インテルやカルチョに関する話題多め
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※ 前回 に続く

(4)突破口

さて、ここからは筆者の完全な私見、具体的裏打ちのまったくない空想世界の話にしばし付き合っていただくことになる。


双方のチーム事情を、至極断片的にではあるが確認した。
その上で、ここまで述べてきた数々の要素以外の部分――実際にはそちらの方が、膨大なデータ量になるわけだが――


戦術的観点から見た場合、インテル側が今最も重視すべきことは何か?

言うまでもない。
それは得点だ。

この試合、点を取れなければ負ける。
失点のリスクを負ってでもゴールネットを揺らさなければ、先日ホワイトハートレーンで無残にも散った、ACミランと同じ轍を踏むことになる。

そんなインテルが、得点すること以上に気をつけなくてはならない点とは何かを考えていただきたい。
バイエルンが誇る両翼の織りなす、破壊的なサイドアタックを封じることだろうか?

・・・なるほど、前回の対戦に関して言えば、Yesと答えられただろう。
だが、今回はすんなりと赤丸をつけられる回答ではないと言える。


筆者が思うに、この試合・・・最も注意すべきは、

長時間に渡って主導権を握られる

ことだ。

前述してきた通り、バイエルンはこの試合、自らリスクを冒して攻撃に人数を割いてくることは考え難い。
否、無論そうしてくれればこちらとしては願ったり叶ったりの展開になるのだが、現実的に自分から分け試合をAll or Nothingの勝ち負け勝負にしようとするほど、バイエルンは幼稚なチームではあるまい。

おそらくあちらは、自分たちがボールを保持している場合、サイドで人数とスペースが限定された状況を作り出し、そこから個人技の仕掛けによる局地戦を挑んでこようとするはずだ。

複数人が攻撃のために連動して動くよりも、片方が攻撃に専念し、うまくいけば大チャンスに。
失敗しても、すぐ背後の味方がすかさずプレッシングをかけ、インテルの攻撃を遅らせている間に残った味方が守備の陣形を整えなおす・・・
という攻め方が、最もローリスク、ハイリターンな攻撃法となる。

勿論、1試合のうち何回かは、ある程度のリスクを割いて決定的な得点を奪いに来るシーンが見られるかもしれない。
しかしそれにしても、攻守が目まぐるしく切り替わるような状況は極めて発生し辛い試合と言える。

そして、時間が経つにつれて、おそらくバイエルンの攻撃方法は更に変化する。
つまりはポゼッションのためのポゼッションの時間を長く設け、本当に危険なゾーン以外ではあっさりとボールを放棄することも厭わず、試合を『殺しに』かかってくることだ。

それができずに後先省みず暴走してしまうほど、天下のバイエルン・ミュンヘンは幼稚な相手ではない。

そうなったら、その時こそインテルはいよいよゴールネットを揺らすことが難しくなる。


故にインテルはまず、ピッチ上で精神的優位に立たねばならない。

例えば相手がボールを保持している間も、

ここでボールを失ったら、またぞろカウンターを食らってひどい目に遭う・・・

であるとか、
あるいは先に述べた通りの攻め方をバイエルンがしてくるのであれば、リベリやロッベンの後始末を任された選手が

プレスかけようにも、ボール取られたらすぐに前に運ばれちまう!
もっと中央に寄ったポジショニングを取った方がいいんじゃないか?



・・・というように、

試合前に綿密に話し合ってきたタスクを、自分たちのフットボールを相手が信じきれない状況を作り出す

――この一戦、インテルにはそんな戦い方が要求されることになる。

言ってみれば監督の指示、戦術面の準備が及ばない、

選手個人の判断力、連動制が勝敗を分ける

、そんな状況を作り出すことだ。


そうなれば、インテルは絶対にバイエルンに負けない。

贔屓の引き倒しでも、過大評価でもない。
到って客観的な評価として、選手一人ひとりの“いざ”という時の状況判断、その場その場の状況修正力は、バイエルンよりもインテルの方が――ならびに、カルチョの方がブンデスよりも上だ

高度な戦術理解力と状況判断力、状況の理解力・・・
フィジカルで劣り、インテンシティで後れを取りがち、ファンタジーアという点で他リーグに大きく水をあけられている。
それが現在、イタリアフットボールを取り巻く世界の現実だ。


だからこそ、である。

自分たちの最大の武器、最も鋭利な牙を相手の喉元に突き立てる術を、その方法を模索せずして勝利は得られない。


先人の例を見れば明らかだ。
なればこそ・・・ジョゼ・モウリーニョは、1年間かけてイタリアフットボールを、インテルというクラブを理解し、
その後の1年間で同カルチャーが最も効果的にその武器を発揮できるよう、チームを組織していったのだから。

前置きが長くなったが、現在インテルが起用可能な人員、施工が可能なシステムのうち、

最もバイエルンの守備に問題を生じさせ得る

システムは何か?

