インテルやカルチョに関する話題多め
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(2)インテルの事情『レオの選択は・・・?』

挑戦者であるインテル側に迷うことはない。

1stレグを0-1(アウェーゴール換算なあら0-2に等しい)で落としている以上、この第2戦は勝利が勝ち抜けの絶対条件である。
それだけに、当然試合への臨み方は限定されたものになる。

点を奪って、この試合に勝ち切るということだ。

念のため状況を整理しておくと、1-0の勝利なら延長戦へ、それ以外の勝利であれば無条件でインテルは勝ち抜けとなる。
今回はバイエルン側のホームでの試合となるため、インテルのゴール戦は勝敗数が同数になった場合、自動的に2倍に換算されるからだ。
例:インテルが2-1で勝利した場合、アウェーゴール数がインテルは2点、バイエルンは1点となる。
これを2倍に換算すると、それぞれのゴール数は4-2に。バイエルンがホームで1点をあげていたとしても、2+1=3でインテルの4点分に及ばない


よって、失点も1失点までは許容できる。
どうせ最初から勝つしか先に進む術はないのだから、1-0以外の決着では延長戦はあり得ない。

無失点で済めば、もちろんそれにこしたことはないが・・・それ以上に自分たちが得点を決めることが強く求められている、そんな状況にチームはあるわけだ。
殴り合いなら万々歳。試合終了時に、バイエルンより1点でも多く得点を決めていれば、その時点でインテルの勝ち抜けは決まる。

逆に言えば、多少のリスクを冒してでも得点を奪いに行かなければ、座して死を待つだけということになる。

とは言え、相手は誇張抜きに、世界中のクラブチームの中でも有数の攻撃力を誇るバイエルンである。
蛮勇を振るい、後先考えずに前進すれば、電光石火のカウンター一閃で勝敗は決する。
自分たちが点を決める前に2点を失えば、その時点で勝負は決してしまうだろう。
現実的に挽回は難しい。

おそらくレオナルドは、ある程度のリスクを冒しつつも、全体のポジショニングのバランスを崩しかねない仕掛けは慎むはずだ。
少なくとも、前半の間は。
大きなリスクを冒してでも冒険しなければならなくなるのは、無得点or先制された状態で後半を迎えてからになるだろう。

バイエルンは1点を奪ってしまえば、1失点を喫しての引き分けまでは許されることになる。
スペースを埋めての攻守分業、守備を9~10人で行う傍ら攻撃は前線の4人かそれ以下の人数に任せるという、リスクの少ない攻め方に切り替える可能性が高い。
ポジティブトランジションよりも、ネガティブトランジションに意識を高く保った状態で戦えば、いくら最終ラインに問題を抱えている今のバイエルンとは言え、そう簡単に点は奪われまい。

となると、インテル側もみすみす敵の狙い通りに試合を進ませるわけにはいかなくなる。

攻撃にかけられる人数は、おそらく最大でも6人程度。
しかもうち1人は中盤の底で、ボールロスト時に備えて睨みを効かせつつ、前線をサポートするという形に留まる可能性が高い。

適任はカンビアッソだが、この試合に万全の状態で臨めるのかはまだわからない。
場合に応じてモッタ、ハルジャらが分業して務めることになるケースも考慮しておくべきだろう。

システムの選択肢は、大きく

・4-3-1-2
・4-3-2-1
・4-2-3-1
・4-4-2(中央集中型の4-2-2-2に近い形)

の4つが考えられる。
4バックは動かさず、後は試合に出られる選手の顔ぶれとチーム内の連携、相手チームとの戦術の噛み合わせによって判断されることになる。
すべてはレオナルドの裁量次第、決断にかかっているということだ。




