インテルやカルチョに関する話題多め
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◎失うもの、恐れるものなし。

1/31、冬のメルカート最終日。
とある移籍の成立が、日本中を驚かせた。

日本代表の左サイドバック、セリエAチェゼーナに所属していた長友佑都の、インテル・ミラノ加入である。



内訳はダビデ・サントンと長友の実質的なトレードで、インテル側にはレンタル後の買い取りオプションも取り付けている。

情報が錯綜しており、正確な金額までは不明だが、
おそらく買い取りオプション行使時の購入金額は、500~700万€前後に落ち着くのではないだろうか。
(現状、レンタル時に200万€、これに買い取りオプション行使に発生する金額が400万€の、計600万€という説が有力である)


それにしても驚きだった。

元々左サイドバックの人材難に喘いでいる、ユヴェントスの長友に対する関心は伝えられていた。
長友の体力は底なしだ。伝統的にサイドアタックを重視=サイドに位置する選手の上下運動が激しい同チームのスタイルを考慮すると、理に叶ったよい補強となるのではないか・・・
などと夢想していたものである。

長友が白黒縦縞のユニフォームに袖を通すことになった暁には、ただでさえ日頃肩身の狭い思いをしがちなインテリスタにとって(ユヴェントスはイタリア国内随一、世界でも有数の人気クラブ。そのユヴェントスと、インテルは犬猿の仲に当たる)、どれほどの逆風となるのか?

イタリア国内だけでなく、日本でまでインテルは敵役になるのか――
と、筆者などはいっそ、わくわくと心待ちにしていたほどだった。

それだけに、急転直下でインテルが長友を獲得した衝撃は大きかった。

単に世界のトップチームに日本人選手が加入した、という意味に留まらない。
マイナスからプラスへの転換、まさかの大逆転という点で、稲本がアーセナルで公式戦に出場を果たした時以上の衝撃があったわけだ。

言ってみれば、インテルはユヴェントスが興味を示していた長友を

横から強奪していった

という、そんな状況なのである。
日本に馴染みの深いプロ野球で例えるならば、巨人入りの意向が伝えられていた選手が、急転直下で阪神と契約を結んでしまったような、そんな種類のサプライズだったわけだ。


インテル・ミラノというクラブが、突如として日本中のフットボールファンの注目に晒される。
まったく予想していなかった展開である。

クラブの公式ツイッターが、ここ2日間で300人近くのフォロワーを増やしているのを確認しているが、おそらくそのほとんどが日本人だろう。
それだけこの移籍劇により、日本国内でインテルというクラブへの注目が高まっていると見ることができる。

しかし、当然ながら我々は、ある疑問を抱かずにはいられない。

果たして長友という選手は、インテルで通用するのか?

そもそも出番を得られるのか。
ピッチ上で、サポーターを納得させることのできるクオリティを披露することができるのか。
レンタルではなく、正式な買い取りを得て、世界のチャンピオンチームの一員に加わることが可能なのか。

いくつかの観点から、インテルに新加入した長友の可能性を探ってみることにする。


(1)キャラクターの問題

長友はタフネスだ。
身体的にも、精神的にもである。

彼は決して、順風満帆に出世街道を歩んできた選手ではない。
プロデビューも決して速い方ではなかったし、お世辞にもルックスのよい選手ではない。
創造性あふれるファンタジーアを持ち合わせているわけでもない。

同じサイドバックというポジションで言えば、日本代表で右サイドを任されている内田篤人とは好対照だ。

10代のうちからエリートコースを歩み、女性向けフットボール雑誌であるサッカーaiなどで度々特集を組まれる内田と比べると、いかにも不格好で暑苦しい。

無骨に、黙々と、努力の先に手に入れることのできる武器を磨き上げてきた――
長友という男は、つまりそういうタイプの選手と言える。
率直に言ってしまえば、華のない選手ということになる。


だが、それがいい。

インテル・ミラノというクラブには、そうした気質は見事に合致する。


例えば、個人のパフォーマンスを徹底して追及した先に勝利を得んとするACミランのそれと異なり、
チームとしての連動性、補完性を追求することで結果を残してきたのが、ここ数年のインテルだ。
そのテクニックの華麗さで、現在世界で最も美しいリーグと言われるリーガエスパニョーラから両クラブが買い求めた選手が、ミランはロナウジーニョやイブラヒモビッチ、インテルはスナイデルやエトー・・・
と考えると、実にわかりやすいのではないだろうか。

