インテルやカルチョに関する話題多め
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

(3)取材“される”者とマスメディア

これまで述べてきた内容とはいささか趣向が異なるが、最後に
「実際に取材される者」
として、フットボーラーたちが日ごろ、どのようにメディアと接して過ごしているのかを考えていくことにする。

さて・・・
先日のヴォルフスブルク記の中でも申し上げたが、欧州各国のトップリーグに属するような選手たちであれば、言うまでもなく押し寄せるマスメディアの取材対象となることは避けられない。

メディアの側にも取材する権利、記事にする権利が当然ある。
プライベートの話題はともかくとして、スポーツ的側面に関して言えば、その影響から完全に逃れることは叶わない。

よってこの時、フットボーラーに可能な選択肢は、究極的にはふたつに分けられることになる。


自らメディアに何らかのメッセージを発して、意識して報道をコントロールしようとするか、

極力メディアと接触を断ち、結果生じる事態を受け入れる覚悟を決めるか――である。


○メディア『接触』型

前者を今回は、便宜的に

メディア接触型

と呼ぶことにする。

利用」「反応」「対立」・・・
その方向性は違えど、何らかの形でメディアに自分から関与しようとするタイプのフットボーラーは、すべてここに該当する。
故に『接触』というわけである。

利用」型の実践者としては、例えばクリスティアーノ・ロナウドが挙げられる。

基本的に目立つことが好きで、自分の能力を誇示できればできるほど、称賛を浴びれば浴びるほど「乗って」くるタイプである。
自身から積極的に取材に対して口を開き、笑い、怒り、感情を余すことなくぶちまける様は、さながらTVドラマか何かのようだ。

感情を恥ずかしげもなく(CR7の受け答えには、まるで“照らい”がない)表に出し、インタビューで質問される以外のことに関しても、積極的に口を開く。
メディアを通じて

俺の話を聞いてくれ・・・俺のプレイを目に焼き付けてくれ!

とアピールする性質の高さは、世界屈指と言っていい。

メディアの方も何かと話題にしやすく、また注目度抜群のタレントだけに、せっせと彼の発言を取り上げ、記事にすることになる。
特にスペイン随一の発行部数を誇るMARCA紙などは、元々レアル・マドリードの影響を強烈に受けるメディアだけに、こうした存在はさぞありがたいことに違いない。

持ちつ持たれつ、というわけだ。




続いて「反応」型だが、現存ほぼすべてのフットボーラーは、これに属すると言っていいだろう。

特に強力無比なクオリティを持っていながら、メディアに対して淡々とした反応、いわゆる優等生的な発言が目立つ選手はここに属する傾向が強い。
アンドレス・イニエスタ、リオネル・メッシらがその典型だ。

彼らは自分からああだこうだと、自らメッセージを発することは少ない。
メディアに受け答えすることはあっても、「大々的にこう書いてくれ」とアピールするようなことはほとんどない。
それだけ、インタビューの内容は味気ないものになりがちだ。
結果的に、メディアの集中攻勢を避けることができる・・・というケースも多くなる。

よって、プレイに集中したい、純粋にフットボールに集中することを望む選手は、こうした対応を取ることが増えていくことになるわけだ。

メディアを通じて何かをアピールしようとする選手は「利用」型、一方こちらはあくまでメディアから受けた質問に対して「反応」、つまり応対するだけと考えていただくと、両者の区分けがやりやすいだろう。




最後に「対立」型だが、これは更にふたつのケースに分けられる。

ひとつは好戦的で、売られた喧嘩は必ず買うようなタイプが、偏った(と当人が感じる)報道やメディアの揚げ足取りに激怒し、その場で、あるいは他のメディアを使って反論しようとする場合。

もうひとつは、発言をオブラートに包むようなことをよしとせず、ある意味では大胆な、時に傲岸不遜に思ったことを口にすることで、結果的にメディアから批判される、あるいは対立するような場合である。

前者はケースとして発生することはあっても、常時こうした対応を取る者はほぼいない。
日頃メディアと無難に接している選手でも、何か癇に障るような報道があった際、

「ちょっと言わせてもらいたいんだが・・・」

という具合で、一時的な緊張関係になるといったケースがほとんどである。


対して、後者はいわゆる“悪童”タイプにありがちな状況だ。
マリオ・バロテッリなどは、まさにこの典型だろう。

歯に衣着せぬ発言を繰り返し、相手を舐めた態度を隠そうともしない。
結果、メディアから必要以上に悪感情を買い、一方で本人には問題発言をしている、問題行動を取っているという意識がないため、

なんで俺だけがこんなに叩かれなきゃならないんだ!?

