インテルやカルチョに関する話題多め
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おわりに:ヴォルフスブルクに伝えたいこと

フットボールとは必要な選手を必要なタイミングで獲得し、また放出することで回るスポーツだ。
過去の成功例を見る限り、これは確かな真理と言うことができる。


この際、人選において最も重要な要素のひとつがモチベーションであり、戦う意思があるかないか?
プレーすることに喜びを感じられるかどうかが、成功と失敗の分かれ目となる。

ゼコを然るべきタイミングで放出し、

うちで活躍すれば、ああやってステップアップしていくチャンスがありますよ!

と喧伝し、その上で野心的・挑戦的人材を確保していけば、今ごろチームはまったく異なる順位にいただろう。
今シーズンの失敗を、クラブは是非教訓化していただきたい。


モチベーションを失ったメガクラックより、

矢尽き剣折れてもなお行軍を止めようとしない、

そんな戦士の方がチームにとっては何倍も有益である。


闘志なき者はチームに悪影響しか与えず、そこには連動性も生じない。

だが闘志がある限り、チームへの愛情と献身性がある限り、その者はどんな形でも――
例えベンチにいようと、スタンドにいようと、病院にいようと
――チームにとってポジティブな存在となれるからだ。


昨シーズンから今シーズン、ここまで続く体たらくを見れば、クラブにどういった選手が必要なのか?
素人であっても、手に取るようにわかるはずである。

今このクラブに足りないもの、

それは情熱と規律だ。


チームが必要としているのは、健全な競争のなくなったグループに活気を起こし、血を通わせることのできる選手。
プレーすることに喜びを見出せる、自分自身とチームのために働ける選手以外にない。

フットボールに関しては素人でも、人を観る者としてはセミプロであるという自負の元、この点に関しては筆者は確信を持って断言することができる。


無論、技術やプレー特性を考慮して獲得すべきなのは言うまでもない。
しかしこの際、ただただそうした外面的な要素だけで選手を買い求めるのではなく、例えば

スモールクラブの、国際的には無名の選手でもいいから、
少ない報酬で高い成果(得点率、1vs1の成功率、1試合当たりの総走行距離など)を残している


選手に着目し、より高いモチベーションを与えて活躍させる――等々、
メンタルコンディション、メンタルパフォーマンスを考慮に入れた具体的な補強戦略は、果たしてこのクラブにあったのだろうか?


単刀直入に言おう。
ヴォルフスブルクにはゼコのような若手大物選手を、長期間留めておけるだけの歴史も魅力もない。

ここはバルセロナやミランとは違うのだ。

フロントはまず、そこを自覚する必要がある。


自分たちの歴史を顧みるがいい。

クラブ創設以来、初のタイトル獲得はわずか2年前の出来事だ。
マガト政権下で得たリーグ優勝以外に、このクラブにタイトルは存在しない。

クラブハウスの、スタジアムの周辺を見るがいい。

ここはドイツの片田舎。
若者が好む類の娯楽もなければ人も少ない、小さな小さな街ではないか。
あるのは工場や畑ばかりである。

フットボールがすべてこれ、人の織りなす営みである以上、

歴史や環境、その他あらゆる文化的要因を踏まえて、

即ちこれクラブのステータスという。


ならばこのクラブに、フロントが願う理想を叶うるに足るだけのステータスは存在しない。
そもそも一部に昇格できたのも、つい最近1997年のことであったことは忘れたのだろうか?

昇格後、わずか10年足らずでリーグ制覇を成し遂げた躍進は万人から評価されるべきだが、
一方で同クラブから感じられるのは、いまだ発展途上なクラブ特有の青臭さばかりだ。

残念ながらここは、世界最高峰の選手たちが、我からと手を挙げて加入を希望するようなクラブでは断じてない

そもそもが人口13万人足らずの、小さな小さな地方都市のクラブなのだ。
フットボーラーが人間である以上、同じ条件ならより生活が楽な、都市部のクラブで働きたいと願うのは自然な成り行きだろう。



