インテルやカルチョに関する話題多め
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インテル 2-0 キエーヴォ

間一髪、土俵際で踏みとどまった・・・とでも言うべきだろうか。

ギリギリのところで、インテル・ミラノの今シーズンは、未来は繋がった。
考えられる最悪の事態を、なんとか回避できそうな展望がひらけた、という感じだ。


指揮官、レオナルドはよい仕事をした。

ここ数試合、その展開力・攻撃力に期待しこだわっていたチアゴ・モッタのアンカー起用を止め、同じく疲労の影響が色濃く見られていたスナイデルをスタメンから外す、大胆な起用策に出る。

替わってトレクァルティスタ(トップ下)に入ったのは、今冬ジェノアから加入したカルジャ。
スナイデルのような創造性、攻撃力はないものの、自らボールに絡む意識が高く、攻守の切り替え速度に高い意識を持つ同選手は、特に守備面で大きく貢献していたように見える。

また、アンカーには替わってカンビアッソが入り、インサイドハーフには右にサネッティ、左にスタンコビッチを配置。
昨シーズンまで使い慣れていた布陣に立ち返ったことで、チームは目に見えて落ち着きを取り戻していた。

更に、キヴに替わって左SBのスタメンで起用された、日本人注目の長友は、他に多くのサイトが取り上げてくれている通り、素晴らしいパフォーマンスを披露。
他方、攻撃参加時の連携、ポジショニングのまずさなど、

安心して長友にボールを供給できない

要素はまだ見える。
長友本人は出色の出来だったが、チーム内での連動性、歯車のひとつとしてどれだけ機能するか――
という点では、まだまだこれからだ。

とは言えそもそも、チーム加入後、2ヶ月しか経っていないことを考えれば、この短期間でこれだけ溶けこんで見せている、適応しているというだけでも素晴らしいものがある。

特にそのスピードと運動性、加えて闘争精神は、マッシモ・モラッティ会長にもおおいに気に入られたと複数のメディアが報じている。

日本向けに、情報を抜粋・拡大解釈して報道している可能性も勿論あるが、そこまで穿って見る必要性を感じ無いほど、この日の長友はパッションとクオリティに溢れていた。
現地のインテリスタの間でも、おおいに評価が高まったことだけは疑いようがない(キヴへの失望感と相まって、である・・・)。




●『クチュ型』4-3-1-2への回帰は、近年インテルの原点か

思い出されるのは、モウリーニョ就任初年――
それまで4-3-3布陣を中心としたサイド攻撃(及びクァレスマ、マンシーニらの起用)にこだわり続けていたモウリーニョが、突如その方針を翻して4-3-1-2にシステムを変更。
以後、カンピオナートでの戦いを磐石のものとした、2008-2009年のことである。

この時はトレクァルティスタに適任者がいないながら、前線の大黒柱イブラヒモビッチの能力をフルに活用しようとしてのシステム変更だった。
今回とはまた、おおいに事情は異なるわけだが・・・

それでも、近年のインテルが最も安定した戦いを披露できるのは、カンビアッソが中盤、アンカーorボランチで本来の役割を任されている時だ。



自分はレオナルドのモッタ起用に、他のインテリスタほど強烈な拒否反応を起こしていたわけではない。

正直なところ、充分に機能しているとは言い難かった。
一方で、レオナルドの意図、狙いもある程度は伝わってきていたからだ。


とは言え、チームには理想を追求してよい時期と、それが許されない時期とがある。

レオナルドはシーズン途中に就任した監督だ。
しかも、前任者の不振を受けて、

この状況を打開してくれ

という要請を受けて指揮を執ることになった身だ。


すべての指揮官は、自分なりの何らかの理想像、理想のチーム像を持っている。
理想を持たないリーダーなど、指揮官ではない。
自分はインテルに限らず、すべての監督の理想を『』とする。
夢を見ることを禁じることはできない。

一方で、理想の実現が極めて困難であり、その理想そのものが少しずつ変化していくのが、この世界の道理であることもまた事実だ。

状況を見、その時その時で現実路線に徹すべき時がある。

自分の色をチームに浸透させられる時間が、ほとんど皆無に等しい状況で指揮を引き受けたレオに取れる“現実的な選択肢”とは、

チームが従来使い慣れた、慣れ親しんだシステム

で戦うことのサポートに他ならない。

ここで言うサポートとは、チームが前任者やその前の監督の元でも熟成させてきたシステムに、相手のスカウティング、対策を潜り抜けられるためのヒント、アイデア、エッセンスを加え、最も効果的な形でピッチに送り出すための施策を取ることだ。