以下、各システムごとの一般的に言われている特性を確認しつつ、インテルが取るべき道は何かを考えていこう。


まずこの中では、4-4-2(ブラジル型4-2-2-2)が最も考え難い。

中盤の底に守備的MFと司令塔を1人ずつ、2トップの下にプレーメーカー、いわゆるトップ下×2or攻撃的MFを配置するこのシステムは、個人技を生かしてポゼッションが作りやすくなる反面、サイドで数的不利に陥る公算が大だ。
バイエルンがここまで主として使用している4-2-3-1との噛み合わせも悪く、ただでさえ強力なサイドアタッカーを複数擁しているバイエルン相手に、この布陣で挑むのは自殺行為とすら言える。
中盤、正方形に配置した守備的なMF2人と、攻撃的MF2人の間を分断されて主導権を奪われるのが“落ち”だろう。


4-2-3-1も困難だ。

先日のジェノア戦(5-2のスコアで大勝)では大きな可能性を感じさせてくれた同システムだが、これはCF(センターFW)の位置にパッツィーニという生粋のCFが入ったからこそ取れた布陣である。
だが今大会では、欧州の規定によりパッツィーニはCLでは起用できない。
つまり、必要な選手が揃わないのである。

より具体的に言うと、インテルの陣容がエトーという攻撃の要を1トップで起用するのに、最適な選手とシステムとを備えていないということになる。

エトーは元々、突破力と抜群の初速の速さで勝負するタイプのFWだ。
強力なポゼッションを誇るバルセロナのようなチームであればともかく、現在のインテルで何の工夫もなく1トップの頂上に置いては、持ち味を殺されてしまう可能性が高くなる。

ゴール前の人口密度が低くなりがち=サポートが薄くなる、この布陣では尚更だろう。
両脇をパンデフと、あるいは長友で固めるという手を取ったとしても、コンビネーションが充分でない布陣を試すにはリスキーに過ぎる状況である。


このシステムの採用が現実味を帯びてくるのは、ミリートが今晩の試合で電撃的に復帰を飾る場合だ。

元々パンデフ、ミリート、エトーの3人を最前線に三角形に配置する4-2-1-3で、インテルは昨シーズンCLを戦い、バイエルンを破って優勝もしている。
ミリートさえ戻ってくれば、サムエルの代役をラノッキアかコルドバに任せ、そのまま去年とまったく同じシステムで戦うことも可能なのだ。
戦術理解と柔軟性いう点では、間違いなく世界最高レベルのクオリティを誇るインテルだけに、充分に実現可能な選択肢となり得るだろう。

が・・・そもそもミリートの復帰そのものが、今は極めて難しい状況にある。

今シーズンここまで怪我を頻発させている彼に、90分の出場を、それも相手CB(センターバック)2人から強烈なプレッシャーに曝される1トップに起用するのは酷に過ぎる。
出場の可能性があるとしても、後半20分過ぎからの限定的な起用に留まるだろう。

それだけに、逆にどうしても得点が欲しくなった時のオプションとしては、可能性が0な布陣ではない。
ミリートの回復状況次第で、大きく影響を受けるシステムと言うことができる。


4-3-2-1は、バイエルンとの前回の対戦において、インテルのホームであるジュゼッペ・メアッツァでも使用されたシステムだ。

このシステムが、今回の試合でも採用される可能性はそれなりに高い。
こちらでも書いた通り、少なくともスペースの消去やマーキングでは大きな破綻は見られず、一定以上機能していた布陣であるし、その点で熟練もある程度進んでいる。
前回以上に機能する可能性もないではない。

とは言え、先手先手を取って、とにかくまず得点を狙う戦いになるこの一戦。
今インテルが置かれている状況下で、選手配置の構造上、守備を意識するとどうにもカウンターが遅れてしまう(1stレグ後のコラム参照)このシステムを採用するには、相当な覚悟がいる。
複数のケースに対応できる、よほど綿密な準備がなされていない限り、再び攻撃が手詰まりに陥る可能性はかなり高い。