こうした地理的条件まで含めて、彼らは自らのブランドを、クラブとしての価値を高めていかねばならない。
クラブの価値が高まらなければ、価値の高い選手はやって来ない。

地道な努力を怠り、いきなりビッグクラブの仲間入りを果たさんと意気込んでも、現実から手痛いしっぺ返しを食らうだけなことを、彼らは自覚すべきなのだ。


だが――


確かにヴォルフスブルクは未成熟な、発展途上中のクラブだ。
伝統・実績・サポーターの数・・・
世界に名だたるビッグクラブに、見劣りすること甚だしいものがある。

他方、言い換えればその分だけ、可能性があるクラブでもある。

フットボールクラブとしてのトップモデルでは決してないが、一方まったく別の魅力は持っている・・・
つまりそういうことになる。

そうしたクラブには、そうした環境に働きがいを感じる選手が必要となるものである。

中には大物選手の中にも、こうした野心的な職場に生きがいを感じる者もいる。
新進気鋭の若手の中にも、ステップアップとしてこのクラブを希望する者が出てくるはずだ。

財政状況がすこぶるよく、選手には実力派が揃い、何人かは世界のトップレベルでも通用するだけの選手もいる。
昨今のフットボール界の事情を考える限り、極めて恵まれた職場のひとつになり得ることは間違いないのだ。

その武器、生かさない手はない。

成功を繰り返し、自身を客観視できた運営ができていれば、自然とクラブのステータスは上がっていく。
いつの日かゼコのようなケースで、

「自分はこのクラブに残る。このクラブのために働きたい」

という選手も出てくるだろう。

成功を焦ってはいけない。

一歩一歩着実に、その時のマスト&ベストをこなすことを求めたい。
筆者が言いたいことは、この一点に尽きる。



現実的に言って、今シーズンのリーグ優勝、及びCL出場権の獲得は絶望的だろう。
ELにすら手が届くまい。
まずは残留が最優先事項だ。

ゼコの放出時を見誤った代償は高くついた。
彼の昨夏の残留は、本人にとって不幸だったし、チームにとっても大きな不幸だった。

だが、ようやくチームは正常化できるチャンスを得た。
国内及び国外から、複数の実力者(トゥンジャイなど、かなりアクの強い選手も含む)を獲得し、監督も更迭→交代の運びとなっている。

選手たちは皆、少なからず変化の予兆を感じ取っているはずだ。
チームを活性化するチャンスは十二分にある。

ここから先、クラブは過去なかった難しい舵取りを強いられることになるだろう。

実力者が多い半面、崖っぷちの残留争いのような修羅場を経験してきた選手は少ないだけに、一刻も早くこの降格圏を脱しなければ、後半戦ずるずると勝ち点を取り逃す試合が続く可能性も高い。
エリート集団が逆境に弱いのは、昨年のJリーグ、FC東京が無念のJ2降格を迎えたケースなどに明らかだ。

一方で、マクラーレンが組織の整備を十分に行えないまま退任したことを考えても、逆に今なら抜本的なチームの作り直しもある程度効くと捉えるべきだ。

物事のネガティブな側面には確固たる対処法を、一方でポジティブな側面を捉えて前向きな雰囲気を作りだすこと。
これはフットボール以外にもすべての世界で通用する、勝者となれる者の約束事である。

戦術面では、例えばジエゴを核として、徹底してその能力を生かすシフトを組み上げるのか?
ジエゴ抜きでも機能する、ただしジエゴが起用できたとしてもそれほど大きなメリットにはならない形に仕立て上げるのか?
あるいは、そのふたつを両立させるのか。
ジエゴをそもそも構想から外し、よりダイレクト思考のコンパクトなシステムとするのか。

興味は尽きない。

しかしそうした現場のポジティブな変化も、フロントが正しい選択をして、初めてもたらされるものであること。
この点はどうか、肝に命じて欲しいものである。


一時の栄華に酔いしれ、我を見失いかけた緑の狼。

今後彼らが、いかにしてその態勢を立て直すのか?
各セクションのスタッフの奮闘を、心から願うばかりだ。

<了>

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【2011/02/10 21:22】 | マネジメント
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お疲れ様でした!
黒猫
私も同意見です!
何より今のヴォルフスには、チームとして情熱を持って欲しいです。

歴史があっても金ばかりの成金チームでは誰も尊敬はしないし、プライドばかりあってもサポーターをないがしろにすればファンはついてこない。(どこのチームとは言いませんがw

間違いなく他のチームより経営状態は良いし、選手もスタッフも揃ってるので、今なら持ち直すことは可能だと思うのです。
ただここはブンデスリーガ、生き残ることは他のリーグより圧倒的に困難です。
監督すげ替えだけでチームが改善するなら、どこのチーム苦しんでません。
決して奢らず、でもプライドを持って頑張って欲しいです。

数回にわたってのヴォルフス評お疲れまでした。
個人的にはへーネスの野望の話なんかも聞きたかったところですがwそうするとバイエルンのもう一人のへーネスの話も必要ですかね。

それにしても白面さんの順序だてた理論構成と文章分解力には尊敬してしまいます。
プラス、ヴォルフスについて代弁して頂いた様で心より感謝いたします。
ありがとうございました!

