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たまたま書きためておいた手記が、まさか2連敗の直後になるとは。
これもまたフットボールの妙……等と感じながら、最後の編集作業をこうして行なっている。

今回はシンプルだ。
テーマはタイトル通りである。
川崎フロンターレの現監督について、個人的な雑感をお伝えすることにしよう。



風間八宏は、川崎フロンターレのここ10年を振り返っても、飛び抜けて長短がハッキリしている指揮官と思う。

まず長所の中でも、際立つものを3つ。

確かな『風間モデル』を持っており、その実現に向けて日々の仕事を積み重ねられる。
その『風間モデル』は、客を呼べるショーを見せられるもの。
『風間モデル』の実行は、相性の良い選手のモチベーションを高く上げられるもの。

続いて短所。

(1)コンディション管理、スカウティングの情報収集・分析等、マネジメント面で際立つ粗。
(2)『風間モデル』絶対主義。柔軟な選手運用は望めない。
(3)全てにおいて即効性に欠ける。

順に解説していこう。

まず長所から。
こちらはわかりやすく、①~③全てに風間モデルという言葉が並んだ。つまりこれは、目指しているフットボールの質に魅力を感じる人間が多い、ということを意味している。

スタイルの具体化は、ピッチ内外に影響をもたらす。
いくつか例を挙げると、

1、選手がやっていて楽しいスタイルは、多少の不満があってもそれを乗り越えていきやすくなる=ストレスを溜めにくくなる。
2、スタイルが魅力的だと、客足(特にスタジアムに足を運ぶか否か、揺れている中間層)が伸びて応援の熱気も上がり、選手はやる気を出し、収入も増える。
3、指揮官が個々の選手に求めるクオリティ、方向性がハッキリしていると、スカウト部が新戦力を効率よく獲得しやすくなる。

……等など、様々な恩恵が受けられる訳である。

この中でも、特に重要なのは①だ。
どの指揮官にも、理想のスタイルというものはある。逆にこれが実現できる限りにおいては、無敵のチームが誕生するのだが(僕が考えた最強のチーム、空想上のベストチームが負ける事はない)、実際にはそうはいかない。理想と現実の狭間で、日々指揮官は揺れ動くことになる。

風間は高畑や相馬といった前任者達に比べ、自分のモデルを選手に伝え、その具現化に向けた練習を組む手腕に長けている。自分が日々何をし、何を選手に求めていけばそれが可能なのかを知っている。練習が勝敗以上に、スタイルの誕生という目に見える結果になって表れるのは大きな強みだ。
机上の空論ではなく、目標はあくまでその実現。そこに野望と執念、情熱を持って取り組めるという点において、彼は間違いなくプロフェッショナルだと思う。


翻って短所は、ある意味では納得のものが数多く並ぶ。

(1)は経験の浅さが大きく関係している部分だろう。資金力のあるチームでディレクターとして働くのではなく、あくまで現場で指揮官として日々の練習に力を入れるタイプでもあるだけに(だからこそ①のような長所が生まれる)、その他の部分が疎かになるのは半ば必然だ。
例えばジョゼ・モウリーニョやラファエル・ベニテスら、情報を力に変えられる指揮官は皆、長年ビッグクラブで指揮を執ってきた。彼らのような強者と、実質プロクラブ指揮1年と少々という、風間を比べるのは無理がある。そこは無い物ねだりとも言うべき部分なのだ。

ラファエル・ベニテス(現ナポリ)の練習風景

尤も、では今後もこれでいいのか、とはいかない。個人的な考えであることを承知で述べれば、ここは風間本人以上に、クラブのフロントが対応策を考え、風間に提案していくべきところと思う。建設的な話し合いのできる環境も作らず、
監督の意見・仕事を尊重して~~
等とのたまうフロントを、筆者は信用しない。出しゃばらず、しかし決して棚上げず。優れたフロントとは、より良い体制で現場を支える意思と手段に長けた集団でなければならないからだ。

