インテルやカルチョに関する話題多め
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では・・・今回は守備の一例として、イングランドプレミアリーグの名門中の名門、

マンチェスターユナイテッド

(以下マンU)の場合を取り上げて考えてみしょう。


彼らは、白面的大別法で考えると、
ボールを失った後、速やかに帰陣し、スペースを埋めて守備網を敷く・・・
そういうシステムを取っています(一応)。

他方、これは全員が全員、一目散に帰陣するというわけではありません。

彼らの目的は、ただ闇雲に、自陣へ帰還することではない。

個人個人が連携し、それぞれの役割を果たしつつ、結果的に多くの選手がそうすることが多いというだけで、一目散にボールに群がるわけでは決してないのです。

状況によって、役割は微妙に変化しますが・・・
これはおおまかに言うならば、以下のように分別できます。

●一刻も早い帰陣を要求される選手

主にCB(センターバック)や、SB(サイドバック)の選手が、ここに該当する選手たちです。

まずCBの場合、そもそも攻撃に参加するようなリスクを冒すことがほとんどありません。
よって、彼らが高い位置、例えば相手チームのゴールエリアにいるようなことは、極めて例外的な事態と言えます。

唯一、セットプレーで高さを必要とするケース(打点の高いヘディングを打てる選手が欲しい時)だけは、ネマニャ・ヴィディッチらが前線に向かうことも多いですが・・・
スペインのバルセロナFCなどと違い、マンUのCBがポゼッションやカウンターに参加する率は、とても低いことは事実です。

一方、SBは、左右のバランスを見て、どちらか片方の選手が高い比率で攻撃参加を行います。この時、彼らは高い連動性を持って、自らの果たすべき役割を判断しています。

例えば、左サイドのパトリス・エブラが前線に向かう場合、右サイドの選手・・・ガリー・ネビルらは、
CBと協力して、攻撃が失敗した場合に起こる相手のカウンターに備えることに専念します。

本来は典型的な

 4-4-2 

の構成になっているユナイテッドですが、サイドバックが攻撃に参加している間、一時的に

 3-5-2 や 3-4-3 、もしくは 3-2-3-2 や3-1-4-2 

など、それ以外の陣形に選手の配置を変えることがあります。
こうすることでマンU側は、相手のマーキングを混乱・困難にし、自らのパスコースを増やして、厚みのある攻撃を可能とするのです。

他方、相手にボールを奪取された場合は、彼らは本来DFの選手ですから・・・
基本的には素早く帰陣し、迎撃態勢を整えなければなりません。

ただし、これもまた状況次第。

例えばボールを奪取されたのが、サイドバックのエブラ自身の場合などは、彼は周囲の選手と連携し、相手のボールホルダーにプレッシングをかける必要がある。

こうした場面においては、他の選手・・・主にダレン・フレッチャーやポール・スコールズ、マイケル・キャリックらが彼らの代わりにDFラインに入り、一時的に代役を務めるのです。

本当は図解でもできれば一番よいのですが、何分そうした知識は皆無なもので、文面のみによる解説になってしまうことをお許しください;;


■素早く状況を判断し、帰陣するか、
その場に留まって相手を迎え撃つか、
むしろ前に出て先の先で相手のカウンターの出鼻を挫こうとするかを選択し、行動する選手


主に中盤の底や、いわゆるインサイドハーフに位置する選手たちが、このタスク(任務)を担います。

説明の通り、言うならば

『その場のアドリブで、最も的確な行動を求められる選手』

です。

当然、フットボールIQ、状況判断力が優れていなければ、こなすことのできない役割です。
また、高い運動量と、相手に当たり負け(ボディコンタクト時に競り負け)しないことが求められます。

「一刻も早い帰陣を要求される選手」の場合、状況によって若干の変動はあるものの、ある程度こなすタスクが決まっているのに対し、
彼らは毎回、ほぼ完全なアドリブで行動しなくてはなりません。

攻撃に守備に、と・・・どこにでも顔を出し、特に守備の場面では最も難解かつ重要な役割の一端を担う。

言わば、チームの心臓部とも言えるポジションと捉えてくださって結構かと思います。
人間の内臓でいうと、肝臓のようなすごい奴です(笑)


基本的には、先にも名前の出てきたような、中盤の選手たちが主にこの役割を担いますが・・・
マンUの場合は、サイドを本職とする選手もこうした役割を担う場合があります。

例えばパク・チソンなどは、無尽蔵のスタミナと優れた戦術的センスを有しているため、相手チームが強力なサイドアタッカーを有している場合、ウィンガーというよりインサイドハーフに近い役割をこなすこともしばしばです。

▼プレッシングをかける役目を担う選手

主にCF(センターフォワード)やST(セカンドトップ)や、状況にもよりますが、中盤両翼に位置するウインガーの選手たちも、こなすことの多いタスクです。

一口にプレッシングと言っても、その時その時の状況、チームごとの戦術によって、その機能は多岐に渡ります。

例えばマンUの場合、攻撃に失敗して相手にボールを奪われた後、味方が迅速に帰陣して守備網を敷く時間を稼ぐために、ルーニーやバレンシア、パク・チソンらが相手のボールホルダー(その時ボールを保持している選手)に対し、次々と激しいプレスをかけます。

これは言わば「逃し屋」のようなもので、戦場における殿。

味方が後退するために、敵(この場合はボール)が前線に運ばれないよう、“足止め”をする役目と、実際にボールを奪取できれば、そのまま一気に敵陣の中枢(つまりはゴール)に切り込む役目も担っています。