フォアザチームで働く中で輝きを見せる一方、一人当たりの評価はどうしても低く見られがち、そんな選手が集う現在のインテル。
かつてはメルカートで費用対効果の低い、ビッグネームの乱獲に勤しんできた同クラブだが、近年では名より実を取る補強も数多く見せるようになった・・・
というのが、イタリア国内における一般的な評価である。

この点、長友のよい意味での華のなさ、言い換えれば

実用性に特化され、鍛え上げられた選手のみが持つ凄み

は、インテルにおいては馴染みやすいものとして受け入れられるだろう。
少なくとも筆者の感覚では、十分相性のよい部類に入る選手に思える。



鼻っ柱の強さもいい。

元々、挑戦者の資質を多分に有した選手である。
日本にいた頃から、内田ほか各チームのサイドバックに対するライバル意識の高さは有名で、負けん気の強さは相当なものだ。

常に挑戦的で貪欲な姿勢、若さからくるエネルギーは、チームに間違いなくポジティブな影響をもたらしてくれると思う。
よく言えば老獪、悪く言えば爆発力や勢いに欠ける、現在のインテルのメンバー構成(主力選手は皆20代後半~30代である)を考えれば、同じく今冬に新加入したラノッキアやパッツィーニらと同様、おおいに刺激を与えてくれる存在になり得るはずだ。

憶測になるが、仮に欧州CLに出場が叶ったとしても、臆するところは何もなくプレーしてくれるのではないだろうか。

中村俊介、長谷部誠、本田圭祐らがそうであったように、過去の例を見る限りでは・・・だが、日本人は同大会と相性がいい。
いくつか理由は考えられるが、欧州から遠く離れた日本の地で育ったことから、同大会に対する恐怖心・畏怖の意識が薄いというのが、最も大きなポイントと思われる。
待ちに待った夢の舞台という感じではなく、数ある大きな大会のひとつ――そんな捉え方をする選手が多いのかもしれない。
長友のように我に失うものなしと、愚直に前進しようとするタイプであれば尚更だ。

ひとまず、黒いカラスの群れに一羽、真っ白な鳩が紛れ込むような事態にはならないだろう。


(2)能力の問題

問題ない。
特にこの半年間で長友が見せてきたパフォーマンスは、インテルでやっていく上で十分に説得力のあるものと言える。

・・・と、これだけでは流石に物足りないので、もう少し掘り下げて考察していこう。


左テルツィーノ(サイドバック)としての長友の能力は、インテルの現布陣に組み込む場合でも及第点以上だ。

特に圧倒的な運動量――
おそらく現在、サイドバックとしては世界でも指折りのレベルにあるのではないか
――の有用性は勿論、左右のバランスや最終ライン・中盤との距離感・・・つまりポジショニングの意識や、クロスボールの質も、イタリアにやってきてからは日進月歩で向上している。

更にタイミングのよいことに、インテルには今冬、前線に高さの基準点になれるパッツィーニが加入した。
これが相乗効果で、長友の有効性を高めてくれる可能性もある状況なわけだ。


※写真左がパッツィーニ。右は同じく、新加入のカルジャ。

無論、キヴ、あるいはサネッティといった左サイドを担当してきた実力者たちを押しのけ、レギュラーポジションを奪取するのは並大抵のことではない。
レオナルドは元々、スターティングメンバーを動かすことには慎重な監督だ。
特にここまで左サイドを任されてきたキヴを押しのけ、即座に長友が左サイドのポールポジションを確保するのは現実味が薄いシナリオである。

他方、現在のインテルは、シーズン開幕時ほどでないにしろ、片手では数えきれないほどの怪我人を抱える野戦病院状態にある。
人員の不足は如何ともし難い状態にあり、遠からず長友に出番=出場機会は巡ってくるはずだ。
自分の実力をアピールできるチャンスは、すでに確約されている。


つまり、話は単純明快だ。

長友が心がけることは、よい練習を積み、与えられた時間内で結果を残すべくベストを尽くすだけである。


(3)コミュニケーションの問題

おそらく最大にして、最難の問題がこれだろう。

コミュニケーションはあらゆる職場ないしコミュニティにおいて、最も単純かつ難解な問題である。

決して悪い人ではないはずの相手と、何故か奇妙に反りが合わない。
他の人とはうまくやれているのに、どうしても話していてぎこちなくなってしまう者がいる。

当コラムを目にしてくださった皆様の中にも、職場や学校でそうした経験をされた方が、たくさんいらっしゃるのではないだろうか?
人と人との相性とはとかく、当人たちにもどうにもし難い天運の絡む問題であり、常に我々の頭を悩ませるテーマのひとつと言える。

