インテルやカルチョに関する話題多め
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2011川崎F総括「その1 選手編(前)」よりつづく

大島と田中雄大。
個人的にこの二人の選手に対しては、特別な思い入れを抱いている。練習後に声をかけたことも、一度や二度ではない。

(大島に対して)
チェルシーのエッシェンのように、上背に恵まれなくても、強靭な体躯と高いフットボールIQでもって、チームのバランスが取れる選手になってほしい。怪我だけはしないように気をつけて、早く出番を勝ち取ってほしい

(田中雄大に対して)
そのプレースキックは、絶対にチームの武器になれる。毎日の練習の成果が出ること、努力が報われる日を楽しみにしている。いずれ長友たちとも争えるぐらい、もっともっと上を狙ってほしい

など、いささか趣味的ではあるが、筆者なりの励ましの言葉を贈らせてもらってきたりしたのだ。
その度照れくさそうに、

いやあ、まだまだです
ありがとうございます。がんばります!

と答えてくれる姿が、なんとも微笑ましく、同時に愛おしく感じたものである。

間違いなく川崎の未来は、彼らと共にある。
そんな期待を込めて、じっくりその歩みを見守っていこうと心に決めたものだった。


それだけに今年、本当の意味で躍動しきれたとは言えない彼らの現状が、なんとも悔しく思うのである。
一年目だから、という言葉で片付けてよい問題ではない。
姿勢と、活動理念の問題なのだ。


その最たる例は、田中とのやり取りだ。

夏場、チームが泥沼の8連敗を続けていた最中、練習後に田中と声を交わす機会に恵まれた時のこと。
開口一番、自分はこう言った。

この間の試合、なんでボールの近くまで行っておきながら、憲剛にキッカーを譲ったんだ? あの位置は、一番得意な角度のはずじゃないか? 
その前の田坂にキックを譲った場面も同じだ。(田坂は)調子を落としてるんだから、(田中の左足を見ながら)そっちの方が得点の可能性はずっと感じさせてくれる状況だったよ?

自信を持ってキッカーを名乗り出るべきでは?


夏までは仕事の都合上、比較的容易に麻生グラウンドでの練習が見られる立場にあった自分である。当然注目選手の一人である、田中の好むプレースキックの位置、角度はある程度把握している。

カミソリにも似た、鋭利なスライダーのようなボールと、それより直線的でスピードのある、切れ味溢れるプレースキック。
どちらのキックも、破壊力は折り紙つき。
田中の最大の武器のひとつである。

田中は言い難そうに、こう答えた。

いやぁ……なかなか難しいです

――さもありなん。その気持ちはわかる。

チームの大黒柱である中村憲剛や、先輩である田坂に代わってキックを蹴らせろというのは、チーム事情からようやくベンチに入れるかどうかというギリギリの状況にあった彼にとって、極めて難易度の高い行動であったことだろう。
その日は結局、「今度は蹴ってくれることを期待している」という激励の言葉をもう一度繰り返して、グラウンドを後にした。

だが、その次の試合でも、そのまた次の試合でも、田中にキックのチャンスは与えられなかった。

特に田坂が欠場した試合、結局すべてのキックを憲剛が蹴り、どれも得点に結びつくことなかったという状況で、自分のフラストレーションは限界に達したものである。

次に麻生グラウンドで田中に会った際は、はっきりこう伝えたものだった。

あなたが蹴れ。あなたが決めろ!

田中もこの時は、期するものがあったのかもしれない。

はい。次は蹴ります!

と、まっすぐにこちらの目を見ながら、力強く答えてくれた。
少なくとも、臆せず蹴らせてくれ、と言ってみることを約束してくれたのだ。





――しかし、である。
結局田中の左足が、日本のフットボールファンを、彼のキックを知らない川崎サポーターたちを驚かせる機会は訪れなかった。

アウェーの甲府戦のように、惜しいボールを蹴ってくれた場面はあった。
だが、それが結果に結びつかない限り、例えそれがゴールを割ったとしても、人々の記憶には残ってくれないのがフットボールである。

こと切れ味に関して言えば、チーム内でも指折りの殺傷力と太鼓判を押せるほどのものを持っているにも関わらず……
総合力で大きく勝る小宮山が復帰すると同時に、彼の出場機会そのものが失われてしまったのだ。

本人は、当然悔しく感じたことだろう。感じなければ、それはプロではない。
しかし、彼だけではない。
ここにも一人、歯ぎしりするほど、悔しがっている人間はいるのである。

新たに台頭してきた若手の活躍は、チームの低迷期ともなれば、何にも勝る良薬のひとつとなる。
その時期に、後一歩の勇気と覚悟を持って踏み出せなかったが故に、彼にとって大きなチャンスが失われてしまったこと。

これをチームの損失と言わずして何と言う……?


その意味で、川崎の選手たちはよく言えば協調性が高く、悪く言えば「好機」時に淡白過ぎる
相手に対しても、味方に対してもである。
あまりにも皆が皆、エゴがなさ過ぎると言えばいいだろうか?

