インテルやカルチョに関する話題多め
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●バランス是正に向けての施策

(1)ポジション別に授賞対象を選出する

改まって言うまでもないことだが、現在FIFAバロンドールというアワードには、数々の問題が山積している。
今回は特に、前回筆者が取り上げた2つの点について、その具体的な解決策を探っていこうと思う。

ひとつは「ポジションによる票の偏りの是正」についてだが、この問題に対してはやはり、

ポジション別にベストプレイヤーを選出する

という方法が、最も妥当な解決策となるだろう。
多くの識者がすでに口にしている施策であり、実際効果も高いと思われる。

特にDF、GKといった、守備に関わる者の実力が正当に評価されることは大きい。
現役のフットボーラーたちは勿論、取り分け若い世代に多大な影響を及ぼすはずだ。

同ポジションでの活躍を夢見る若きフットボーラーたちにとって、

ああ、自分たちは決して引き立て役などではないんだ。

目指すことのできる頂があるのだ


と、実感できるきっかけが生まれることになる。
ポジションの優劣なく、それぞれの個性を評価できる人材の育成を助けてくれるはずだ。

青少年の健全な精神の育成は、FIFAやUEFA他、各国フットボール協会ら多くの組織が掲げるフットボールの大きな目標である。
その意味でも、“つじつま”は合うやり方と言うことができるだろう。

年端もいかぬ子供のうちから、我からと手を挙げてセンターバックやサイドバックを志願する子供たちも出てくるような展開になれば、現役の選手たちにとっても大きなモチベーションの源となってくれるはずだ。

少なくとも、2006年ファビオ・カンナバーロがバロンドールを獲得した際に起こったような、

“DFの受賞”

に対するネガティブな反応は発生しない。
人々も、すんなりと受け入れられることができるようになるだろう。

※私見だが、DFやGKが脚光を浴びる展開はおおいに歓迎すべきことだった一方、同賞の受賞に相応しいパフォーマンスを見せていたとは(個人的にはとても)感じられなかった彼の受賞は、その後の問題をややこしくするのに一役買った感がある。




しかし・・・

言うが易し、行うは難し。
現実に行うのがそう簡単でないこともまた、世界中の関係者誰もが知っている。

例えば、本来純粋なMFともFWとも言い難いウィンガーの扱いをどうするのか?
インコントリスタ(守備的MF)とトレクァルティスタ(トップ下)を、同じMFという一括りの枠でくくってしまってもいいのか?

等々・・・当然、新たな問題が発生することになる。

それでも多くの選手たちは歓迎するだろう。
が、運営元であるFIFAはどうか?

筆者の予想では、難色を示す可能性が低くない。

特に複数人に分散して賞を与えることで、

“ベスト”プレイヤー

、つまり“最高の一人”という定義が崩れ、同賞の価値が下落するような展開は、胴元としては絶対に避けたいところだろう。
受賞対象が分散した分だけ、これまで一人のプレイヤーが独占してきた賞の価値もまた、分散してしまうという成り行きである。

あの年のバロンドールって誰だったっけ? 
ええと、FWは覚えてるんだけどMFが・・・


・・・そんな風に人々が同賞を捉えるようになれば、バロンドールの権威は大きく落ちる。

このアワードは記録と記憶の両方に刻まれる、その年のオンリー・ワンな存在でなければならない――
“あの”FIFAなら、そのように考える方が自然だろう。

結局はメリット・デメリットを天秤にかけて判断していくことになるが、この種のテーマを論じる際、多くの場合がリスクの少ない現状維持に傾くことを我々は知っている。

ここまで刻んできた歴史を考えれば、そうそう簡単に“最高の1人を選出する”という部分は動かせまい。
少なくとも、FIFAが同賞の管轄を自分たちの元に置いた直後である今、直ちにリスクの高い大規模改革に動き出すとは考え辛いのだ。