続いて(2)。これはもう、毎試合スタジアムで、TVで観戦している皆様であれば、実感としておわかりいただける部分ではないかと思う。

選手交代の遅さ。
選手起用の不可解さ。
特定選手の重用。

全てこれ、根本的な原因は(2)である。パトリックのあのポテンシャル、武器を生かせないまま、とうとう甲府へ放出してしまったことなどは象徴的だ。
仮にチーム作りが、
自分の理想

選手の個性
という2つの要素、そのどちらに傾倒するかで成り立つのかを考えた場合、風間のグラフは相当に偏っている。



比率にして8:2、というところだろうか。この点、通常7:3~6:4程度のバランスでチーム作りを施工する指揮官が多い印象のJリーグにおいては、かなり際立ったセンスの持ち主と言える。

ここは、風間という指揮官を語る上で、大きな足かせになっている部分でもある。世界に目を向けて見ても、例えばマルセロ・ビエルサ、ズネデク・ゼーマン……「原理主義者」と称される監督は皆、多くの礼賛を受け取りながらも、一方で“現実に適応できなかった者”として烙印を押されることになるのだ。

左からマルセロ・ビエルサ、ズネデク・ゼーマン(共に現在フリー)

極めて強力な攻撃的理想を持ちながらも、イタリアの守備文化を自身の考えに積極的に取り込んで血肉としていったジョゼップ・グアルディオラ。あるいは型に嵌まらず、しかし決して揺れずに、W杯を掴み取ったビセンテ・デル・ボスケらの道程こそ、風間に倣って欲しいものではある。

(3)はそのままの意味だ。(1)、(2)にも関係することであるし、①~③の長所にも言えることだが、風間のやることなすことには時間がかかる。選手が『風間モデル』を理解することにも時間がかかるし、結果が出るにも時間がかかるし、チームが確立するにも時間はかかる。
客を呼べるスタイルを模索するということは、我慢をする、ということでもある。一朝一夕で魅力的なチームはできないと考えれば、致し方ないところでもあるのではないか。


筆者は率直に言って、決して風間スタイルが好きではない。守備をベースに、ダイレクトでスピーディーな攻撃を行うスタイルの方が好みだ。

だが、他のフロンターレサポーターの方と会う度伝えているのが、

今すぐ結果を欲して、風間以外の指揮官を据えて、大量の金を市場に注ぐのか。
数年後にどでかい結果を残してくれることに期待して、風間八宏にベットし続けるのか。

結果を欲するなら、今開けてる道は大きくこの2つなんだ」


と。
金か人か。そのどちらかを育てる他に、強くなる道はない。

転じてこれは、ようは風間がそれだけ面白い、ある意味不可思議な男である……ということだ。勿論、最終的には何も結果を残せず、解任の憂き目にあいかねない危うさも同居してはいるが。
結果を度外視して、純粋に「面白い」と感じさせられる指揮官は、なかなか稀有な存在であることは間違いない。

我々がすべきことは、風間八宏の功罪を正しく理解し、自分の要求に照らし合わせること。

支持を声援に乗せてもいい。
解任を声高に叫んでもいい。

その全てを受け止める責任が、監督には常に生じる。

個人的な意見を述べれば、後2年ほどは残留さえクリアできれば文句はない。
勝負の年は、その後でやってくる。

バルセロナはクライフの降臨以降、30年以上の月日をかけて、今のクラブを作り上げた。
その10分の1足らずを待つぐらいなら、何ほどのこともないと感じてしまうのは、流石に悠長に過ぎるだろうか。

<了>


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【2013/08/03 22:35】 | 川崎フロンターレなこと
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テル
はじめまして。
私も同様の感想を持っています。
監督としてどうなのかは、プロ監督としての経験の浅さが要所要所で見受けられます。
技術という部分では全員のレベルが上がったのは間違いないとは思いますが、逆にこのサッカーはドリブラー(山瀬、楠神など)にとっては窮屈さを覚えたのではないでしょうか。レナトは技術力・順応力でうまく対応していますが、彼の魅力が消されていることも事実でしょう。
自分のサッカーに対応できなければ例え可能性が高くても放出してしまうのでは、個性の強い選手が集まらなくなってしまうことを危惧しています。
自分のサッカーにはめ込むだけではなく、今いる選手をうまく使いこなすことも監督の仕事だと思います。
私はどんなサッカーをしようとも、レベルの低い自分の息子2人を入団させ起用し続けた人を認められないし許せないんですよね。
長々と失礼しました。