と、メディアへの悪感情を募らせていくことになる。
十分な教養を持たない、幼少期の家庭環境に問題があったような選手に、比較的発生しやすい印象があることを追記しておく。




●メディア『忌避』型

クラブとの契約上、遂行しなければならないインタビューや出演以外、目立つことを極端に避けるタイプの選手を、便宜上こう呼ぶことにする。
いわゆるマスコミ嫌い、露出嫌い、孤高の求道者タイプなどが、こういったタイプに分類されることが多い。

代表的な例としては、例えば中田英俊→本田圭祐の系譜である。

ひたすら我が道を行き、メディアへの嫌悪感を言外に臭わせ、バラエティ番組への出演などもまずやろうとしない。
時に歯に衣着せぬ発言で周囲を驚かせることはあっても、それはあくまで自分自身の誇り、モチベートのためである(本田のビッグマウスなどはその典型だ)。
彼らの目線は、常に相手やファンを捉えており、その目に最初から媒介役であるメディアが映っていないのが特徴だ。




海外の主要選手で言えば、例えばグティ(現ベジクタシュ)などが挙げられる。

彼の気まぐれと、インタビュー取り付けの難解さは折り紙つきで、
過去幾多のメディアがアタックを試みてはかわされ、いなされ、断られてきた。
エル・ブランコという極めて特殊なクラブに所属していなければ、もっともっと露出が少なかったであろう選手の一人だろう。

時に歯に衣着せぬ発言で、周囲を瞠目させる辺りも、中田や本田らとよく似ている。
齢を重ねて随分柔和になってきた印象があるが、基本的な生き方自体は変えていない。




このタイプに共通して言えることは、過度の取材・メディアへの露出を避けようとすることで生じる、あらゆるリスクを何の気負いもなく背負ってしまおうとする部分である。

本来であれば、前項で紹介した「反応」型のような対応をしている方がはるかに楽だ。

メディアと敵対さえしなければ、理不尽に攻撃を受けることは少なく、またフットボール以外のことで騒がれ難くなる。
プロである以上、一定以上の接触は本来避けられないのだから、無難に対応していた方が結局は得をする場合がほとんどだろう。

だが、彼らはそうしたことをよしとしない。

当然メディアは自分の言いなりにならない、扱い難い選手に対しては辛らつになりがちである。
それどころか完全なガセネタで不当な攻撃を受けたり、プライベートに侵入されるような事態も増えることになるわけだが、それすら蛙の面に小便といった具合に受け流してしまう。

自分を曲げて生きることの方が、よほど耐え難い恥辱に感じられるとでも言いそうな――
一様にプライドが高い選手ことで知られる選手ばかりなのは、決して偶然ではないはずだ。

加えて言うなら・・・
そもそも人気・注目がなければ、記事にして金にならなければ、マスコミというものは寄って来ない。
元々の人々の関心に加え、大きな情報の循環に汲み入られることをよしとせず、リスクを覚悟で我が道を行こうとするようなフットボーラーが、更なる支持を集めないわけがない。

こうしたタイプの多くは、高い人気を誇るスタープレイヤーばかりというのも、また当然の如き結果と言うことができるだろう。




マスメディアとの関わり方に、唯一絶対の解答など存在しない。

これは選手それぞれが、自分にとっての最適解を探しだす他ないものだ。

果たしてあなたの愛するクラブは、贔屓の選手は、メディアとどのように付き合い、影響を受けて日々を過ごしているのだろうか?
この機会に、ひとつ改めて考えてみるのも一興かもしれない。



ひとつだけ、確実に言えることがあるとすれば・・・

あらゆる情報が氾濫する、昨今のフットボール界においては、
メディアへの対応諸策もまた、一流のフットボーラーの条件となってきつつあるということだ。

故に、バロンドール選考に人格などが考慮される傾向が強くなる。
かつてのガリンシャ、マラドーナのような破綻者が持て囃されることはなくなり、今後ますますこの世界では
“人格”
が求められていくようになるだろう。

メディア戦略もまた、フットボールの一部となってきているということである。




おわりに:

フットボールとメディアの関係、各選手・監督・クラブごとの傾向は、決して趣味的なデータに留まるものではない。

例えば補強選手のリストアップ・獲得の際において、

この選手の色は、果たしてうちのクラブに合うのか?