指揮官は、勇気を持って決断を下した。

ギリギリまでモッタのアンカー起用、攻撃に特化したスタイルを追求しておきながら、ドラスティックにシステム変更の舵を切る。

タイミングが2試合遅れてしまったことのツケは高く付いたが、少なくともひとつの物事に固執し、視野狭窄に陥ってしまう類の過ちは犯さなかった。
この

変化を決断するのに必要な犠牲、時間の差

が、歴戦の古強者どもと、経験の浅い彼との大きな違いなのだが・・・

今回まさに、彼が大きな経験を手に入れたことは間違いない。
しかも周囲に圧されてではなく、自らの頭で――である。

それだけでも、レオにはまだまだ伸びしろを、成長の可能性を感じることができる。


戦いは終わってはいない。

これから先は無心に、目の前の試合すべてにベストを尽くして、その先に何があるのかを見てみる――
そんな戦いへと、インテルのシーズンは変容を遂げたと理解している。


※影のMVP(PERSON)はピッチの外に

この試合、確かに指揮官も選手も、大きな覚悟とクオリティを持って臨んだ。
他方、彼らが独力でこの結果を掴んだわけではない。

特に遠く離れたこの異国、日本の地では、あまり大きく語られることはないが――

自分は影のMVPは、この日もジュゼッペ・メアッツァのスタンドで観戦していた、マッシモ・モラッティ会長その人と考えている。



彼は近年のフットボール界、特にインテルのようなメガクラブのオーナーとしては、稀有と言ってよいほど

チームへの純粋な愛情

に溢れた人物だ。

贔屓の引き倒しで言っているわけではない。
むしろ逆で、インテルを応援する以前、

こんないい加減な補強に膨大な予算をつぎ込んで・・・馬鹿じゃないのか、この人は

と感じていたほどである。
率直に言って、小馬鹿にしていたと言ってもいい。


だが、ここ数年は明らかにそうしたかつての負の遺産を財産と替え、理に叶った補強とマネジメントを披露。

インテルのフロント全般の動きと考えれば、何も彼一人の功績ではないが・・・
モウリーニョ招聘と、以後のサポート、加えて今冬の選手補強などに関しても、軒並み賞賛に値する動きを見せている。


今回も指揮官・選手たちが動揺し、周辺メディアがここぞとばかりにチームを攻撃(特にインテルと敵対関係にあるローマ、ユヴェントスのお膝元である、ローマのコリエレ・デッロ、トリノのトゥットらは、わかりやすくインテルの動揺を誘うべく、あることないこと書き立てたものだったが・・・)に出た動きを敏感に察知し、シャルケ戦後にはレオナルドと即座に話し合いの場を持ったと言う。

モラッティ:「レオナルドはどうすべきか分かっている」

個人的に驚かされたのは、

守備にはチーム全体が参加している。
それが少し少なかったように思うが、意欲がなかったのではなく、むしろパワーがなかったんだよ


という一節だ。
これは筆者の考え方に、驚くほど似通っている。

シャルケ戦の後半のパフォーマンスには、多くのファンが

「やる気を見せろ!」

とおおいに憤慨したと思うが、これは何も本人たちも、やる気をなくして諦めてプレーしているというのではない。

戦おうとする気があっても、体が前に出ないのだ。
動揺が、心の痛みが大きすぎて、混乱状態に陥ってしまった際によく見られる光景なのである。

無論、本当にやる気をなくして怠慢なプレーに陥るケースもあるが・・・
この日のインテルは、少なくとも自分に言わせればそうではなかった。


一般人にもあるはずだ。

仕事で、プライベートで、あまりにもショッキングな出来事があり、その後の作業がまるで手につかないことが。

本当はすぐにでもリスタートし、状況が悪いなりに最善を尽くさなければならない状況で、信じられないようなミスを連発――
上司や先生らから、

お前は何をやってるんだ!!やる気があるのか!?

などと怒鳴られ、忸怩たる思いを、苦しい気持ちを抱えた人もいるのではないだろうか・・・?


少数派であることを承知で言えば、あの試合、自分はインテルの選手たちに

「試合中にやる気を出せ」

とは言わない。

「ショックなのはわかるが、目の前の現実に必死で取り組まなければ、より大きな悲劇が待っている。
足を止めるべきではない」

という言い方をすることだろう。

自分たちが十全にできていないことを、自分たちも犯してしまう過ちを、

プロのフットボーラーなんだから、どんな時でも足が折れても走りまわるのが当然だろう!?