どれがよい、あれがよくないではない。
大前提としてあるのは、

監督とコーチ、選手ら全員がその方策なら勝ち目があると信じ、その遂行に集中できる

、そういった準備をして試合に臨むということである。

例えばこうだ。

ロッベン、リベリの両翼を完全に抑え込むことは、現実的に言って不可能だろう。
だが、一定以上阻害することはできる。
同時に、

特定の方向へ誘導してやること

もできる。
相手にこちらが意図した形で攻撃の形を『作らせる』よう、自ら働きかけるというわけだ。

具体的に言えば、ロッベンのいる右サイドからの攻撃を極力停滞させ、リベリのいる左サイドからの攻撃に“ある程度目をつむる”ことになる。
リベリの突破を一定のラインまでリスクを承知で許容することにより、

<バイエルンの陣形が、アンバランスな左肩上がり>

になる状況を誘発させるわけである。


之を弱めんと欲すれば、必ずしばらく之を強くす

とは老子の教え、兵法の基礎であるが、現代フットボールにおいてもこの教えは十分な説得力を持つ。

想像してみてほしい。
この状況下では当然、バイエルンはピッチの左半面、ボールに近い位置に複数人の選手を送り込むことになる。

裏を返せればこれは、インテルがボールを奪取した際、インテルから見て右サイドに十分なスペースが確保できているということになる。
ピッチに存在できる自軍の選手は11人まで、当たり前の理屈と言える。

言わずと知れている通り、インテルの右サイドバックには世界最高の『ラテラル』、マイコンがいる。
彼の驚異的な突破力と、特に年明け以降尻あがりに精度を高めているクロスボールという武器を生かすのに、これは非常に都合のよい状況と言うことができる。

無論、リベリの突破をどこまで許すのか、いかに数的優位な局地戦を作り出すのか?
マイコンが攻撃参加する際のサポート法は?ボール奪取の理想位置やスペースの有無の確認方法は?

・・・などといった問題は常に存在するわけだが、少なくともこちらが得点機を作り出せる可能性を見出すことはできるだろう。



誠に遺憾ながら、今回は時間や電力の都合により、ここまでで執筆を断念せざるを得ない。
そのことを、非常に申し訳なく思う。
本来お届けする予定であった内容の、半分の量も今回は届けることができなかった。
この点、筆者としては誠心誠意陳謝する他ない。

最後に付け加えることがあるとすれば・・・

例えば今、自分の目を閉じて考えれば・・・
4-2-3-1なら3つか4つ、4-3-2-1でも2つ以上、バイエルンのシステムに問題を生じさせ得るアプローチを考えることはできる。
無論、すべては机上の空論であり、実際に指揮を執るレオナルドの立場では施工が不可能なものも多々出てくるだろう。

それでも、レオもまたそうしたいくつもの、何十通りもの展開や要素を複合的に考え、最適解を模索してきたことだけは疑いようがない。
後はそれを、筆者としては黙って見守るだけということだ。

そんな中、本連載の中でも『大前提』と称した、あるいは『道理』と言ってのけたテーマに関しては、確固たる自信を持ってそれが必要だ、と断言することができる類のものだ。
普段はそうした部分など、まったく気にされずに観戦されているという方も、何かの拍子に思う所でもあれば、ひとつ見定めていただくきっかけにでもなれば、これに勝る喜びはない。

運命の一戦を、両チームのファンでなくとも、多くの方と心ゆくまで味わいたいものである。

<了>

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【2011/03/15 23:04】 | インテルなこと
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なるほど。
岩氏(いわし)
大変勉強になりました!
試合は横目でしか見てないので戦術的なアレは見れませんでしたが、このコラムは試合後でも前でも参考になりますね。

結果的には気持ち的な部分、レオさんが短期間で培った信頼性と、選手達の底力で勝ち獲ったといった感じでしょうかね?

いつか白面さん目線でのフォーメーション(システム考察)を聞いてみたいものです^^

Re: なるほど。
白面
なかなかお返事できずに申し訳ありませんでした;

おかげ様でなんとか勝利です(笑)

個人的には、戦術的にも何点か気になる部分もありましたが、やっぱり目についたのはインテルの躍動以上にバイエルンのおかしさかな・・・と。
こんな状況下でなければ、すぐにでも検証に取り掛かりたいテーマなんですけどね。
惜しいですw

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コメント
この記事へのコメント
なるほど。
大変勉強になりました!
試合は横目でしか見てないので戦術的なアレは見れませんでしたが、このコラムは試合後でも前でも参考になりますね。

結果的には気持ち的な部分、レオさんが短期間で培った信頼性と、選手達の底力で勝ち獲ったといった感じでしょうかね?

いつか白面さん目線でのフォーメーション(システム考察)を聞いてみたいものです^^
2011/03/16(Wed) 14:13 | URL  | 岩氏(いわし) #-[ 編集]
Re: なるほど。
なかなかお返事できずに申し訳ありませんでした;

おかげ様でなんとか勝利です(笑)

個人的には、戦術的にも何点か気になる部分もありましたが、やっぱり目についたのはインテルの躍動以上にバイエルンのおかしさかな・・・と。
こんな状況下でなければ、すぐにでも検証に取り掛かりたいテーマなんですけどね。
惜しいですw
2011/03/16(Wed) 19:55 | URL  | 白面 #-[ 編集]
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