長友はプロフェッショナルだ。
インテルに所属する、その他大勢の選手もまたそうだ。

しかし彼らは
フットボールのプロ
であって、決して
人付きあい
のプロではない。

ましてや、長友の加入は同クラブの生え抜きであったダビデ・サントンを追い出す形(交換トレード)で成立している。
筆者の周辺、日本に住むインテリスタたちの中にさえ、次代のバンディエーラ(チームの象徴)と目されたサントンの放出に眉を顰めた者は少なくなかった。

言わんや、イタリア現地と現場においては――である。

プロヴィンチャーレ(地方の中小クラブ)であるチェゼーナのように、余所者と言えども至れり尽くせりで皆が温かく迎えてくれる、そんな環境でないことだけは確かだろう。


長友がチームに溶け込むためには、とにかく積極的なコミュニケーションを図っていくことだ。

キャプテンであるハビエル・サネッティや、チームの重鎮マルコ・マテラッツィ、エステバン・カンビアッソらと、長友の方から頻繁にコンタクトを取り、

とにかく自分はチームの役に立ちたい

という意思表示と情熱、自己犠牲の精神を訴えていけば、彼らは必ず手を貸してくれることだろう。



同クラブ初のアジア人選手ということで、チームがどのように彼を迎えるのかが未知数の部分も大きいが、

国籍を問わず世界中の(優秀な)選手に門戸を開く

というクラブの結成理念に、間違いなく長友という選手はフィットしている。
言葉の壁はあれども、本人の人柄にさえ問題がなければ、多くの選手が長友を好意的に受け入れてくれる公算は大きい。

また、指揮官のレオナルドは親日家で知られる人物である。
自身が順風満帆とは言えない選手生活を送ってきたこともあって、人種、経歴などから選手を差別することは決してない。


長友は誠意を持って、彼らに多くの教えを請うべきだ。

これ以上ないほどお膳立ては整っている。
前線の選手が好んで欲しがるクロスの質、中盤や最終ラインとの連携など、妥協せず細かく確認を取っていくことで、指揮官の評価・信頼は自然に高まっていくだろう。

後編へ続く>

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【2011/02/03 20:34】 | インテルなこと
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きたきた!
岩氏
専門家のアレがついにきましたな^^
めっちゃ期待してましたよこの話題。

本日は試合ありますね。出れるか解らんですが早速インテルの試合を観てみようと思ってます。


とりあえず感想はコラムが終わった後で、続き待ってますよ~♪

こんばんは♪
きゃぷ10
移籍をした日の朝、
ズームインで移籍を知り
驚いたとともに、
サッカーの楽しみがまた一つ増えて
とても嬉しいです!
是非とも活躍してほしいです!

でもやはりビッククラブへの移籍なので
長い目で応援したいとおもいます☆

どうもどうも
白面
>岩氏さん

はい、見事なまでにgdgdだったかと思います(苦笑)
詳しいお話は次回分にて。。。

>きゃぷ10さん

ありがとうございます。
そう言って頂けると、自分を含むインテリスタたちも喜ぶかとw

思った以上に早く出番はきそうですねー。
しかもなかなかの修羅場デビューに・・・
このローマ戦で勝ち点1だけでも積みあげられれば、信頼もぐっと増すと思うのですが。

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コメント
この記事へのコメント
きたきた!
専門家のアレがついにきましたな^^
めっちゃ期待してましたよこの話題。

本日は試合ありますね。出れるか解らんですが早速インテルの試合を観てみようと思ってます。


とりあえず感想はコラムが終わった後で、続き待ってますよ~♪
2011/02/03(Thu) 21:39 | URL  | 岩氏 #-[ 編集]
こんばんは♪
移籍をした日の朝、
ズームインで移籍を知り
驚いたとともに、
サッカーの楽しみがまた一つ増えて
とても嬉しいです!
是非とも活躍してほしいです!

でもやはりビッククラブへの移籍なので
長い目で応援したいとおもいます☆
2011/02/03(Thu) 21:44 | URL  | きゃぷ10 #-[ 編集]
どうもどうも
>岩氏さん

はい、見事なまでにgdgdだったかと思います(苦笑)
詳しいお話は次回分にて。。。

>きゃぷ10さん

ありがとうございます。
そう言って頂けると、自分を含むインテリスタたちも喜ぶかとw

思った以上に早く出番はきそうですねー。
しかもなかなかの修羅場デビューに・・・
このローマ戦で勝ち点1だけでも積みあげられれば、信頼もぐっと増すと思うのですが。
2011/02/05(Sat) 12:33 | URL  | 白面 #kMr7ovrQ[ 編集]
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