という形で、彼らにだけ強要するのは理不尽だ。
没義道と言ってもいい。

プロだからと言って要求してよいこと、するのに無理があることは分けるべきと考える。
無論、怒鳴ることが必要な時もあるが・・・今回のそれは、そうした事態とは違ったように感じられた。
(あくまで独断と偏見なことは言うまでもないが)

彼らとてプロフットボーラーである以前に、皆一人の人間なのである。
叱咤激励するにしても、感情的に怒鳴りつけるのが効果的とは思えないのだ・・・



閑話休題。

このように――
モラッティ会長は、フットボールの世界では、こうした悲劇があることをよく知っている。

本来、最も感情的になっていい立場にあるはずの人である。

大金を、日本円にして100億円規模の私財を毎年のように投じ、ここまでインテルを引き上げてきた彼だけに――
ここ2試合の敗戦は、おそらく内心、気が気でなかったに違いない。



だが、彼は感情的に怒鳴ることをよしとしなかった。

彼が選んだのは指揮官を冷静に諭し、鼓舞し、叱咤してチームをサポートする道だった。
やろうと思っても、おいそれと簡単に可能なことではないはずだ。

決して傲慢になることなく、謙虚に現実を受け入れさせ、今必要な戦いがどういったものかを説いたのではないか・・・?
おそらく、当たらずとも遠からず、といったところだろう。

無論、話し合いの中身がすべてオープンな形で世に出てこない以上、確証はない。
筆者と同じ考え方、道理でもって、モラッティがレオナルドに接した保証もどこにもない。

あるのはただ、
二人の間で話し合いがあった
という一事だけだ。


だが、その後のインテルを巡る展開、数々の事実が、マッシモ・モラッティという人物のスタンス、フットボールへの哲学をひとつ、明確に示しているとは考え過ぎだろうか・・・?

少なくともモラッティ会長の信頼と誠意ある振る舞いが、間違いなくチームに好影響をもたらしたこと。

レオナルドの仕事を大きくサポートしたこと――この点だけは疑いようがない。


自分自身がかつて、メルカートでもマネジメントでも失敗を繰り返し続けたからこそ、その経験をこうした形で還元できているのだとすれば・・・

この勝利の影の功労者に、人知れず拍手と感謝の気持ちを送りたい、と切に思う。

<了>

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【2011/04/11 00:00】 | インテルなこと
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インテル
エリトナン
インテルが勝利してよかったです。

最近のインテルを見ていて、
どうしてだ~!なんでこうなるのだ~!
インテルなのに~!!
素人目線ながらも、心配しておりました!

長友の大活躍もあり、勝利してほっとしました。

モラッティ会長は、
一度みたら、忘れられない顔してます!
監督や選手の顔は、忘れていたのに会長は覚えてました!

レアルvsビルバオ戦のときは、
お気遣いありがとうございました。
嬉しかったです(^^)

温存&お疲れモードであったのさ!!と
次に期待したいです。

しかし、カカーはすごいです!

No title
神聖騎士
モラッティ会長はそこら辺の金持ってるだけのオーナーではなくとてもいい人で賢い人だと改めて感じましたね。この夏の改造修正が楽しみです。夏はきっとこのチームを中心に回ることになりそうです。

コメントどーもです!
白面
>エリトナンさん

>顔

ですよねw
しわくちゃでげっそり、でも目は優しい。
味のある老紳士です(笑)

カカーの復帰は自分にとっても嬉しかったなぁ・・・

黎明期に一度取り上げてるんですが、元ミランの選手ながら大好きなんですよw
性格、プレースタイル・・・それに年齢が近いってか同じなこともあって(笑)

今後ダイレクト思考の加速度重視の布陣ではカカー、
相手が引き気味でくずしにリズムが欲しい時にはエジル、
どちらかへのプレッシャーがきついチーム相手には併用・・・
と色々変えてくると踏んでいます。

>神聖騎士さん

インテリスタなので、今回の記事は贔屓目も入ってることは自覚しております(苦笑)

ただ、それでもなかなか

「うちのオーナーはいい!!」

・・・って断言できるサポって少ないじゃないですか?
「悪い」
「どうでもいい」
がほとんどかとw

でも、インテリスタはかなりの割合で

「モラッティ会長?好きだよ!」

と答えると思います。

それは近年のフットボール界にあっては、とても希少で、かつ幸せなことだと思うのです。

No title
junchang
マッシモ・モラッティはディレクターにマルコ・ブランカを迎えた辺りから路線が変わり、黄金期を築く為の準備が出来たといって良いでしょう!かつては私も小ばかにしていた頃がありましたが、情熱のあつさ加減ではナンバーワンですね!私も現在のサッカー界には必要な人材だと思っています。
しかしレオナルド監督が解任されモウリーニョ氏が復帰するなんて噂があるようですが・・・・^^