(2)投票権のバランスを再調整

こうした状況を考えていくと、現実的に可能性が高いのは、有権者のバランスを調整することだろう。

現状、同賞の受賞対象は欧州のトップリーグで戦う選手に限られる。
選出された顔触れを見てもわかる通り、候補者23名に名を連ねられるのは、UEFAランキング上位5カ国のリーグで活躍する選手に限られていた。
世界中のあらゆる選手が決選の地に集まって躍動する、W杯イヤーですらこうした状態にあるわけだ。
今後これに割って入れるケースがあったとしても、せいぜいUEFAランキング10位の国でプレーする選手まで・・・といったところだろう。

更に、現実的に受賞の可能性があるのはイングランドプレミアリーグ、スペインリーガエスパニョーラ、ドイツブンデスリーガ、イタリアセリエAまでが限界だ。
それ以上はどれほど破格のポテンシャルを見せつけ、大きな結果を残したとしても、

所属リーグのレベルが低いから

という一言で切り捨てられるのが“オチ”となる。


こうした状況を鑑みるに、

常日頃からこれらリーグに深く関わる者、多く目にする者に投票権を拡大、または再分配する

こと。
これが理に叶った展開、無難な落とし所ではなかろうか。

当サイトを訪れてくださるような皆さまであれば、一度以上はスタジアムで直に試合を観戦したことがある方が多いかと思うのだが・・・

いかがだろう。
ブラウン管の中で見る試合と、直接ピッチ全体を見渡すのとでは、

良い選手

の印象が、まったく異なってくるような方が少なくないのではなかろうか?

オフザボールの動き、献身的なカバーリング、視野の広さ・・・
そうした能力はポイントだけを捉えて放映する、TV観戦ではわからない部分と言える。

同時に、逆もまた然り。
TV映りのよいプレイヤー、ブラウン菅の追ってる先では決定的なプレーができるフットボーラー・・・
つまり攻撃的な選手が、どうしても目に付いてしまうというのは仕方のない現象なのだ。

言わんや、遠く離れた異国の地のフットボーラーであれば。
どうしても特定の方向・視点に偏った投票結果になってしまうのも道理だろう。



現行制度では、候補者のプレーを直に目で、肌で感じたことのない者に投票権が振られすぎている。
監督・選手の枠と記者投票のバランスを取らない限り、今後も捻じれ現象が発生してしまう可能性は燻り続けてしまう。

現場の意見はそれとして尊重し、取り入れるが、選考の主たる部分――少なくとも全投票の50~60%以上――は、第三者視点である記者の手に委ねる。

もしくは可能であれば、クラブで直接働く人間たちに、より多くの投票権を委ねたい。
無論、これまた多くの問題を内包しかねないという恐れはあるが、

直にその目で選手のプレーを見た

末の投票が増えるという一事だけでも、現行方法よりは誠実な選考が行えるようになるはずだ。

何にせよ、今のまま同賞を放置しておくことは、FIFAにとっても得策ではない。
多くの不平・不満を抱えた関係者たち、フットボールファンの鎮静化図るためには、何かしらの手を打たなくてはならないことは間違いないだろう。


※おわりに

結局のところ、どだい今のままバロンドールの状態を維持しようとすること自体に無理がある。

根本的な解決策は、

アワードの価値をどこに置くかの強調

だ。
今のように漠然と、

世界最高のフットボーラーに与えられる賞

を標榜、大風呂敷を掲げるのは理に叶っていない。

少なくとも、実績と多面的視点から総合的に、誰もが納得いく選考を――
と、FIFAが息巻いていたような選考になっていないことは、誰の目にも明らかだ。

でなければ、これだけ多くの問題は噴出しない。
このギャップが大きければ大きいほど、同賞の価値を疑問視する声は日に日に高まっていくことになる。


先日、UEFA会長のミシェル・プラティニはFIFAバロンドールの選考結果に遺憾の意を表し、UEFAが新たなアワードを設立することを検討するというアイデアを打ち出した。
政治的な問題も含まれるとは言え、バロンドールの選考が“ある種”特定の方向へ偏っていることを受けての行動だろう。

FIFAの選考に問題があるからこそ

UEFAが自らの権威拡大を狙って

こうしたリアクションを見せた、と解釈することができる。

FIFA副会長を勤めるプラティニだが、むしろ現執行部と一定の距離を保っていることがその証だ。
こうした問題点を浮き出たせる取り組みを積極的に行い、一方で自身が実績を残していくことは、リターンが多く見込めるという側面もあるのだろう。



プラティニが何を考え、今後実際にアワードを設立するのか?
するとすれば、それはどういった性質のものになるのか?