最大の問題は、以前にも申し上げた通り、元々このシステムに適した選手がインテルに揃っていないところにある。

4-2-3-1同様、1トップを務められるCF2人の起用が不可能な現状、いくら選手個々のクオリティが高くとも、システムそのものの特性には抗えない。

仮にミリートが間に合ったとしても、そうでなくても彼は元々、打点の高さで勝負するポストワーカーではない。
ミリートを4-3-2-1ツリーの頂点に配置するには、最終ラインを高い位置に保って前線と後衛のタイトな距離感を維持することを前提とし、そこから手数をかけずに、奪ったボールを素早く前線のスペースへ運ぶ・・・そんな戦い方が望まれることになる。
エトーを頂点に配した場合は、ミリート以上にこの傾向が顕著になるだろう。

こうでもしなければ、効果的な得点機を作り出すのは難しくなるわけだが――相手はあのバイエルンだ。
インテンシティでプレミア・ドイツ勢に劣る、ヴァイタルエリアを広げたオープンスタンスで戦うことに慣れていないインテルが、かように振舞おうとするのは自殺行為に等しい
急場しのぎの応急処置で勝ち切れるほど、昨シーズンのドイツ2冠&CLのファイナリストは甘い相手ではあるまい。

あるいは、バイエルンを出し抜けるだけの秘策でもあれば、その限りではないが――


最後に4-3-1-2だが、これは現状で最も無難な選択肢と言える。

レオナルドが監督就任後、最も頻繁に使用されてきたこと然り。
バイエルンの問題個所のひとつである2CBと、こちらの前線が対峙する際、頭数を確保しやすい点然りである。

とは言え現在のインテルは、このシステムにすら一筋縄ではいかない問題を抱えている。

まず、FWの数が絶望的に足りない。

ミリートの回復状況が決して万全ではなく、パッツィーニを参加登録できない今、スタメンで起用可能なFWは実質的にエトーとパンデフだけだ。

前回も少し触れたことだが、この2人のコンビネーションが見事にうまくいかない。
人間的に特別仲が悪い、問題があるわけではないのだが、単純にお互いの特性の噛み合わせが悪いのである。

言うまでもなく今回の試合は、もう後がない、一発必中90分の戦いになる。
1stレグのように、リスク覚悟でパンデフを起用できる状況にはない。
このシチュエーションで彼をスタメン起用することは、文字通り勝敗の命運を彼に委ねる、一蓮托生の覚悟が必要な判断となる。

果たしてそのリスクを冒せるほど、レオナルドはパンデフに信を置いているだろうか。
ここまでの起用法を見る限り、この点おおいに疑問符を付けざるを得ない。

となると、残された選択肢は本職ではないスナイデルをFWとして配置することになるわけだが・・・
この際スナイデルに代わってトレクァルティスタ、トップ下を務めることになるのは、本来は攻撃的MFのデヤン・スタンコビッチになる。

インクルソーレ(イタリア語で攻撃的MFのことを指す)としては掛け値なしの能力を持つ彼も、トップ下に配置されるといかにも窮屈そうで、本来のパフォーマンスを発揮することが難しくなる。
ボールを持って前を向いた際、スペース及び複数のパスコースが存在する攻撃的MFと、ボールを受け取ってから独力でシュートコースをこじ開ける、またはFWの抜け出しにラストパスを供給するのが主なタスクとなるトップ下とでは、要求される能力が違い過ぎるからだ。

エトーの得点能力に賭け、その他の不安を振り切ってパンデフを起用するか?
崩しのクオリティが落ちることを覚悟の上で、スナイデルとスタンコビッチを1列ずつ高いポジションに押し上げて起用するか?

悩みは尽きないというわけだ。


この他、バイエルン側のシステムとの相性の問題などについては、1stレグ時に掲載したコラムをご参照していただきたい。

何をどうやったところで、何らかのリスクが発生することは避けられない。
後はレオナルドが、メリットとデメリットを天秤に賭け、最も勝算が高いと判断した布陣が採用されることになる。

つづく


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【2011/03/15 22:27】 | インテルなこと
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