実像は、ある意味もっと偏ったものになってる感がございますが・・・

貴重な情報をありがとうございましたv-354
2011/01/25(Tue) 21:24 | URL  | 白面 #-[ 編集]
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