読み応え有りましたね。
KKGT-R
歴史にあるどのクラブにだって、こういった危機があった訳ですよね。
これを現場・フロントがどう捉えるか。幸い金銭面の心配のないクラブなので、後は人間のハートですかね。

Jのエリートさんは降格してなお、社長のあの発言ですから(汗)


おぉ。。
lemistzuck
毎度ながら映画みた後のような気分になるねー。
ちょっぴり余韻に浸ってたいw

ブンデスって健全経営とかいわれてるけど、どーなの?って。
健全って経営面だけじゃないと思うんですよね。

なんかヴォルフスブルクって、ブンデスの縮図みたいな気がするw


ついでに、ファンハールやマガトのような古い考えの人間も好きじゃない。
そういう人たちの体質が選手やリーガ全体に与える影響って大きいと思うんだ。
あまりいい方に導いてくれるとは思えないんです。。


No title
junchang
サッカーをビジネスの観点で考えると選手の入替はやむをえないのでしょうね・・・・。私としては選手が頻繁に入れ替わるよりも旗印たる存在として長くチームに君臨して欲しい欲求もあるんですけどね^^

かつて大好きだった(今でもすきなんですけどね^^前ほどではなくなってしまいましたが・・・・)ミランは革命を起こしましたが金の使い方を間違ってしまい、それがサッカー界のスタンダードになってしまった印象が強くて今の落ち目も自業自得って感じがしてしまっています^^

こういった面もかなり矛盾してるんですけどね^^

コメありがとうございます
白面
お返事遅れまして申し訳ございません。
ようやく帰宅致しました。

>黒猫さん

現役サポさんにそう言って頂けるのは、考察ブロガー冥利に尽きますねw
ありがとうございます。

今回は出発直前になんとかまとめきりたかったのと、他に書こうと思っていることが山積みになってきたのを受けて半ば無理矢理納めた感もございますが(汗)

今後もこのクラブのことは、注意深く見守っていきたいと思っています。

>KKGT-Rさん

実は「強くなるのを焦るな」、はドゥンガの台詞の引用ですw
時間をかけてでも必要なピースをひとつひとつ埋めていかない限りは、なかなかお金だけかけても強くなれないのがフットボールの不思議。

それをフロントがわかってくれていないクラブは、自然と端々に無理が生じるものですね・・・
なかなかどうして、この業界不思議にうまく力が作用するようです(笑)

>レミさん

チームによりけりで、ヴォルフスブルクのように超優良経営のチームもあれば、シャルケのような火の車チームも、ザンクトパウリみたいな赤貧チームもあるのがドイツw

ぶっちゃけ楽しいです!
インテリスタでなければ、もっと見ていたところです(笑)

自分もファン・ハールやマガトは好きじゃないかなー・・・
一方で、自分が応援さえしてなければ、やっぱりああいうのもいてくれた方が自然と業界のバランスが取れるのです。

白面の好きな言葉は「中庸」。

清濁含めて一定以上許容し、拒絶できるようにしておかないと、特定の考えに偏向しちゃいそうで恐いからでしょうねぇ・・・w

>junchangさん

ヴォルフスブルクの場合、バンディエラが育ちにくい(そもそも市民が圧倒的に少ないのだから当然)という問題もあるので、育成には10年単位でお金と労力を注いでいかないと、これもなかなか改善されないでしょうね。
仰るとおり、クラブを背負って立てるような旗手は必要不可欠かと思います。

現在のミランは名だたるビッグクラブの中でも、最も育成に労力を注いでいないクラブのひとつですからね・・・(汗)

今後改善されることを自分も願っております。
イタリアの各クラブにはアヤックスやベンフィカのような凋落はして欲しくない、というのが本音なのです。。。

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コメント
この記事へのコメント
お疲れ様でした!
私も同意見です!
何より今のヴォルフスには、チームとして情熱を持って欲しいです。

歴史があっても金ばかりの成金チームでは誰も尊敬はしないし、プライドばかりあってもサポーターをないがしろにすればファンはついてこない。(どこのチームとは言いませんがw

間違いなく他のチームより経営状態は良いし、選手もスタッフも揃ってるので、今なら持ち直すことは可能だと思うのです。
ただここはブンデスリーガ、生き残ることは他のリーグより圧倒的に困難です。
監督すげ替えだけでチームが改善するなら、どこのチーム苦しんでません。
決して奢らず、でもプライドを持って頑張って欲しいです。