現時点ではまったくの未知数だ。

しかし、バロンドールが現存する数々の問題に効果的な解決策を打てず、同賞の価値を疑問視する者が増えれば増えるほど、UEFAの動きが活性化することは間違いない。

いっそのこと、純粋に技術的見地、各コンペティションで残した実績などに基づいた選考をUEFAに任せ、バロンドールは

最も人々の心を震わせる

、よりぼかした言い方をするならファンタジックなフットボーラーに与えられる賞――という形にしてもよいのだ。
これなら文化の違い、価値観の相違といった選考に纏わるetcも、

垣根を超えた

結果として、肯定的にアピールできる材料にもなるだろう。

今後の成り行きを注意深く見守りたい。

<了>

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【2011/01/27 18:26】 | 他国リーグや各種協会・組織なこと
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lemistzuck
『最も人々の心を震わせる』選手か。。
胸にくるなぁ。
じーんときたよ~b




あ・・・・
岩氏(いわし)
どうやら前回のコメントで先に触れちゃったみたいですね(汗)すいませんでした^^;

まぁ、そうでしょうね。
同感です。

プラティニのやろうとしている事は賛成ですね。
というよりは必然的か・・・
やはり今のFIFAには対抗馬が必要です。このまま放っておいたら欧州サッカーのレベルまでがどんどん下がってしまう。


それにしても、白面さんの記事はもっと色んな人に読んでもらいたいなぁ・・・と思いポチポチしている岩氏です。

あ、さっきメールしときましたんで宜しくです!

No title
junchang
さすがです!頭でわかっていても文章にすることのできる能力は私には存在しない能力です!脱帽です!
おっしゃるとおり、FIFAは肥大しすぎました!
そろそろFIFA主催の大会からボイコットするような国が出てきてもよさそうなものです^^ブラジル辺りが率先してくれたら面白いことになりそうですが^^

UEFAは独自路線を進んでもらって、FIFAとは真逆の組織になって欲しいですね!それでもCLをもろFIFAに対抗して組織してますから似たような組織になってしまうのかなぁ・・・・



いつの間に・・・
白面
気がついたら20000HIT超しておりました。
コメント共々、心から感謝を・・・

日頃のご愛読、どうもありがとうございます。

>レミさん

この一言に説得力を持たせたいがため、あれこれゴチャゴチャ5日間言いまくってたでありますよ(笑)
お気に召したのでしたら本当幸いですw

>岩氏さん

いやいや、どんどんネタバレしたってください(笑)
いただいたコメント内のご意見や皆さんのblogからもあれこれヒントを、アイデアをもらって白面の記事は練り上げられていくものですので・・・

プラティニはストイック路線(少なくとも表向きは)を今後も追求していくと思います。
それがフットボール界にどう影響を及ぼすのかは未知数ですが、とりあえずFIFAとの対立は歓迎すべき事態かとw

色々気を遣っていただきましたありがとうございます;
期日が来ましたらまとめてご返信予定です~よろしくですよ♪

>junchangさん

身に余る評価、恐縮です;
いつもコメントありがとうございます。

現状FIFAにまともに対抗できるのはUEFAのみ。
仰る通り南米からCONMEBOLことCSFが反旗を翻してでもくれない限り、なかなかバランスは是正されないと感じています。

一応プラティニがトップの間は、良くも悪くもストイック路線をひた走らせようと奔走するでしょうから、その意味で一定の差別化はなされると思います。

でないと、コペンハーゲンvsローマみたいなマニアックなカードがCLで生まれていません(笑)
純粋に利益追求だけを求めるなら、上位国により多くの枠を振る方が視聴率は稼げるはずですのでw