Re: タイトルなし
白面
はじめまして。コメントありがとうございます。

頂を目指す道は一つではないので、それぞれ個性はあっていいのですが……今の風間のままでは、自分は好きにはなれませんね(笑)
一方で、それだけプロ経験の浅い人物を指揮官に据えた以上、クラブには

「監督も人材の一つとして育てる」

義務が生ずると思うのです。でなければ以前、強化部長が口にした
“育成型への転身”
という言葉が反故にされてしまいます。

今シーズン、更には来シーズン。
どうなっているか注目です。

> はじめまして。
> 私も同様の感想を持っています。
> 監督としてどうなのかは、プロ監督としての経験の浅さが要所要所で見受けられます。
> 技術という部分では全員のレベルが上がったのは間違いないとは思いますが、逆にこのサッカーはドリブラー(山瀬、楠神など)にとっては窮屈さを覚えたのではないでしょうか。レナトは技術力・順応力でうまく対応していますが、彼の魅力が消されていることも事実でしょう。
> 自分のサッカーに対応できなければ例え可能性が高くても放出してしまうのでは、個性の強い選手が集まらなくなってしまうことを危惧しています。
> 自分のサッカーにはめ込むだけではなく、今いる選手をうまく使いこなすことも監督の仕事だと思います。
> 私はどんなサッカーをしようとも、レベルの低い自分の息子2人を入団させ起用し続けた人を認められないし許せないんですよね。
> 長々と失礼しました。


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コメント
この記事へのコメント
はじめまして。
私も同様の感想を持っています。
監督としてどうなのかは、プロ監督としての経験の浅さが要所要所で見受けられます。
技術という部分では全員のレベルが上がったのは間違いないとは思いますが、逆にこのサッカーはドリブラー(山瀬、楠神など)にとっては窮屈さを覚えたのではないでしょうか。レナトは技術力・順応力でうまく対応していますが、彼の魅力が消されていることも事実でしょう。
自分のサッカーに対応できなければ例え可能性が高くても放出してしまうのでは、個性の強い選手が集まらなくなってしまうことを危惧しています。
自分のサッカーにはめ込むだけではなく、今いる選手をうまく使いこなすことも監督の仕事だと思います。
私はどんなサッカーをしようとも、レベルの低い自分の息子2人を入団させ起用し続けた人を認められないし許せないんですよね。
長々と失礼しました。
2013/08/04(Sun) 21:13 | URL  | テル #-[ 編集]
Re: タイトルなし
はじめまして。コメントありがとうございます。

頂を目指す道は一つではないので、それぞれ個性はあっていいのですが……今の風間のままでは、自分は好きにはなれませんね(笑)
一方で、それだけプロ経験の浅い人物を指揮官に据えた以上、クラブには

「監督も人材の一つとして育てる」

義務が生ずると思うのです。でなければ以前、強化部長が口にした
“育成型への転身”
という言葉が反故にされてしまいます。

今シーズン、更には来シーズン。
どうなっているか注目です。

> はじめまして。
> 私も同様の感想を持っています。
> 監督としてどうなのかは、プロ監督としての経験の浅さが要所要所で見受けられます。
> 技術という部分では全員のレベルが上がったのは間違いないとは思いますが、逆にこのサッカーはドリブラー(山瀬、楠神など)にとっては窮屈さを覚えたのではないでしょうか。レナトは技術力・順応力でうまく対応していますが、彼の魅力が消されていることも事実でしょう。
> 自分のサッカーに対応できなければ例え可能性が高くても放出してしまうのでは、個性の強い選手が集まらなくなってしまうことを危惧しています。
> 自分のサッカーにはめ込むだけではなく、今いる選手をうまく使いこなすことも監督の仕事だと思います。
> 私はどんなサッカーをしようとも、レベルの低い自分の息子2人を入団させ起用し続けた人を認められないし許せないんですよね。
> 長々と失礼しました。
2013/08/05(Mon) 19:51 | URL  | 白面 #-[ 編集]
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