協力と慣れ合いは違う。
特に若手は、限られたチャンスを最大限に活用するために、考えられるすべての取り組みを行わなければ、この世界で生き残ることも、のし上がることもできないことを知っておいてほしい。

そこには、ベテランも名声もなければ、序列などはあり得ないものだ。
純粋に実力勝負の舞台で、

自分がチーム内のライバルよりも、優れた選手であることを証明してやる

と考えずして、何がプロか。
甘すぎる。

おそらく今季、レギュラー組が今一つピリッとしなかったのも、こうした若手の突き上げ、言い換えれば

ぼやぼやしていたら、ポジションを食われかねない

という危機感が希薄なことが、一因としてあげられるだろう。

これは次回のテーマではあるが、指揮官の焚き付け、モチベーティングが十分でないせいでもあるのだろう。
しかしそれにしても、本人たちの資質、より貪欲な自分であろうとする姿勢の欠如が影響しているためでもあるというのが、筆者の正直な感想である。


若手は忘れないでほしい。

フロントが良かれ悪かれ、

若手育成を主軸に

というクラブ方針を明言した以上、川崎の未来を輝かせるも暗転させるも、あなたたちの活躍次第であるということを。

セルフィッシュなプレーと、野望を持って自身の価値を証明しようとすることは、まったく異なるものだ。

各々、方法は違ってよい。
だが、自分が優れたフットボーラーであることの証明をし続ける努力と売り込みだけは、現役フットボーラーとしてピッチに立ち続ける以上は、怠ってはならない取り組みなのだ。

指揮官編へつづく


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【2011/12/11 22:22】 | 川崎フロンターレなこと
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大きな差
ぷまん
こんにちは

前編、後編を拝読して共感する部分が多いとともに、実行できなかったことが柏をはじめとするリーグ上位クラブとの「大きな差」だと感じました。

大島、田中雄、楠神、安藤、小林そして横山

私が次世代型を担うと目している選手です。

無論、私が見出せないだけでもっと大勢いるかも知れません、リーグ戦の中だけでしか感じることが出来ないものですから。

しかし彼らとて、明確に自分達のあるべき姿や求めるべき行動、そしてプロとしての姿勢というものは現状のスタメン陣と比較すると総合力で劣っているのでしょう。

川崎は「騎士団」ではなく「傭兵部隊」との表現が似合うので、もっとガツガツさせなければいけない。

稲本、小宮山たちがケガから復帰したら即スタメンじゃあ困るんです。

主さんの書かれている通り、競争力がなければゆっくりと腐ってゆきます、組織とはそういうものですから。

相馬さんも選手以上に剥けてもらわねばならない、辞めれば責任取れるじゃ戦犯です。

フロンターレに熱い競争を求めたいですね。

Re: 大きな差
白面
なかなかお返事できず、申し訳ございませんでした。

若手が伸びるかどうかは、多分に指揮官・コーチ陣の働きによるものなので、今のままでは
「若手育成」
のアドバルーンは四散して終わると思います。
来季の構成が固まるまでは何とも言えませんが、おそらく厳しいですね。

まあ……ひとまずは天皇杯の間はそちらに集中します。
ただしその後は――です。

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この記事へのコメント
大きな差
こんにちは

前編、後編を拝読して共感する部分が多いとともに、実行できなかったことが柏をはじめとするリーグ上位クラブとの「大きな差」だと感じました。

大島、田中雄、楠神、安藤、小林そして横山

私が次世代型を担うと目している選手です。

無論、私が見出せないだけでもっと大勢いるかも知れません、リーグ戦の中だけでしか感じることが出来ないものですから。

しかし彼らとて、明確に自分達のあるべき姿や求めるべき行動、そしてプロとしての姿勢というものは現状のスタメン陣と比較すると総合力で劣っているのでしょう。

川崎は「騎士団」ではなく「傭兵部隊」との表現が似合うので、もっとガツガツさせなければいけない。

稲本、小宮山たちがケガから復帰したら即スタメンじゃあ困るんです。

主さんの書かれている通り、競争力がなければゆっくりと腐ってゆきます、組織とはそういうものですから。

相馬さんも選手以上に剥けてもらわねばならない、辞めれば責任取れるじゃ戦犯です。

フロンターレに熱い競争を求めたいですね。
2011/12/12(Mon) 08:59 | URL  | ぷまん #-[ 編集]
Re: 大きな差
なかなかお返事できず、申し訳ございませんでした。

若手が伸びるかどうかは、多分に指揮官・コーチ陣の働きによるものなので、今のままでは
「若手育成」
のアドバルーンは四散して終わると思います。
来季の構成が固まるまでは何とも言えませんが、おそらく厳しいですね。

まあ……ひとまずは天皇杯の間はそちらに集中します。
ただしその後は――です。
2011/12/16(Fri) 23:08 | URL  | 白面 #-[ 編集]
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