何にせよ、今後も気にしていきたいテーマのひとつなんです。
今年はおそらく去年と同じ方式で選出すると思うのですが、またメッシが受賞して物議を醸しでもすれば面白くなります。
バルセロナがこけてないと説得力(逆の意味での)が出ませんので、Rマドリーの奮闘に期待しますですw

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『最も人々の心を震わせる』選手か。。
胸にくるなぁ。
じーんときたよ~b


2011/01/27(Thu) 19:21 | URL  | lemistzuck #-[ 編集]
あ・・・・
どうやら前回のコメントで先に触れちゃったみたいですね(汗)すいませんでした^^;

まぁ、そうでしょうね。
同感です。

プラティニのやろうとしている事は賛成ですね。
というよりは必然的か・・・
やはり今のFIFAには対抗馬が必要です。このまま放っておいたら欧州サッカーのレベルまでがどんどん下がってしまう。


それにしても、白面さんの記事はもっと色んな人に読んでもらいたいなぁ・・・と思いポチポチしている岩氏です。

あ、さっきメールしときましたんで宜しくです!
2011/01/28(Fri) 09:00 | URL  | 岩氏(いわし) #-[ 編集]
No title
さすがです!頭でわかっていても文章にすることのできる能力は私には存在しない能力です!脱帽です!
おっしゃるとおり、FIFAは肥大しすぎました!
そろそろFIFA主催の大会からボイコットするような国が出てきてもよさそうなものです^^ブラジル辺りが率先してくれたら面白いことになりそうですが^^

UEFAは独自路線を進んでもらって、FIFAとは真逆の組織になって欲しいですね!それでもCLをもろFIFAに対抗して組織してますから似たような組織になってしまうのかなぁ・・・・

2011/01/28(Fri) 11:12 | URL  | junchang #-[ 編集]
いつの間に・・・
気がついたら20000HIT超しておりました。
コメント共々、心から感謝を・・・

日頃のご愛読、どうもありがとうございます。

>レミさん

この一言に説得力を持たせたいがため、あれこれゴチャゴチャ5日間言いまくってたでありますよ(笑)
お気に召したのでしたら本当幸いですw

>岩氏さん

いやいや、どんどんネタバレしたってください(笑)
いただいたコメント内のご意見や皆さんのblogからもあれこれヒントを、アイデアをもらって白面の記事は練り上げられていくものですので・・・

プラティニはストイック路線(少なくとも表向きは)を今後も追求していくと思います。
それがフットボール界にどう影響を及ぼすのかは未知数ですが、とりあえずFIFAとの対立は歓迎すべき事態かとw

色々気を遣っていただきましたありがとうございます;
期日が来ましたらまとめてご返信予定です~よろしくですよ♪

>junchangさん

身に余る評価、恐縮です;
いつもコメントありがとうございます。

現状FIFAにまともに対抗できるのはUEFAのみ。
仰る通り南米からCONMEBOLことCSFが反旗を翻してでもくれない限り、なかなかバランスは是正されないと感じています。

一応プラティニがトップの間は、良くも悪くもストイック路線をひた走らせようと奔走するでしょうから、その意味で一定の差別化はなされると思います。

でないと、コペンハーゲンvsローマみたいなマニアックなカードがCLで生まれていません(笑)
純粋に利益追求だけを求めるなら、上位国により多くの枠を振る方が視聴率は稼げるはずですのでw

何にせよ、今後も気にしていきたいテーマのひとつなんです。
今年はおそらく去年と同じ方式で選出すると思うのですが、またメッシが受賞して物議を醸しでもすれば面白くなります。
バルセロナがこけてないと説得力(逆の意味での)が出ませんので、Rマドリーの奮闘に期待しますですw
2011/01/28(Fri) 21:37 | URL  | 白面 #kMr7ovrQ[ 編集]
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