マンUのスタイルを象徴する、ハードプレッシングの第一人者がこのルーニー。コンディションさえよければ、ほぼ90分に渡って攻撃に守備に、ピッチ内を所狭しと駆け回る。間違いなく、現存する数多のFWの中でも最高峰に位置する一人

タスクの重要性・目的という点では前者の性格の方が強いですが、
相手の守備陣形が崩れかけたタイミングでボールを奪うことなどができれば、そのまま単騎でゴールを奪えてしまう場合も少なくありません。

一方、守備網が敷かれた後に、ボールホルダーに対してプレッシングをかけるのは、
相手の攻撃を停滞させたり、もしくは相手からボールを奪取するための手段です。

これは「奪還屋」とでも称すべきタスクで、相手を牽制することが主目的の「逃し屋」に比べ、より威圧的・攻撃的な役割です。

守備網が敷かれ、相手がボールを運べるスペースが限定されることから、
ボールを奪回できる確率も「逃し屋」時に比べて飛躍的に高く、そのまま攻撃に直結する動きというわけです。

言わば、守備のタスクをこなしつつ、攻撃の下準備も完成している状態・・・とも言うことができるでしょう。



以上のような各種のタスクを、選手たち一人ひとりが連動してこなすことで、マンUというチームは守備を遂行します。

この際、約束事は3点。
相手にボールが渡った時点の状況を、各人が瞬時に判断し、行動することを前提として・・・


・ボールがマンUから見て前線(相手陣内)にある場合、何人かが激しくボールホルダーに対しプレッシャーをかける。

・同時に、主としてDFラインの選手は素早くマークすべき相手の位置取りをチェックしつつ、守備陣形を構築。

・中盤の選手は、主に相手チームのボールホルダー付近にいる選手の近くに陣取って、パスコースを狭めて相手がボールを前に運べないよう圧力をかける。

      or

状況に応じて、前線の選手と連動してプレッシングを仕掛けることもある。

      or

もしくは、ある一方のパスコースに陣取り、もう片方のパスコースのみを開けて、ボールを一定方向へ誘導する役割を担う。



となります。
つまり、マンUの守備の基準点は、


“相手がボールを持つ最前線”

“そこから少し自陣寄りの、相手のパスコースとなるエリア”

“相手アタッカー(FWら)周辺”


の、3箇所からスタートするということです。

最終的な終着点は、理想としては中盤の高めの位置をベストポジションとして、それ以外であれば自陣ゴールから30m以上離れた、両サイドの比較的安全なスペース

どちらか一方のサイドへ相手のボールを追い詰め、相手がパスコースに困って中央付近の味方に甘くパスをだそうとしたところを、素早くカット!

・・・と、こんな形でボールを奪回できれば、マンUにとって思惑通りの守備が施工できている、ということになります。


余談ですが、この後彼らは当然カウンターアタックに出ます。

この際、4-4-2の真ん中の「4」のうち、両サイドに開いているナニやバレンシアらを経由し、相手の守備陣形が整う前にルーニ―やベルバトフまでボールを繋げられれば、効率よく得点確率を上げることができるわけです。

逆にルーニ―やベルバトフらにマーキングをしっかりつけている場合、必然的にその他の選手へのマーキングはゆるみますので・・・
そうなってくると突破力のあるナニやバレンシアらが、相手陣内の中央スペースに切り込める成功率も高まります。

相手チームは、守備の枚数が限られたシチュエーションで、常に2択、3択のリスクを迫られるか、
もしくは攻撃にかける枚数を少なくし、得点確率を下げてでも守備の安全性を高めるかで頭を悩ませ、ジレンマに陥ることになるのです。

こうした攻撃パターンは、マンUが持つ引き出しの内、ごくごく一部でしかありません。
ただしどちらも、守備から攻撃に移るまでの手間暇、かかる時間が少ないという特徴を持っています。

ボールを奪う位置とボールの奪う方法から、その後のカウンターアタックに到るまで、見事に無駄がない。
個々の選手の特性に、システムがぴたり合致しているのです。

これもサー・アレックス・ファーガソンが、マネジメントの全権を掌握し、
彼の望む通りの特性を持った選手を獲得しているからこそ、可能となるのだということは、ここに追記しておきます。


まさに一糸乱れぬ連携がそこにある。マンチェスター・ユナイデットの最大の武器は、ルーニーでもかつてのCロナウドでもない、ファーガソン監督の元で究極の域にまで高められたチームプレイだ


とと・・・めちゃくちゃ長くなってしまいましたが(汗)、いかがだったでしょうか?

今回は守備の基準点と、その終着点(ボールの奪回パターン)。
更にその後、攻撃に転じるまでの、一部プロセスをご紹介させていただきました。

なにぶん素人目ですので、それこそ長年マンUのスタイルを内外から見分されてきた方からしてみれば、

「この知ったかが! そうじゃないだろう」

と言いたいこともあるかと思います。
そうした場合、いくらでも突っ込んでいただけて結構ですので(苦笑)
当然、その他質問等ございますれば、そちらも真摯に応対させていただきます。

このコラムは、あくまで自分の目線・視点による独断と偏見で成り立っています。

自分はこうした方法で、各チームの構造を理解しようと努めていますよ・・・
という方法を解説していこうと思っただけのこと。

これは、この場で改めて申し上げておきます。


次回は今回ご紹介した、守備の基準点と相関関係にあるもの。
攻撃の基準点について、また別のチームを取り上げて解説できればと思います。


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【2010/10/12 23:12】 | タクティカル
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