という点を考慮する上で、非常に重要なサインとなる。

何も優等生ばかりを獲ることが、チームにとってプラスになるものではない。
時には広告塔となれるスター選手が必要な場合も、荒々しいファイターをカンフル剤としてチームに注入することが上策となる場合もあるだろう。

スカウティングの上で、欠かせない要素となるわけだ。

メディアは今日もそこに在る。

姿かたちを変えれども、数百年・数千年の昔から、私たちの生活と密接に関わりながら存在してきた。
これからもそれは変わらない。
フットボールの世界においても、決してなくなることはない。

我々観る側も、記事にされる選手・監督ら関係者の側も、メディアの影響力から脱することは不可能だ。
ならば最良の一手は、自身とメディアの関係・距離感を常に考えた上で、行動を取捨選択していくことではなかろうか。


メディアとは現象だ。

吹きすさぶ風に、荒れ狂う空に、剣を振っても刃は届かない。
降り注ぐ雨の、一滴一滴を斬ることはできない。川を、海を、水を断つことは叶わない。

現象に感情を叩きつけても、生産的な活動は生まれない。
刃を向け、剣を振るうばかりでは、世は立ち行かない。

フットボールの世界においても、それは同じことである。


風に乗る、よける、雨水をあえて身に受ける、水をすくう――
我々には、多くの選択肢が与えられている。

これからの時代はその時その時で、自身にとって最善の行動を考え、実践できる者が勝者となるはずだ。

<了>


※緊急告知※

画像処理ソフトが使える、絵書きさんを探しています。orz

次回の即売会に申し込んだのはよいのですが、前回ご協力いただいたマケレレさんが今回は参加不能ということで、急遽サークルカットを自力で提出しなければならなくなりました。→ ※例: こんなの です。

ぶっちゃけ文字だけでも構いません。
絵が書ける人とすら言いません。

フォトショップやイラストレーターといった、いわゆる画像処理ソフトが扱える人でしたら充分です。
サークルカットさえいただければ、今回は挿絵なしの文字オンリー本でもいいかなと思っています。。。

ギャラも何にも出ませんが(すでに赤字は確定してます・・・( ´・ω・))、
次回新刊の出版にご協力いただけるという奇特な方がいらっしゃいましたら、
拍手かメールフォームから返信用のメールアドレスご明記の上、その旨お知らせください。


〆切は2/21まで・・・
今週末の土日中にできなきゃほぼアウト、といった状況です。

藁にもすがる思いでお待ちしております(´;ω;`)


にほんブログ村 サッカーブログ セリエAへ
   ↑  ↑ 
一人でも多くの方に読んでいただけるよう、各種ランキングに参加しています。

それぞれ1クリック応援いただけると、自分のやる気スイッチがONに入ります
(むしろ皆様の支えなしでは、とても更新なんてやっていけません

いつも応援くださっている皆さま、本当に感謝です。ありがとうございます

【2011/02/16 19:56】 | フットボール叙事詩
トラックバック(0) |

No title
じゅんや
ここはもうブログの域を超えてますなw
なんか、サッカー雑誌でも読んでる感覚がありますよ。

Re: No title
白面
恐縮、っていうか誉め過ぎですv-356
お世辞にしても背中が痒いですハイ(´Д`;)アセアセ

勿体無い賛辞、本当にありがとうございます。

では、無料で楽しめる簡易雑誌目指して・・・
今後も頑張りたいと思います(笑)

いや~
岩氏(いわし)
いい記事だな~・・・
心から感心しますよマジで・・・

マスコミに右往左往されているニュースだけチェックしてるような人には是非読んでもらいたいですわ。


しかしまさか孤高の天才グティがここで出てくるとは(笑)
彼は本当にマスコミにとっても監督にとっても扱い難い選手ですよね。


でも、岩氏はそういう選手が好きです(笑)


絵は描けるんで協力したいんですけどね・・・
家事やら子育てやらで忙しくてツレの絵も予約されとるんで^^;
協力できずすいません。。。

No title
junchang
本当に皆さんと同意見です。完全な物書きになってますね^^
僕も絵は多少かけるかもですが何分PCの知識がないもんで・・・・申し訳ないっ!

コメントありがとうございます
白面
>岩氏さん

グティは大好きです。そのプレースタイルからキャラクターまで、自分を魅了してやみません(笑)
いずれ何かの機会で、一度は触れねばと思っていたところだったので・・・よし、今回はいけるとw

いえいえ、お気持ちだけでも充分ありがたいです!
同人誌の方も週末ようやく発送できる目処が経ちましたので、来週中には届くと思います。
よろしくです!

