インテルやカルチョに関する話題多め
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ようやくこのシリーズにも、けじめを付けることができる。
今日は先日述べた『最終ラインをズルズル下げてはいけない』状況に対し、必要な対応策を考えていくことでまとめとしたい。

まずは前回の復習と、その補足から始めよう。
紹介した二つの仕組みは

仕組み⑤:最終ラインを高く保つということは、確かに相手にDFラインの裏を突かれるリスクを負うことになる。
だが
それは同時に自分達がボールを奪取した後のカウンターをスムーズにし、相手の喉元にナイフを突きつけることにもなる。
結果、相手は反撃を恐れて、攻撃に多くの人数をかけるのを避けるようになる。

仕組み⑥:翻って、最終ラインを下げてしまうと、その分だけカウンターの切れ味は鈍る
そうすると相手は安心して、どんどんこちら陣内に選手を送りこんで来る。結果、相手のチャンスは増える。


だったが、では逆に

じゃあ、最終ラインを下げていい状況っていうのはどういう時なのか?

という疑問を抱かれた人も多いのではないかと思う。
そこでこの問題を考える時に、目安となるのが

1)自分達が意識してラインを上下させているかどうか
2)時間帯、特に残り時間はどうか

の2点だろう。

例えば、試合開始から80~90分が経過したころ、いわゆる試合終了直前であれば、自分達から最終ラインを下げて守り切るという選択肢は考えられる。
ゴール前、ペナルティエリア付近に味方が密集しているという時点で、ボールを外に掻き出せる可能性は高まるからだ。

一方、得点的な優位もなく(僅差でリード、あるいは同点や負けている状況等)、本来はもっとボールを相手陣寄りで動かしたいのに、結果として相手に攻めこまれて最終ラインが下がってしまった場合。
これはまずい。中盤との意思疎通がうまくできず、半端に中盤が
攻撃のためには、自分達がもっと前に行かないと…
と考えてラインを上げてしまうと、

このような状況に陥ってしまう危険性が高まる。
図で見てもわかる通り、赤軍は中盤が前に出ようとしているのに、最終ラインに位置するDF達が、ラインを押し上げきれていないことがわかるだろう。

この状況で、図の通り黄軍がボールを奪取してしまえばどうなるか?
そこから先は言わずもがなである。

いかがだろうか。
相手DFの前と、あわよくば最終ラインの背後のスペースまで、彼らはフルに攻撃に使うことができる。ここに存在するスペースのうち、どこかでフリーの選手が足を振りぬけば? 高確率で、危険なシュートがゴールへズドンと飛ぶことになる。非常に危険な状況だ。

放り込み放り込みサイドアタックがドリブルからペナルティエリア内に侵入放り込みミドルレンジでフリーになった相手がシュート…..

等々、矢継ぎ早に様々な手を試されてはどうなるか? 
いよいよもって、コンパクトに選手と選手の距離が正しく保たれた、美しい守備組織を保つことは難しくなるだろう。

人間、来るとわかっていることには対応できる。だが、
何が来る……どう来る……?
という疑心や恐怖心に揺さぶられる状態が長引けば、思考力――つまり集中力の摩耗を強いられる。

こういう展開になってしまっては、攻撃を防ぎきることは難しい。
わかりやすい試合としては、コンフェデレーションズカップ時の日本vsブラジル戦を思い浮かべてくれればと思う。


では、どうやってこれを防ぐか? という話である。

結論から言うと、攻撃のバリエーションを制限させるためには、こちらの陣地に侵入してくる相手選手の数を減らす必要がある。
そのために欠かせないのが、先日も少し触れた、効果的なカウンターアタックなのだ。

カウンターアタックは、それ自体が相手DFの攻撃参加を制限する抑止力を持つ。得点をあげられれば最高だし、仮にフィニッシュに失敗しても、警戒した相手MF、DFが攻撃参加を躊躇い、自陣に滞在する時間が長くなる。

更にだ。カウンターアタックを機能させるためには、これまた人手が必要になることを、何人かの方は既にお気づきのことだろう。
そうなのである。
FWが前で待っているだけでは、例えロングパスが彼らのところまで通ったとしても、必然的に攻撃の選択肢が限られてしまう。

限られたことであれば対応しやすいのは、どちらのチームにも共通だ。攻撃を成功させるには、ドリブル、パス、シュートの選択肢を2つ、3つと増やさなければならない。相手チームからすれば、敵選手が複数いる状況に対応すべく、守備の人手を増やさなければならなくなるのだ。

DFラインと中盤MFが、距離を短く保ってスペースを小さくすることで、守備は安定する。
前線のFWと中盤MFが、距離を短く保つことで攻撃はスムーズになるのだ。


言ってみれば現代フットボールとは、一種の陣取りゲームである。自軍が攻撃と守備に効果的なスペース上でプレーできる時間を長くすることができれば、必然的に勝利は近づく。

これが最終ラインを下げ過ぎてはいけないことの、最も直接的な理由となるのである。


最後に、シリーズを通して確認してきた仕組み(約束事)を、もう一度確認して、当連載を終了させていただく。

仕組み①:守る側は最終ラインの背後に、ボールを持った相手選手の侵入を許してはならない。
補足:それがペナルティエリア内だと、尚始末が悪い
対抗策

仕組み②:最終ラインを下げることによって、仕組み①の守る側が最も困る状況は回避しやすくなる。

仕組み③:最終ラインをただ下げたところで、最終ラインのDFとMFの距離が開いていては、効果的に圧力をかけられないため、相手からボールを奪うことができない
転じて

仕組み④:守る側は最終ラインを下げるだけじゃなく、味方と味方の距離を一定間隔に保って、相手がフリー(自由)に動けるスペースを制限しなければならない。


仕組み⑤:最終ラインを高く保つということは、確かに相手にDFラインの裏を突かれるリスクを負うことになる。
だが
それは同時に自分達がボールを奪取した後のカウンターをスムーズにし、相手の喉元にナイフを突きつけることにもなる。
結果、相手は反撃を恐れて、攻撃に多くの人数をかけるのを避けるようになる。

仕組み⑥:翻って、最終ラインを下げてしまうと、その分だけカウンターの切れ味は鈍る
そうすると相手は安心して、どんどんこちら陣内に選手を送りこんで来る。結果、相手のチャンスは増える。

仕組み⑦:DFとMFの間隔が狭い方が、効果的な守備はしやすい。
FWとMFの間隔が狭い方が、効果的な攻撃もしやすい。
つまり……
最終ラインを押し上げてコンパクトに陣形を保つことは、攻撃と守備のバランスを整えるために、必要不可欠な行為である



この次あなたが見る試合で、あなたが応援するチームは、前線から最終ラインまでのバランスを、正しく距離を持って保つことができているだろうか?
そんなことを考えながら観戦してみるのも一興かもしれない。

<了>


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【2013/08/06 23:23】 | タクティカル
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