数回にわたってのヴォルフス評お疲れまでした。
個人的にはへーネスの野望の話なんかも聞きたかったところですがwそうするとバイエルンのもう一人のへーネスの話も必要ですかね。

それにしても白面さんの順序だてた理論構成と文章分解力には尊敬してしまいます。
プラス、ヴォルフスについて代弁して頂いた様で心より感謝いたします。
ありがとうございました!
2011/02/11(Fri) 00:46 | URL  | 黒猫 #-[ 編集]
読み応え有りましたね。
歴史にあるどのクラブにだって、こういった危機があった訳ですよね。
これを現場・フロントがどう捉えるか。幸い金銭面の心配のないクラブなので、後は人間のハートですかね。

Jのエリートさんは降格してなお、社長のあの発言ですから(汗)
2011/02/11(Fri) 12:40 | URL  | KKGT-R #-[ 編集]
おぉ。。
毎度ながら映画みた後のような気分になるねー。
ちょっぴり余韻に浸ってたいw

ブンデスって健全経営とかいわれてるけど、どーなの?って。
健全って経営面だけじゃないと思うんですよね。

なんかヴォルフスブルクって、ブンデスの縮図みたいな気がするw


ついでに、ファンハールやマガトのような古い考えの人間も好きじゃない。
そういう人たちの体質が選手やリーガ全体に与える影響って大きいと思うんだ。
あまりいい方に導いてくれるとは思えないんです。。
2011/02/11(Fri) 13:04 | URL  | lemistzuck #-[ 編集]
No title
サッカーをビジネスの観点で考えると選手の入替はやむをえないのでしょうね・・・・。私としては選手が頻繁に入れ替わるよりも旗印たる存在として長くチームに君臨して欲しい欲求もあるんですけどね^^

かつて大好きだった(今でもすきなんですけどね^^前ほどではなくなってしまいましたが・・・・)ミランは革命を起こしましたが金の使い方を間違ってしまい、それがサッカー界のスタンダードになってしまった印象が強くて今の落ち目も自業自得って感じがしてしまっています^^

こういった面もかなり矛盾してるんですけどね^^
2011/02/12(Sat) 20:20 | URL  | junchang #-[ 編集]
コメありがとうございます
お返事遅れまして申し訳ございません。
ようやく帰宅致しました。

>黒猫さん

現役サポさんにそう言って頂けるのは、考察ブロガー冥利に尽きますねw
ありがとうございます。

今回は出発直前になんとかまとめきりたかったのと、他に書こうと思っていることが山積みになってきたのを受けて半ば無理矢理納めた感もございますが(汗)

今後もこのクラブのことは、注意深く見守っていきたいと思っています。

>KKGT-Rさん

実は「強くなるのを焦るな」、はドゥンガの台詞の引用ですw
時間をかけてでも必要なピースをひとつひとつ埋めていかない限りは、なかなかお金だけかけても強くなれないのがフットボールの不思議。

それをフロントがわかってくれていないクラブは、自然と端々に無理が生じるものですね・・・
なかなかどうして、この業界不思議にうまく力が作用するようです(笑)

>レミさん

チームによりけりで、ヴォルフスブルクのように超優良経営のチームもあれば、シャルケのような火の車チームも、ザンクトパウリみたいな赤貧チームもあるのがドイツw

ぶっちゃけ楽しいです!
インテリスタでなければ、もっと見ていたところです(笑)

自分もファン・ハールやマガトは好きじゃないかなー・・・
一方で、自分が応援さえしてなければ、やっぱりああいうのもいてくれた方が自然と業界のバランスが取れるのです。

白面の好きな言葉は「中庸」。

清濁含めて一定以上許容し、拒絶できるようにしておかないと、特定の考えに偏向しちゃいそうで恐いからでしょうねぇ・・・w

>junchangさん

ヴォルフスブルクの場合、バンディエラが育ちにくい(そもそも市民が圧倒的に少ないのだから当然)という問題もあるので、育成には10年単位でお金と労力を注いでいかないと、これもなかなか改善されないでしょうね。
仰るとおり、クラブを背負って立てるような旗手は必要不可欠かと思います。

現在のミランは名だたるビッグクラブの中でも、最も育成に労力を注いでいないクラブのひとつですからね・・・(汗)

今後改善されることを自分も願っております。
イタリアの各クラブにはアヤックスやベンフィカのような凋落はして欲しくない、というのが本音なのです。。。
2011/02/13(Sun) 18:31 | URL  | 白面 #kMr7ovrQ[ 編集]
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