>junchangさん

恐縮です(;´・ω・)
少しでも読んでくださった方に楽しんでいただけるよう、その一心であれこれ試行錯誤しております。

お気持ちだけでも、本当に嬉しいものです。
どうもありがとうございますw
同人誌の方、明後日には発送できると思いますので、今しばらくお待ちください。

しかし・・・

わずかニ月前に執筆した原稿なのに、今見直すとこのまま蓄電したくなるほど恥ずかしいorz

自分のクオリティのなさに呆れますです。
ああ、まだまだ修行つまにゃ・・・(´Д`||)


No title
golazo
初めてコメントさせて頂きます。

目から鱗でした笑 まさにこういう文章こそが世に出るべきだなぁと感じながら、あっという間に読み切ってしまいました。


忙しい中とは思いますが、更新楽しみにしています。またお邪魔させて頂きます<(_ _)>



Re: No title
白面
はじめまして、ご訪問ありがとうございます。
当blogの管理人、白面と申します。

一応はフットボール関連のblogなのに、マッチレポート等も何もしたためずこんなものばかり(汗)

golazoさんの所には及びも付かないようないい加減な内容でお恥ずかしい(;´・ω・)
よろしければまた冷やかしにきてやってください~



コメントを閉じる▲
コメント
この記事へのコメント
No title
ここはもうブログの域を超えてますなw
なんか、サッカー雑誌でも読んでる感覚がありますよ。
2011/02/16(Wed) 21:44 | URL  | じゅんや #-[ 編集]
Re: No title
恐縮、っていうか誉め過ぎですv-356
お世辞にしても背中が痒いですハイ(´Д`;)アセアセ

勿体無い賛辞、本当にありがとうございます。

では、無料で楽しめる簡易雑誌目指して・・・
今後も頑張りたいと思います(笑)
2011/02/16(Wed) 23:12 | URL  | 白面 #-[ 編集]
いや~
いい記事だな~・・・
心から感心しますよマジで・・・

マスコミに右往左往されているニュースだけチェックしてるような人には是非読んでもらいたいですわ。


しかしまさか孤高の天才グティがここで出てくるとは(笑)
彼は本当にマスコミにとっても監督にとっても扱い難い選手ですよね。


でも、岩氏はそういう選手が好きです(笑)


絵は描けるんで協力したいんですけどね・・・
家事やら子育てやらで忙しくてツレの絵も予約されとるんで^^;
協力できずすいません。。。
2011/02/17(Thu) 10:23 | URL  | 岩氏(いわし) #-[ 編集]
No title
本当に皆さんと同意見です。完全な物書きになってますね^^
僕も絵は多少かけるかもですが何分PCの知識がないもんで・・・・申し訳ないっ!
2011/02/17(Thu) 14:01 | URL  | junchang #-[ 編集]
コメントありがとうございます
>岩氏さん

グティは大好きです。そのプレースタイルからキャラクターまで、自分を魅了してやみません(笑)
いずれ何かの機会で、一度は触れねばと思っていたところだったので・・・よし、今回はいけるとw

いえいえ、お気持ちだけでも充分ありがたいです!
同人誌の方も週末ようやく発送できる目処が経ちましたので、来週中には届くと思います。
よろしくです!

>junchangさん

恐縮です(;´・ω・)
少しでも読んでくださった方に楽しんでいただけるよう、その一心であれこれ試行錯誤しております。

お気持ちだけでも、本当に嬉しいものです。
どうもありがとうございますw
同人誌の方、明後日には発送できると思いますので、今しばらくお待ちください。

しかし・・・

わずかニ月前に執筆した原稿なのに、今見直すとこのまま蓄電したくなるほど恥ずかしいorz

自分のクオリティのなさに呆れますです。
ああ、まだまだ修行つまにゃ・・・(´Д`||)
2011/02/17(Thu) 23:06 | URL  | 白面 #kMr7ovrQ[ 編集]
No title
初めてコメントさせて頂きます。

目から鱗でした笑 まさにこういう文章こそが世に出るべきだなぁと感じながら、あっという間に読み切ってしまいました。


忙しい中とは思いますが、更新楽しみにしています。またお邪魔させて頂きます<(_ _)>

2011/02/19(Sat) 12:46 | URL  | golazo #-[ 編集]
Re: No title
はじめまして、ご訪問ありがとうございます。
当blogの管理人、白面と申します。

一応はフットボール関連のblogなのに、マッチレポート等も何もしたためずこんなものばかり(汗)

golazoさんの所には及びも付かないようないい加減な内容でお恥ずかしい(;´・ω・)
よろしければまた冷やかしにきてやってください~

2011/02/19(Sat) 22:55 | URL  | 白面 #-[ 編集]
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。