Re: No title
白面
モウリーニョの復帰はあり得ませんねw

仮にインテルが望んだとしても、モウの方が今このタイミングで帰ってくることはないと思いますよ。
カルチョは一度挑戦して、制覇し尽くしたリーグですから・・・

今後恥ずかしい試合をしない&来季のCL出場権獲得さえできれば、今季無冠でもおそらくレオナルドを続投させるでしょう。
というより、そうしないとレオナルドを招聘した筋が通らないw

元々常勝指揮官ではなく、経験の浅い若手です。

レオを招聘した時点で、クラブと指揮官が一体になって共に育っていこう、新しいサイクルを産み出していこう・・・
そういうビジョンでもって呼んでいる、と解釈しておりますのでw

まあ、すべてはこれからの(多くて)8試合前後で、あれこれややこしく変わるとは思いますけどね・・・

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この記事へのコメント
インテル
インテルが勝利してよかったです。

最近のインテルを見ていて、
どうしてだ~!なんでこうなるのだ~!
インテルなのに~!!
素人目線ながらも、心配しておりました!

長友の大活躍もあり、勝利してほっとしました。

モラッティ会長は、
一度みたら、忘れられない顔してます!
監督や選手の顔は、忘れていたのに会長は覚えてました!

レアルvsビルバオ戦のときは、
お気遣いありがとうございました。
嬉しかったです(^^)

温存&お疲れモードであったのさ!!と
次に期待したいです。

しかし、カカーはすごいです!
2011/04/11(Mon) 17:10 | URL  | エリトナン #-[ 編集]
No title
モラッティ会長はそこら辺の金持ってるだけのオーナーではなくとてもいい人で賢い人だと改めて感じましたね。この夏の改造修正が楽しみです。夏はきっとこのチームを中心に回ることになりそうです。
2011/04/11(Mon) 22:08 | URL  | 神聖騎士 #-[ 編集]
コメントどーもです!
>エリトナンさん

>顔

ですよねw
しわくちゃでげっそり、でも目は優しい。
味のある老紳士です(笑)

カカーの復帰は自分にとっても嬉しかったなぁ・・・

黎明期に一度取り上げてるんですが、元ミランの選手ながら大好きなんですよw
性格、プレースタイル・・・それに年齢が近いってか同じなこともあって(笑)

今後ダイレクト思考の加速度重視の布陣ではカカー、
相手が引き気味でくずしにリズムが欲しい時にはエジル、
どちらかへのプレッシャーがきついチーム相手には併用・・・
と色々変えてくると踏んでいます。

>神聖騎士さん

インテリスタなので、今回の記事は贔屓目も入ってることは自覚しております(苦笑)

ただ、それでもなかなか

「うちのオーナーはいい!!」

・・・って断言できるサポって少ないじゃないですか?
「悪い」
「どうでもいい」
がほとんどかとw

でも、インテリスタはかなりの割合で

「モラッティ会長?好きだよ!」

と答えると思います。

それは近年のフットボール界にあっては、とても希少で、かつ幸せなことだと思うのです。
2011/04/12(Tue) 22:54 | URL  | 白面 #kMr7ovrQ[ 編集]
No title
マッシモ・モラッティはディレクターにマルコ・ブランカを迎えた辺りから路線が変わり、黄金期を築く為の準備が出来たといって良いでしょう!かつては私も小ばかにしていた頃がありましたが、情熱のあつさ加減ではナンバーワンですね!私も現在のサッカー界には必要な人材だと思っています。
しかしレオナルド監督が解任されモウリーニョ氏が復帰するなんて噂があるようですが・・・・^^
2011/04/12(Tue) 22:56 | URL  | junchang #-[ 編集]
Re: No title
モウリーニョの復帰はあり得ませんねw

仮にインテルが望んだとしても、モウの方が今このタイミングで帰ってくることはないと思いますよ。
カルチョは一度挑戦して、制覇し尽くしたリーグですから・・・

今後恥ずかしい試合をしない&来季のCL出場権獲得さえできれば、今季無冠でもおそらくレオナルドを続投させるでしょう。
というより、そうしないとレオナルドを招聘した筋が通らないw

元々常勝指揮官ではなく、経験の浅い若手です。

レオを招聘した時点で、クラブと指揮官が一体になって共に育っていこう、新しいサイクルを産み出していこう・・・
そういうビジョンでもって呼んでいる、と解釈しておりますのでw

まあ、すべてはこれからの(多くて)8試合前後で、あれこれややこしく変わるとは思いますけどね・・・
2011/04/13(Wed) 22:06 | URL  | 白面 #-[ 編集]
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